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高齢者がいるなら避けるべき! 足腰が弱ると乗り降りしにくい軽自動車5選

スーパーハイト系やハイトワゴン系を選ぶのが正解

 軽自動車は車両価格、維持費ともに安く、小回りが利き、高齢者を乗せて病院などの送り迎えにもうってつけのクルマである。ただし、どんな軽自動車でも足腰が弱った、クルマの乗降に介助が必要な高齢者を乗せるのに適しているわけではない。

 まず、高齢者を後席に乗せるのに向いている軽自動車といえば、それはもう、スーパーハイト系に尽きる。車高が高く、低いステップからフロアに段差のない、両側スライドドアを備えて後席の乗降性に優れている。高齢者施設の送迎車にスライドドア車が多いのが、なによりもの証拠である。

 もちろんリヤヒンジ式ドアでも、ハイト系ワゴンと呼ばれる比較的背の高い軽自動車で、リヤドアが直角近くまで開く軽自動車なら、よほどのことがない限り高齢者の乗降性に適していると言える。つまり、今人気の軽自動車のほとんどが、高齢者を乗せるのに向いていることになる。全高の高さから、立体駐車場の入庫は難しくなるのだが……。

低全高リヤヒンジ式ドアのセダン系軽自動車は避けるべし

 一方、クルマの乗降に介助が必要な高齢者を後席に乗せる前提で、こんな軽自動車は、なるべく避けたほうが良い……と思えるのは、低全高かつリヤヒンジ式ドアのセダン系軽自動車だ。低全高だとリヤドアの開口部高もまた低く、乗降時に頭や体をかがめる必要がある。スライドドア部分の敷居と後席フロアに段差のあるセダンタイプの軽自動車は、リヤドアが直角近く大きく開いたとしても、スライドドアのようにスムースな乗降が難しくなるからだ。

 アシストグリップがあったとしても、セダンタイプだと天井側に付いているケースがほとんど。その位置では、介助が必要な状態の高齢者がしっかりと握って体を安定させて乗降するのは、ちょっと難しいはずだ(助手席の肩に手を掛ける方法もあるが……)。

 逆に、高齢者が握りやすいアシストグリップは、やはりスーパーハイト系軽自動車にあるような、Bピラーに縦に付いているアシストグリップのほうなのである。では介助が必要なケースであまりオススメできない車種とはなんだろうか? 

ダイハツ・ミライース

 全高が低く、リヤドアがヒンジ式の軽自動車と言えば、例えばダイハツ・ミライース。その全高は、スーパーハイト系軽自動車の約1750~1790mm、ハイト系ワゴンの約1630~1680mmに対して1500mmでしかない。これは、ミライースが燃費スペシャルな軽自動車であり、空気抵抗をなるべく受けないために、あえて低められた全高だからである。

スズキ・アルト/ホンダN-ONE

 同じくセダン系軽自動車のスズキ・アルトの1525mm、ホンダNーONEの1545mmも低めである(スーパーハイト系やハイトワゴン系と比較して)。

 しかも、繰り返しになるが、セダン系はほぼどんなクルマでも敷居とフロアに段差があるケースがほとんどだ(フロアが敷居より低い位置にある)。高齢者でも自身で乗り込め、降りられる体力や筋力があればそうしたセダン系軽自動車でも問題ないのだが、介助が必要なケースでは乗り降りする高齢者、介助する側ともに、スーパーハイト系やハイトワゴン系に比べて、労力が必要になるかもしれない。

ホンダN-VAN

 また、両側スライドドアを備えていても、キャブオーバータイプのワンボックス軽は、車種によってスライドドア部分の敷居が高く、スライドドアと言っても足運びに苦労するクルマもある。一例を挙げると、ホンダNーVANはスライドドア部分の敷居の高さこそ地上400mmと低いのだが、フロアはその敷居から約70mm下がった位置にある。敷居からフロアに段差のない、NーBOXのような乗用系のスーパーハイト系軽自動車とは造りが異なる。

スズキ・エブリィ

 ダイハツ・ハイゼットカーゴ(先代)だと敷居の高さそのものが地上約450mmと高めだ。ちなみに、この種の商用系軽自動車で比較的敷居が低いのは、スズキ・エブリィの385mmである。

 介助が必要な高齢者のために軽自動車を選ぶのであれば、やはりスーパーハイト系やハイトワゴン系を選ぶのが正解だろう。高齢者の体力や筋力がリハビリなどによって復活し、元気ハツラツになれば別だが、今以上の介助が必要になるケースもあるから、先を見越した、より高齢者に優しい軽自動車選びが不可欠と思える。

 そうして、病院や施設の送り迎えだけでなく、かつて元気だったころのように、ドライブに連れて行ってあげよう。肉体的な衰えは止められなくても、その楽しさから精神的な元気や気力を取り戻し、ポジティブ思考になる可能性は十分にある。筆者の要介護歴5年近くだった老いた母親も、近所であれ、ドライブに連れて行ってあげると、喜んではしゃいでいたものだ。

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