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これ、本当にスズキの軽なの? もはや「実物大ラジコン」にしか見えない「シャコアゲ」ツイン!

なりゆきで購入したツインをデザート仕様に!

 SOUL ART&RODはUS系のカスタマイズを得意とするショップ。同ショップのカスタマイズカーはクルマ雑誌の表紙を何度も飾っている。

 今回紹介する同社作のツインは「完全になりゆき(笑)。知人から軽トラを引き取りに行ったときに“ツインがあるよ”と言われ、車検やグレードも何も聞かずに買うよって引っ張ってきたクルマで、最初は仲間すらドン引きでした(苦笑)」と語るのはIさん。

 当初、購入したツインはお店の代車として考えていたが、「ストリートカーナショナルズが30周年を迎え(当時)、従来であれば前年末のホットロッドに出したクルマを出展していたんです。ですが、記念なので急遽新作にしようとなり、手元にあったツインにしました。ただ、急遽とはいえ、作り込んでいったら面白くて。結局すぐに作り上げてしまったんです(笑)」

初出:K-STYLE(一部改稿)

前代未聞の「ビックリドッキリメカ」風ツイン

 完成したツインは今までにないデザートレース仕様へと進化。「改造車やカスタムでネット検索すると、大抵のツインはライトカスタム。すごくイジっていても他車種用のターボチューンくらいなんです。ツインってよく見ると異常に短いサイズ感。高さをちょっと与えると、全長:全高:全幅が1:1:1のサイコロみたいになるなって思ったんです(笑)」 そのサイズ感に気づくと、ピンとくるのが30代以上であれば誰でも知ってるあのアニメ。「ヤッターマンのビックリドッキリメカみたいだねって。カスタム次第でコミカル感がすごく出ますよね」

 方向性は導き出した。あとはいかにサイズ感とおもちゃ感を融合させるか。参考にしたのが、またまた世代的にドンズバなタミヤのラジコンだ。それに寄せるためにボディやフェンダーアーチ、インナーなども大幅に加工。

 ストラットやドライブシャフトも他メーカー&他車種を流用するなど、簡単にはいかないものを結果だけ見ると難なく入れる。伊藤さんならではのセンスとアイデアをふんだんに感じさせるツインが完成した。

全体的にフォルクスワーゲンのエッセンスを注入

 FRならケツ上げは簡単だがツインはFF。横型エンジンのドラシャは左のシャフトが異様に短い。落とすとキャンバーが付きすぎ、上げるとスプラインが外に出る。「ならドラシャを延長すれば上げられる」とスズキのFFベースの四駆用を流用。

 全体にVWのエッセンスを与え、バハバグのRバンパーをFに流用。Showネームを“レディバグ2”と命名。

 マフラーもイチから作ったスティンガーテール。

 ベースは赤だが、表面の赤はオールペン。「純正とは違う赤ですが、違う色にサッと塗るとグレードの低いツインは内張りが鉄板剥き出しなんです。全部バラして塗るのも面倒」と2トーンを選択。「それで2トーンにしましたが、斜めに入れると言ったら相方の鈑金のおっちゃんや仲間も“意味わからない”って度肝を抜かれたみたい(笑)」。ただしそこは単にクリアを吹くだけじゃなく、タミヤの濃いめの青を追求。「濁った青を出すために何度も塗り直してできた色でプラモデル感に寄せています。仲間には全体のバランスを見たらわかるようになるって言いながら塗りました」。ステッカー類も北海道から沖縄まで探して本物を貼る。

ラジコンの雰囲気を大切に

 ボンネットに入れた白・黄・橙・紺のラインもデカールに見えるように厚吹き。ボンネットピンもラジコンのカウルファスナーをイメージした。水道の配管、金属部分に穴を開けて割りピン入れて、クルマの改造車というよりラジコンの雰囲気を大事にしている。

 Fバンパーを大胆加工し、チューブバーはバハバグのリヤより流用する。

 フォグランプのステーは、VWタイプ2のアーリーレイトバス用を加工。ダブルバンパーのアッパー部分をぶった切って溶接した逸品だ。「ジムニーみたいなオバフェンやタイヤの外出しは避けたい。ナローのまま、小さいミニマムのまま収めたい」と、アーチ上げやインナーもフル加工。ストラットも他メーカー用を延長してリヤを上げた。

 キャンディブルーに塗り、ステッカーを貼ってパッと見NOSに見える消火器。

 レースに出るわけじゃないが、ロールバーは専門ショップでボディ剛性も考えた本物のパイプから製作。「トルクまで指定されましたが、あくまでパロディ。そこは遊びですと伝えました(笑)」

 トピー実業のスタッドレス用の鉄ちんをアイボリーに塗装してラジコンぽく。タイヤ探しに半年を要した。「北海道でピン付きのスパイクタイヤが見つかって。タイヤに合わせたフェンダーです」

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