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まさに「おクルマ様」状態! 豪華絢爛「夢が詰まった」ガレージライフの世界

単なる「車庫」ではないクルマ趣味のための「ガレージ」

 辞書で「車庫」という言葉の意味をあらためて調べてみたら、汽車、電車、自動車などの車両を収容するための建物または場所と記されていた。同時に「ガレージ」という言葉についても調べてみたら、車庫であり、趣味の作業場などに利用される場合もあると書かれていた。

 往年のクルマを愛用することは、実用性よりも趣味性のほうが上まわる行為なので、旧車の保管場所は「車庫」ではなく「ガレージ」と呼ぶのが一般的だ。旧車オーナーのなかには、このガレージを単なる愛車の保管場所以上のモノにしている人たちがいる。筆者が20年以上前に構築したガレージとともに、過去のガレージ取材時に撮影した画像を使って、いくつかの実例を紹介しよう。

カーポート+スダレでも青空駐車よりはるかに良し

 筆者が1998年から愛用している1974年式「アルファロメオGT1600ジュニア」は、現在ボディカラーが水色だが、2007年までは赤だった。その後、赤から白を経て水色になったが、赤時代は「カーポート」の下に収納していた。

 このカーポートは、長きにわたってオヤジが使っていたモノだが、庭の一角をアスファルトで舗装し、新しいクルマ置き場を造ったことで空席となったので、アルファロメオの保管場所を欲していた筆者がもらったのだ。

 自分のモノになったので、早速、横からの雨の浸入を防ぐためにブルーシートをかけたりしたが、いろいろやっているうちに着地点がわからなくなってしまい、最終的には簾(すだれ)や提灯までかけてしまった。まさに若気の至りである。本当はDIYで小屋のような木製ガレージを造りたかったが、そんなことができる技術も軍資金も無かったので、既存のカーポートを活用したのであった。

イタリア車6台を収容するガレージを建築!

 世間は広いので、とても大きなガレージをバ~ンと設けることができる旧車オーナーもいる。筆者の親友で高校時代の先輩であるMさんは、面積が90平米もある広々としたガレージを2013年から運用している。

 ずっと小さな「アバルト」のことが好きで、「リトモ・アバルト130TC」を愛用していた時分から、いつか、ご先祖さまに乗りたいと思っていたというMさんは、1959年式「フィアット・アバルト750GTザガート」を2004年に、1964年式「フィアット・アバルト1000ベルリーナ・コルサ」を2017年に手に入れた。

 ちなみに、「1000ベルリーナ・コルサ」は、1966年に「850TCコルサ」としてデリバリーされ、1968年にアバルトのファクトリーで「1000ベルリーナ・コルサ」となり、ドイツなどの「グループ5」カテゴリーで戦っていた個体らしい。だが、つい最近このクルマを手放し、1967年式「フィアット850スパイダー」を迎え入れたそうだ。

 写真でガレ―ジ内に収納されているクルマの車名を右から記すと、1959年式「フィアット・ヌォーヴァ500トラスフォルマービレ」(2010年に購入)、1964年式「フィアット・アバルト1000ベルリーナ・コルサ」(これが最近1967年式フィアット850スパイダーと入れ替わった)、1959年式「フィアット・アバルト750GTザガート」、1997年式「クーペ・フィアット20Vターボ」(新車購入)、2014年式「フィアット・パンダ4×4」(新車購入)、2018年式「アバルト695Cリヴァーレ」(新車購入)だ。このクルマたちのほかに、これまた新車で買った2006年式「シトロエンC6」も愛用していることをお伝えしておく。

アイテムてんこ盛り! ショップのようなディスプレイ

 持ち前のセンスのよさからスペシャルショップのようなガレージを構築してしまう旧車オーナーもいる。これまでに40台以上のクルマを乗り継ぎ、若いころに自身初のスポーツカーとして「ホンダS600」を愛用していたというHさん(御年70歳オーバー)は、お店のようなガレージを設けてしまった。ガレージは全部で3セクションあり、別のスペースには50年前に愛用していたというカートを飾っている。かつて、レーシングカートのAクラスなどに参戦していたそうだ。

 現在愛用している旧車は、1953年式「MG TD」、1956年式「フィアット600」(カロッツェリア・シオネリが手がけたモデル)、1960年式「スバル360」という3台で、以前は、1976年式「アルファロメオ・アルフェッタ」も所有していた。

 昨今のクルマも複数愛用しており、2000年式「ポルシェ911カレラ4」をはじめ、「セブン・スーパースプリント」、「パンダ・クロス4×4」、「シトロエンC4ピカソ」にも乗っている。2輪は、「ロイヤルエンフィールド」、「イタルジェット」のフォーミュラや「パッカウェイ」、「ホンダ・モトラ」などだ。2003~04年式の「フォーミュラ隼」も飾っており、このラインアップでありながら個人宅なので、まさにビックリなのであった。

自分で愛車をイジるためにリフトを個人所有

 最後に紹介するのは、ガレージにリフトを入れてしまったり、フロアを掘って、地下ピットまで作ってしまう人がいるということだ。リフトを駐車スペースを増やすために活用している人もいるが、Kさん(「NAロードスター」、「フェラーリ」、「ポルシェ」、「ランエボ」のオーナー)は本気の整備を実施するために設置しており、愛車のメンテナンスを楽しんでいる。

 地下ピットは、壁面から水が出てきて池のようになってしまったり、落ちてしまうとアブナイのでフタをしたままにしてしまったり、1~2回は整備時に使ったものの、結局、物置きとして使ってしまっている……というケースが多いので、あまりオススメしないそうだ。天井を高くする必要があるものの、ガレージ内で愛車を整備したいなら、迷うことなくリフトを設置するといいだろう。

それぞれの理想のカーライフを叶えられるのがガレージ

 前述のアバルト好きのMさんとリフトを活用しているKさんは、自宅とは異なる場所にガレージを設けている。Hさんは自宅の敷地内に愛車の保管場所を建てているが、いずれもガレージ内で寝泊まりしているわけではない。

 そのため、偏愛ガレージの最たるものは「愛車と一緒に寝る人でしょ」と考える向きには物足りないかもしれない。だが、大きなガレージに好きなイタリア車をたくさん収納したり、ショップかと見紛うガレージを構築したり、リフトを設置して整備工場のようなガレージを造ってしまうのも「偏愛ガレージ」の一例だと思うので、参考にしていただきたい。

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