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見た目と引き換えにガマンも必須!? 意外と難しいインチアップのいいトコ悪いトコ

インチアップしたGT-R

デメリットを理解した上で楽しんでほしい

 ドレスアップの定番メニューであり、走りも良くなるタイヤのインチアップ。しかし、ほかのカスタムと同様にメリットだけじゃなく、デメリットも少なからず存在しているのだ。せっかく安くないお金をかけてインチアップしたのに、乗りにくくなったり故障の原因になっては本末転倒だ。メリットとデメリットをよく理解したうえで、自分に合ったインチアップを楽しんでほしい。

メリットその1:足もとの迫力がアップ

 まずはメリットから説明する。もっとも大きなプラスの変化はスタイリングの向上だろう。タイヤとホイールが大きくなることで足もとの迫力がアップし、また社外品のホイールはデザインもこだわっているため、同じクルマとの差別化や個性を表現する手段としては最適。

メリットその2:ステアリングのレスポンスが鋭くなる

 そしてインチアップすればタイヤの扁平率が下がる。サイドウォールと呼ばれる側面が短くなることでタイヤのたわみが減り、ステアリングのレスポンスが鋭くなりスポーティな乗り味に変化。とくにコーナリングや高速域の車線変更などでは、インチアップ前との差を感じやすいはず。

メリットその3:ブレーキングの安定感もタイヤのグリップも増す

 さらにタイヤのたわみが減ればブレーキングの安定感も増すし、インチアップでホイール裏側のクリアランスが大きくなり、大径ローターやビッグキャリパーも装着しやすくなる。すべてのケースに当てはまるとはいえないが、インチアップはタイヤの幅も太くなることが多く、仮に同じ幅でも低扁平化で結果的に接地面積が増え、グリップの向上に繋がることもよく覚えておきたい。

デメリットその1:乗り心地が悪く感じる

 続いてはインチアップによる代表的なデメリットを。上で説明した低扁平化でサイドウォールが薄くなり、タイヤが持つクッションとしての役割がスポイルされ、路面からの入力が乗員へダイレクトに伝わる、つまり乗り心地が悪くなったと感じてしまうのだ。

 45から40などワンサイズ程度であればさほど顕著ではないが、扁平率の変化が大きいほどゴツゴツした乗り味になると考えていい。接地面積が増えれば転がり抵抗が大きくなることも避けられず、燃費やロードノイズの悪化も忘れてはいけないデメリット。

 もっともスポーツ走行をおもな目的とするハイグリップタイヤは別として、コンフォート系のタイヤなら低燃費や低騒音を謳っている製品も多くあり、チョイス次第で乗り心地/燃費/ロードノイズは改善できるはずだ。

デメリットその2:ホイールの重量が増加する

 あとはホイールを含めた重量の増加も避けられない。クルマが重くなれば燃費や加速などの性能が悪化するし、ハンドリングやブレーキにもマイナスの影響を及ぼす。もしスポーツ走行が趣味なら極端なインチアップを避けたり、できる限り軽量なホイールを選んだほうがいいだろう。

ハミタイとサスペンションの干渉に注意

 最後にインチアップを行う際の注意点を紹介しよう。大前提は車体からはみ出さないようタイヤとホイール組み合わせることで、同時にタイヤハウスやサスペンション類と干渉しないかも気を付けたい。一般的な範囲のインチアップなら別だが、ギリギリのツライチを狙うような人や社外フェンダーを使っている人はセオリーが通用しにくいので、不安ならドレスアップに強いプロショップでアドバイスを仰ぐべき。

 タイヤのはみ出しはひと目で違反だとわかるし、干渉は故障や事故に直結する危険性が高い。カスタムの初歩という印象が強いインチアップ、失敗しないためにも正しい知識を身に付けるべし。

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