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これぞ「王道」のカスタム! あの「Gクラス」が激変する「欧州の老舗アイテム」が衝撃的すぎた

KW&アクラポビッチのGクラスデモカーフロント外観

欧州の2大ブランドがG63の高性能を昇華させる!

 人気のW463Aの走行性能を上書きする、世界トップレベルのチューナーアイム“KW”と“AKRAPOVIC”の2大ブランド。両雄がW463Aのために開発した足まわりとエキゾーストを、世界のハイパフォーマンスモデルを知悉するモータージャーナリストがテイスティングする!

初出:オンリーメルセデス Vol.201 2月号(一部加筆・修正)

KWとアクラポヴィッチコーデで純正然なW463Aが漂わす凄み

 モデルチェンジが行われ、ニューモデルへと進化したメルセデス・ベンツGクラス。そのプレミアムSUV市場での人気は、前作と同様に圧倒的な高さとなっている。それはチューニング&ドレスアップの世界においても変わらない。

 そもそもGクラスの魅力とは、どこにあるのだろうか。モデルチェンジで一気に進化した走りの素晴らしさは、すでに何回も経験済みだ。個人的にとりわけ印象的だったのは、より落ち着きを増した乗り心地と素直なハンドリング。オフロード走行は、もちろんGクラスが最も大きなアドバンテージとするところだが、最新のGは、そこに至るまでの道もナチュラルな走りで楽しませてくれる、素晴らしいSUVに進化した。

 さらに忘れてはならないのが、そのスクエアなボディスタイル。直線を基調としたデザインは、現代のSUVのなかでも特徴的な、とても強い個性を持つ。あえてそこに手を加えることがなくても、都会にもオフロードにも自然に溶け込む美しさがある。もちろん逆にエクステリアのモディファイを考えるのならば、アイデアは無限に出てくるだろう。それを受け止めてくれるのがGクラスという存在なのだ。今回、橋本コーポレーションのデモカーのG63の撮影風景を見ながら、ふとそんなことを考えていた。

 エクステリアから、このG63をノーマルではないと見極めるのは不可能に近い。なぜなら新たに装着されているのは、KWの「DDCプラグ&プレイ」サスペンションキット(145万2000円・税抜)と、アクラポヴィッチのエキゾーストシステム「エボリューションライン(チタン製/110万4000円・税抜)」のみだからだ。ボディサイド、後輪の前方に導かれる、このエキゾーストシステムのエンドパイプが、6角形をモチーフとしたスクエアデザインに姿を変えているのが、ノーマルとの唯一の違いとなる。

快適性に磨きをかける脚と乾いた音質のエキゾースト

 箱根のワインディングロードで、KWとアクラポヴィッチというふたつのメジャーブランドからのアイテムを得たG63の走りを試す。

 まず印象的だったのは、やはりKW製サスペンションキットの効果。こちらはスイッチ操作で3段階のダンパーセッティングが選択できるが、意外にも、もっとも魅力的に感じたのは、ソフト方向のセッティングだった。これだけ重量のあるボディがロールしていながら、コーナリングでは怖さを伴うロール感をドライバーに伝えることがない。4輪の接地感にともかく優れたフットワークなのだ。フロントで0〜30mm、リヤで5〜30mmという車高調整の効果が大きく表れた結果だ。

 一方のアクラポヴィッチのエキゾーストシステムが奏でるサウンドだが、じつに魅力的なものに変化していると感じた。モーターサイクルの世界を制し、2008年から4輪のエキゾーストシステムの開発と生産に進出した同社は、メジャーなスポーツカーメーカーから純正のアイテムとして指名されるほどの技術、とりわけチタンという軽量素材の扱いに長けたメーカーだ。

 実際に装着されているのは「エボリューションライン」と呼ばれるアイテムで、これはセンターパイプからエンド部分までをカバーする構造。サウンドはノーマルのG63が、おそらくはメイン・マーケットとなるアメリカ市場の好みに合わせた、ドロドロとした音質であるのに対して、軽量なチタン、そしてその薄さによってより乾いた印象の、スポーツモデルらしいサウンドを演出している。

 ちなみにこのキットも、センターコンソール上のスイッチで音量の調節が可能。とりわけ小さなボリュームを選択したときの静かさには驚かされた。

 この橋本コーポレーションコーデのカスタムG63は、おそらくはGクラス・チューニングで、もっとも高価な組み合わせだろう。ただ、一流のアイテムを使うことは、結果的に最大の効果を生み出すことになるということを証明している。

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