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誤解だらけの自動車用語! アフターファイヤとバックファイヤはまるで別モノだった

シルエットフォーミュラ仕様のR30スカイラインRSターボの走り

アフターファイヤとバックファイヤは同義で語られがちだがじつは違う

 どちらも日本語にすると「あとの炎」的な感じなので混同してしまいがちな、アフターファイヤとバックファイヤ。ただ、その意味は全然違うことと、そうそう起こることはないがバックファイアはクルマが燃えてしまう危ない現象なのである。

エキゾーストで「パン」と燃焼する=アフターファイヤ

 走行中にシフトアップをしたとき、クルマのマフラーからときに炎が上がるのは、チューニングカーのタイムアタックやレーシングカーの走行ではよく見られる光景。こちらはアフターファイヤと呼ばれる現象で、未燃焼ガスがエキゾーストパイプに入ってしまい、そのパイプ内で燃えることから起こる。

 これが発生したからといってとくに問題はないのだが、問題があるのはナンバー付きのクルマ。理由はナンバー付きの車両であれば触媒が付いているため、アフターファイヤの爆発によって触媒がボロボロになってしまうことがある。

 なかでもロータリーエンジンは、ハードにエンジンチューニングしていくとアフターファイヤしやすく、触媒は消耗品だとか、外してしまえ、なんて言われてきたがもちろん触媒を外すと車検はNG。というか公道を走らせることはできない。

二次エア供給システム採用モデルもパンパン鳴ったり炎が見えることも

 競技車両などではターボ車の場合、意図的にアクセルオフ時にエキゾーストパイプに未燃焼ガスを送り込んで爆発させて強制的にタービンを回し続け、次にアクセルを踏むときのターボラグを解消するアンチラグシステムとか、ミスファイアリングシステムと呼ばれる二次エア供給システムがある。

 人気走り屋漫画の「イニシャルD」で、須藤京一が駆るランエボⅢがパンパンいわしてやかましいというのは、まさにこのミスファイアリングシステムによってエキゾーストパイプ内で爆発が起きているから。夜の峠でマフラーからは鮮やかな炎が見えていたことだろう。

 また、最近だと、意図的にエキゾーストパイプ内で未燃焼ガスを燃やし、バリバリバリと音をさせるカスタムとして「バブリング」が流行っている。わかりやすいのは、BMWのMモデルやメルセデス・ベンツのAMGモデル、さらにルノーのメガーヌR.S.などがけたたましく音を立てて走っているときのソレが、バブリングだと思って間違いない。ただし、基本的には走行性能には関係はなく、ボロボロボロと音がするというだけ。こちらも触媒には多少なりダメージを与えるので、使い方は用法を守って使いたい。

バックファイヤはインテーク側で発生するため非常に危険

 ちなみに、アフターファイヤとよく勘違いされるバックファイヤとは、後ろというよりも「吹き返し」という意味のバック。最近のクルマではめったにないが、旧車などキャブレターで燃料供給しているクルマで起こりやすく、アクセルを踏んだり戻したりするときに、混合気がスロットルバルブからエアクリーナー側に逆流してしまうことで、インテーク側で爆発が起こることがある。

 これは結構やばいやつで、エンジンルームで爆発するため、ほかの場所へ引火しやすく、とくにエアクリーナー(フィルター)に着火しやすい。なかでも多連式スロットルで湿式でオイルに浸したスポンジ式エアクリーナーだと、かなり危険度が高い。また、シングルスロットルでインテークマニホールドボックスがあるタイプだと、そのボックスごと吹き飛んだなんてこともある。

 高価な旧車が炎上したニュースが時折見られ、ガソリン漏れでは? などと言われることがあるが、このバックファイヤが原因になっていることもじつは多いのである。

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