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いまどきのオートマに「走りで」死角なし! ただしMTとは違う「注意点」が存在した

オートマのイメージ

正しく付き合えばATだって走りが楽しめる!

 AT車でも十分走りを楽しむことは可能!! というか、オートマチックミッションと言われるとちょっと違うが、F1もスーパーGTもR35GT-Rもみんな2ペダルである。いわゆる3ペダルと呼ばれるマニュアル車はレーシングな世界では減ってきている。ということは、スポーツな世界でもAT車で楽しむことはできるのか!? 結論から言えば可能である。

 オートマ車は壊れやすいというのは、すでにかなり過去の話。現代のオートマチックトランスミッションは決して弱くない。しっかりとしたメンテナンスと扱い方で、驚くほど楽しめるし、車種によってはマニュアルミッションよりも丈夫だったりする。

気をつけるポイントその1:オイル管理

 オートマというとオイル交換は10万kmでOKとか、無交換でOKとか言われているが、スポーツ走行を楽しむならオイルをこまめに交換するに越したことはない。

 新車時から交換していないATフルードには相当金属粉が含まれている。そこでオイル交換をしたほうがいいのだが、過走行車はリスクが伴う。オイル交換によって沈殿していた鉄粉が舞い上がり、むしろ内部を詰まらせたりすることがある。そこで触らぬ神に祟りなし、ということで、10万kmを超えてもオイル無交換のAT車は、むしろそのままそっとしておくということも多い。

 そもそもオートマチックフルードは普通車で7~8Lほど入っているが、その半分くらいは油路にあり、オイルパンに溜まっているのは半分くらいとなる。そこで通常の交換だと、オイルパンの分を抜いて、新油を入れて、エンジンを掛けてオイルを循環させて、また半分抜いて、新油を足して、というのを繰り返して徐々に新油の割合を高めていくことになる。このオイルを抜いたり入れたりしていくときに、堆積していた汚れが舞い上がって詰まってしまうのだ。

 そこで圧送交換という手もある。オートマチックの内部を循環するオイルラインに割り込ませて新油を送り込むことで、完全にオイルを置き換えることができる方法だ。この方法で交換し、さらにオイルパンを外して洗浄すれば、過走行車でもトラブルが起きにくいと採用するショップも多い。だが、絶対起きないわけではないのでご注意を。とにかくできるだけオイル交換をして、良い状態を保つことが最優先。

気をつけるポイントその2:使用フルードのグレード

 オートマ用フルードは細かく規格が分けられている。それによって適合するフルードが変わる。良かれと思って最新規格のオイルや、ちょっと高いフルードを旧規格のATに入れても調子が良くなるとは限らない。むしろ不具合が起きることもあるので、自動車メーカーかATメーカーの純正フルードを使うようにしたい。

気をつけるポイントその3:ATF温度の把握

 スポーツ走行となるとハードな走りをすることになる。車種によってはATFが高温になり、それによってフェイルセーフに入ってパワーが絞られたりする。そのこと自体よりも、ATFが高温になることによるAT自体のダメージが問題。クルマによってはOBDコネクタからATのフルード温度が見れることもあるので、追加メーターなどで温度を確認しておきたい。そういった確認ができない場合は、水温、油温は正常でもクーリング走行を挟むか、連続走行は5周までとか、制限を持って走るようにしよう。

気をつけるポイントその4:トルクの出方に注意

 じつは同じ車種のMTよりもATのほうが丈夫なこともある。その典型的な例が初代86/BRZ。マニュアルミッションはノーマルパワーでも壊れるが、ATは内部パーツがIS Fのものと共通と言われており、許容馬力はかなり高い。実際オートプロデュースボスというショップのAT車デモカーでも300psくらいは全然大丈夫だという。また、そのとき組み合わせる過給器はスーパーチャージャーがオススメだという。

「ターボは過給が始まったところでドカンとトルクが出るのでミッション全般への負担が大きいです。対するスーパーチャージャーは回転数に応じてブースト圧が高まるので、いきなりトルクが立ち上がらずミッションに優しいです。とくにAT車のトルコンとはマッチングが良いと思います」とオートプロデュースボス藤岡代表。実際デモカーでもノートラブルで筑波サーキットを1分3秒台で周回している。

 近年のATはシフトダウンのレスポンスも良く、パドルシフト付きも増えている。ちょっとしたコツを抑えて使えば、MTと遜色なく、むしろATの方がタフに遊べる場合もある。AT車といえども十分スポーツ走行まで楽しめるのだ。

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