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悲惨な結末を迎える名車も! いまどきはクルマも「終活」を考える時代だった

諸行無常、元気なうちに考えておきたい愛車の「行き先」

 どんな人の人生にも必ず最期の日がやってくる。仏教最初期のパーリ語による経典である「スッタニパータ」にも、「あらゆる人々は、ひたすら、死に向かって進んでいる」と記されている。自明の理なのだ。そこで、いざというとき=自動車趣味人らしい最期を迎えるために、クラシックカーの「終活」についても日ごろから考えておく必要がある。情熱とお金をかけた名車コレクションも、来世には持って行けないからだ。

 いきなり結論を述べてしまうと、まだ元気なうちに愛車を手放すのは悲しいが、亡くなる前に自身のコレクションを整理して市場に流通させるか、信頼できる人のガレージに生前から移動しておくか、もしくは遺言をしっかり書いておくべきなのだ。

※写真はすべてイメージです。

黙って亡くなると貴重なクルマが悲しい運命に

 ツラい話だが、現世に遺された者がクルマの価値についてよく理解していない場合、最悪のケースでは散逸、良くても二束三文で引き取られていくことになる。まさに諸行無常なのだ。実際に、名車をたくさん所有していた方が一昨年の秋に亡くなったあと、しばらくしてから「そういえば、あの方のあのクルマ、どこ行った?」と、クルマ仲間と話したことがあり、結局、その後を探る方法がなかったので嫁ぎ先がわからなかった。

 もしかしたら、まだガレージ内で保管されているのかもしれないが、謎のルート(?)で海外などに流通してしまうと、もう追いかけられないわけである。そうならないように、生前に嫁ぎ先を確定しておいたほうがいいのであった。

最近話題の「バーンファインド」も美談だけではない

 そして、ここ最近「バーンファインド」というワードを見たり聞いたりするようになったが、これは、ガレージや納屋で長年放置されていたクルマ、バイク、飛行機などが発見されることを意味する言葉だ。オーナーが生きているケースもあるが、大半の場合はオーナーが亡くなったことにより、長い間保管されていた愛車が見つかり、ふたたび日の目を見ることになるケースだ。

 オーナーが亡くなったことで発見されたバーンファインドカーは日本でも流通しており、誠意のある友人や良心的なショップが介在して流通した場合は遺された者に適正なお金が入っている。しかし、「このクルマ、捨てておいてあげますよ」みたいな感じで言い寄ってきた怪しい業者が引き取ってしまった場合は、遺された者が大損しているといっていい。

愛車への知識とノウハウを次世代に

 工場出荷時の状態をキープしていたりもするバーンファインドカーは自動車趣味人にとって魅力的な存在だが、「納屋物」を抱えている人も、自身が亡くなる前に整理しておいたほうがいいだろう。バーンファインドカーを再整備する際には、そのクルマに対する知識とリスペクトが必要になるので、ぜひとも老成円熟の深い造詣を後進に伝えていただきたい。

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