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溺愛した「箱入りグルマ」を襲った悲劇! 「旧車」が傷んだ理由はまさかの過保護だった

2万kmのメーター

過保護にしすぎるのもクルマにとっては良くない

 クルマを大事にするとよく言うけど、その方法はというとさまざま。正確には、正しい方法というのはわからないだけに、自己流でやっていると言っていい。いずれにしても大切にするということ=あまり乗らないというのがまずは頭に浮かんだりする。ただ、それでいいのかどうかはけっこう疑問ではあるが……。

 いい例が古い年式にも関わらず、走行距離が伸びていないクルマ。よく納屋物と呼ばれたりもする。一見すると良さそうだが、走らせていないとも言えるわけで、エンジンの吹けが悪かったりして調子がよくないこともあるし、走らせるために多くの手間と費用がかかったりする。つまり大切にするあまり、乗らないというのは必ずしもいいとは言えず、今回は大切にされすぎたクルマの末路をまとめてみた。

タイヤが劣化してしまった

 あまり乗らないということはタイヤの溝も減らないということ。ただ、タイヤは乗らなくても劣化はする。ゴムだけに、紫外線や気温による影響を受けやすく、細かなヒビが出てきたと思ったら、さらに拡大してしまう。溝はしっかりと残っているので一見すると使えそうだが、実際は使えないというもったいない感じになってしまう。また長期間だと、クセがついて接地面だけが凹むこともある。

ブレーキが傷んでいた

 動かすというと、エンジンなどを思い浮かべやすいが、ブレーキも同様。ペダルを踏む度に各キャリパーのピストンが動くし、配管の中をフルードが移動する。これはけっこう重要で、ブレーキフルードは吸湿性があるため、あまり乗らないと動かないことから、内部が固着することがある。つまり置いておくだけでもブレーキは刻々と劣化していくわけだ。

エンジンの油膜切れやガソリンの劣化

 エンジンも、もちろん影響を受ける。乗らないとオイルは下に落ちてオイルパンに溜まりっぱなしで、各部の油膜は切れてしまうこともある。さらにガソリンは腐るので、長期間放置された旧車のようにガソリンタンクが悲惨なことになっていたりはしないまでも、インジェクターの詰まりの原因になったりして、不調につながることがある。ちなみに半年ぐらいで品質は劣化してくるので注意が必要だ。

車内にこもった湿気が悪さする

 これは家と同じで、締め切ったままというのは劣化を進めることが多い。ドアを開けたり走行風が入り込むことで空気が入れ替わるし、湿気のこもりも解消できる。あまり乗らないとドアを開けたときにカビ臭いことがあるが、空気が入れ替わらないことが原因だ。

足まわりにガタつきが……

 タイヤと同じようなことで、ゴムブッシュに一定の力がかかり続けていることで潰れが発生。さらにショックも作動することなくて、ロッド部分の動きが渋くなったりする。久しぶりに乗ってみると、なんだか違和感を感じることが多かったりするのはこれが原因。

動かないと塗装も傷む

 塗装もずっと止めておいたからと安心と言っていいわけではない。アメリカの西海岸などのように雨がほとんど降らず、乾燥した気候ならまだしも、湿気が多い日本は厳しい。車内の空気が入れ替わらないとよくないように、ボディの各部に入り込んだ空気が入れ替わらないのはよろしくない。

 また同じ場所にずっと止まっていると、毎日同じように日光にさらされる。たまに見かけるのが、ヘッドライトの片方だけが劣化しているクルマで、これは同じ場所に止め続けていたことが原因。走ればまんべんなく当たると言ったら変だが、向きが変わるのはいいことなのだ。

気がつけばフロア下に錆

 土や砂利の駐車場では顕著で、コンクリートでもわずかとはいえ影響があるのが湿気だ。乗らないで止めておけば、車内などと同じように地面とフロアとの間の空気は淀む。長期間だと予想以上のダメージがあって、ぶつけた場所からサビが出てきたりもする。

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