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「ドライブするのは元旦だけ」「毎日通勤に使ってる」「乗り続けるために腹筋運動」ツワモノ揃いの「カウンタック日本一決定戦」勝者は?

Best of Countachは有名な日本上陸3号車が受賞

 いつの時代も“キング・オブ・スーパーカー”としてクルマ好きを魅了しているランボルギーニ・カウンタック。このクルマは、プロトタイプのカウンタック LP500(のちにロードテストおよびクラッシュテストに使用された)として、1971年のジュネーブ・モーターショーで初公開された。

 世界中のスーパーカーファンのみならず、アウトモビリ・ランボルギーニS.p.A.にとっても特別な一台であるカウンタックは、今年がデビュー50周年となる記念すべきアニバーサリーイヤーである。11月5日~6日、東京・新宿住友ビル 三角広場で開催された「Lamborghini Day Japan 2021」においても、大々的にフィーチャーされた。

 2年ぶりの開催となった今回の「Lamborghini Day Japan 2021」は、“カウンタック50周年記念イベント”として実施された。どちらかといえば、フィーチャーされたというよりも主役だったといったほうが正しい。メインであったことを物語るように「LAMBORGHINI COUNTACH CONTEST JAPAN」で選出された、10台の歴代カウンタックを会場内に展示。約20台のカウンタックを含む、70台以上のランボルギーニによるパレード走行も行われた。

「LAMBORGHINI COUNTACH CONTEST JAPAN」は、カウンタックの誕生から今年で50周年を迎えたことを記念し、2021年10月8日からオンラインにて開催。日本全国からPolo Storico(ポロストリコ=ランボルギーニのヒストリック部門)認証済み車両を含む、26台のカウンタックがエントリーした。

「Lamborghini Day Japan 2021」では、オンライン投票で選ばれたベスト10を展示。最終投票は、東京・新宿住友ビル 三角広場の会場にて、のべ500人以上の参加者により行われ、新型コロナウイルス感染症対策として6つのセッションに分けて実施された。各セッションごとにベストを選出しつつ、トータルでの合計投票数がもっとも多いクルマが「Best of Countach」として選ばれた。

Best of Countachに選ばれたのは新車で日本にデリバリーされた貴重なディーラー車

「Best of Countach」として選出されたのは、新車で日本にデリバリーされた貴重なディーラー車で、日本上陸3号車として知られるオレンジ色のカウンタック LP400(1976年/エントリーナンバー:1)。第一セッションとして実施された、メディアによる投票においてもベストとして選ばれている。

 以前、シーサイドモーター時代のエピソードを紹介した当サイトの記事(伝説の生き証人が語る、ランボルギーニ・カウンタック LP400日本上陸秘話)にも登場した個体だ。1974年に同社のスタッフとなった鞍 和彦さん(現・キャステルオート代表)によると、納期が遅れたので高額なエアカーゴでミラノの空港から羽田に飛ばしたそうだ。カウンタック LP400は、わずか152台しか生産されていない大変貴重なモデルである。

審査員特別賞はホワイトのカウンタック LP400S

 また、自動車ライターの西川 淳氏、自動車デザイナーの中村史郎氏、オクタン日本版編集長の堀江史朗氏らによる審査員特別賞「Premio della Giuria」には、ホワイトのカウンタック LP400S(1978年/Polo Storico認証済み車両/エントリーナンバー:3)が選出された。

 購入から15年で9万5000kmを走破し、機関が絶好調ということもあり時間があれば海や山へのドライブを楽しんでいるようだ。現車のオーナーさんは、今後も乗り続けられるように筋トレを開始したそうだ。次ページでは、Best10に選ばれた残り8台の車両説明をしていこう。

エントリーナンバー:2 カウンタック LP400(1977年)

 シルバーのカウンタックLP400は、一度もリペイントされておらず、1977年にデリバリーされた当時の塗装をキープしている。長きにわたってランボルギーニのテストドライバーを務めた、ヴァレンティーノ・バルボーニ氏のサイン入り証明付き。Polo Storico認証済み車両だ。

エントリーナンバー:4 カウンタック LP500S(1984年)

 エンジンと足まわりがオーバーホール済みで、車高調整式サスペンションと5穴のブラボーホイールを装備。カウンタック LP400Sで正式採用されたブラボーホイールは、1974年のトリノ・ショーで披露されたコンセプトカー「ランボルギーニ・ブラボー」が採用していたものだ。

エントリーナンバー:5 カウンタック 5000 クワトロバルボーレ(1986年)

