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「タフト」「ハスラー」「クロスロード」の過去の姿は全然違う! 昔を知る人には驚きしかない「復活車名」9台

伝統のモデルをカタログで振り返る

 昔の名前で出ています……という昭和かつ苔が生えていそうなフレーズは何がなんでも使うまい……と心に誓いつつ、私をスキーに……のときと同様、あっさりと書き出しに書いているのだが、国産量産車を見渡すと、結構、かつてのネーミングを“再使用”している例がある。

 ごく簡単に言えば、それが所定の条件や範囲を満たす形で商標登録してあるなら、再使用は可能だからだ。今回も絶大な信頼性……とは決して言えない筆者の記憶力を頼りに、車名再使用の例を取り上げたい。

スズキ・ハスラー

 まずここ最近で1番「へぇー」と思わせられたのが、人気のスズキ・ハスラーだった。ご存知の方も多いと思うが、このネーミングはかつてスズキの2ストローク・単気筒のオフロードバイクに使われていたもの。2輪と4輪を手がけるスズキだからこその離れ業(?)で、調べるといろいろな意味があるのだが(ここではあえて触れない)、まあ、勢いのある語感は、今のハスラーにも合っている。

ダイハツ・タフト

 そのハスラーのガチのライバルとして登場したダイハツ・タフトも、奇しくも昔の名前使用派。もとは1974年に登場したオフロード4WDの名で、その名が転じて、現代のSUV風軽自動車で蘇ったということになる。

ダイハツ・ロッキー

 さらにダイハツではもう1台、ロッキーも再使用例。“前例”は1990年に登場した、やはりオフロード4WDで、ベルトーネが手がけた派生モデル(フリークライマー2)なども存在した。現代のロッキーもSUVという点では遠からずといったところか。

ホンダZ

 軽自動車では、ホンダにも例があった。Zやバモスなどがそう。Zの初代は1970年に登場した、あのZ。当時のN360(のちにライフ)をベースに仕立てたスペシャルティモデル。その名を受け継ぎ1998年に登場したZは、“Kムーバー”と呼ばれた当時のホンダの軽自動車シリーズ中の1台だ。今のSUVブームを先取りしたようなモデルだった。

ホンダ・バモス

 もう1台のバモスは、正式名をバモスホンダといい、見るからにユニークな“オープン型トラック”だった。その名を受け継ぎ1999年に登場したバモスは、それまでのアクティ・ストリートに変わるホンダの軽1BOXタイプ。2003年には、そのハイルーフ版のバモスホビオも登場している。ホンダの軽自動車ではほかにも、N360の後継車だったライフの車名が1997年に復活しているし、もともと“Nシリーズ”自体、最初のN360を記号として現代に蘇らせたものだ。

ホンダ・クロスロード

 ホンダでいうと、さらにもう1台、クロスロードがある。クロスロード? と思いの方もおられるかも知れないが、この車名が最初に与えられたのは1993年に登場した、ランドローバー・ディスカバリーのOEMとしてホンダで売ることになったモデル。

 そして“2代目”は、2007年からわずか3年だけの存続に終わったモデルで、コチラは当時のミニバンのストリームをベースに作られた3列シートのSUVだった。初代クロスロードの名が挙がったついでにいうと、その時期はホンダが内外他社のSUVをOEMとして自社で販売していた時期で、ほかにもいすゞ・ミューをベースにしたジャズがあった。このジャズの車名も、もともとは初代シティの英国仕様の車名だった。

 一方でシティはシビック・フェリオを東南アジア向けに仕立てた4ドアセダン(ほかにも5ドアハッチバックもある)の名に使われた。そのほか、手元で確認しきれていないのだが、このあたりの車名は、整理するには少しややこしいのだが、スクーターやバイクの名として使われていたりしたはずだ。

日産キックス

 軽自動車では日産が三菱パジェロ・ミニのOEMとして発売していたモデルにキックス(KIX)があったが、2020年に登場したe-POWER搭載のキックス(KICKS)で同名が使われた。ただしカッコ書きで示したように欧文のスペルは異なっている。

三菱エクリプス

 それと車名の再使用で大胆なパターンというべきか、まったく違うジャンルのクルマに生まれ変わって車名を蘇られた例として、三菱のエクリプスやRVRがある。エクリプスはご存知のとおり、もともとは1989年にアメリカで発売が開始され、日本へも逆輸入されたスポーツクーペの名で、日本市場へも3代目まで導入された。

 一方で2017年になり、SUVとして復活したのがエクリプスクロス。派生車風に“クロス”が付け加えられた車名ではあったが、元のエクリプスの存在がないから、まあ復活というか再使用と見做すことにする。

三菱RVR

 もう1台RVRも、初代は1991年に登場した、ミニバンの2代目シャリオのショートボディ版で、ボディ側ではなくドア側にレールを設けた構造のスライドドアを持つユニークな実用車として人気を集めた。

 一方で2010年、2代目終了以降1度消滅したRVRの名を復活させて登場した3代目は、時代の流れに乗ったコンパクトなSUVに。最新モデルでは、アウトランダー、エクリプスクロスと共通イメージのダイナミックシールドのフロントマスクを採用(現在は2度目のダイナミック……顔だ)、現在に至っている。

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