 乗っていてストレスを感じないように、オルタネーターを高性能な仕様にバージョンアップ。エキゾーストマニホールドとステンレス製マフラーはワンオフ品を装備。オーナーさん曰く「赤いボディとタン内装の組み合わせがお気に入り」とのこと。

エントリーナンバー:6 カウンタック 5000 クワトロバルボーレ(1987年)

 こちらもコンセプトカーの「ランボルギーニ・ブラボー」が採用していたブラボーホイールを装備。フロントタイヤのサイズを225から205に変更している。Polo Storico認証済み車両。

エントリーナンバー:7 カウンタック 5000 クワトロバルボーレ(1988年)

 生産台数が少ないインジェクション仕様。サイドスリットがあるボディとマフラーはヨーロッパ仕様だ。現在のオーナーがふたり目で、所有歴は20年以上となる。Polo Storico認証済み車両。

エントリーナンバー:8 カウンタック 5000 クワトロバルボーレ (1988年)

 ブラックのボディにブラックのインテリアというカウンタックとしてはレアな組み合わせで、シックな佇まいが印象的だ。オーナーさんによると「とくにアピールするポイントはない」とのことだった。Polo Storico認証済み車両。

エントリーナンバー:9 カウンタック 5000 クワトロバルボーレ(1988年)

 20年ほど前に念願叶って入手。大切にしているので、ドライブするのは元旦のみ。普段は除湿作業やボディ磨きを実施し、コンディションの維持に努めているそうだ。Polo Storico認証済み車両(国内では早めに認証された個体だ)。

エントリーナンバー:10 カウンタック 25th アニバーサリー(1989年)

 オリジナルを重視しており、オーナーさんによると所有23年目とのこと。サーキット走行や、ジムカーナ、ヒストリックカーラリーなどの各種イベントへの参加のみならず、普段の買い物、通勤にまで使っているが、クラッチは無交換なのだという。

自分だけの1台を仕上げられるアド・ペルソナムを再現

「Lamborghini Day Japan 2021」の会場内には、顧客の希望に合わせ、エクステリアとインテリアのカラーや、トリムなどをオーナーの好みに仕上げ、世界に1台だけのランボルギーニを構築することができるランボルギーニのプレミアム・パーソナライゼーション・プログラム「Ad Personam(アド・ペルソナム)」コーナーも設置。自分だけの1台に仕上げることができるアド・ペルソナム専用スタジオ「THE LOUNGE TOKYO」が再現された。

 インテリアに使用されるレザー素材やボディカラーのサンプルなど、一部が展示された。 「Ad Personam」におけるカラーから素材に至るまでの組み合わせは無限にあり、焼き印ではなく、手刺繍によるシートロゴから、インテリアのイニシャル刺繍、サンプルカラーの再現まで、ランボルギーニの高い品質標準要件に沿ってユーザーに提供している。

オーナー向けの専用アプリや公式クラブも展開

 また、ランボルギーニのオーナー向け専用アプリである「LAMBORGHINI UNICA」のブースも設置された。LAMBORGHINI UNICAでは、ランボルギーニの最新情報やレースに関するインフォメーション、ライフスタイルイベントの情報などを入手できる。そのほか、購入した新車の生産状況をリアルタイムで確認でき、担当ディーラーへの連絡も可能だ。

 そして、ランボルギーニ本社から承認された公式クラブである「LAMBORGINI CLUB JAPAN」もブースを展開した。クラブのメンバーは、Polo Storico認証や、世界各国で開催されるアカデミアといったイベントへの参加時に特典を受けることができる。今後、クラブ主催のイベントなど、さまざまな活動を展開していく予定だ。

 ランボルギーニ・ジャパンの代表(Head of Japan)であるDavide Sfrecola(ダビデ・スフレコラ)氏は、「日本全国からお集まりくださったお客さまの皆さまに感謝申し上げます。ランボルギーニ、そして、カウンタックを愛し続けてくださる皆さまとのつながりを大切に、今後もさまざまな形でオンライン、オフラインでお会いできる機会を創出し、ランボルギーニのDNAを発信してまいります」とコメントした。

 V型12気筒エンジンを搭載しているサーキット専用ハイパーカー「Essenza SCV12(エッセンツァ SCV12)」が日本において初披露されるなど、「Lamborghini Day Japan 2021」の会場に居合わせたすべての人が感動できた当イベントは非常に印象深いものだった。今後、ランボルギーニの各モデルもハイブリッド化が進み、EVも登場することになるであろうが、カウンタックを創出したブランドの威光が陰ることはないだろう。

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