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R33GT-Rを手放して乗り換え! 30代の若きオーナーがセリカXXのトリコになったワケ

走行距離4万9000km台の極上車

 現在、ランボルギーニ・ミウラをはじめとする往年のスーパーカーのみならず、国産旧車の販売価格も軒並み高騰している。なかには、ビックリするようなプライスボードを掲げている国産旧車もある。

 とはいえ、欲しいときが買い時で、人との出逢いと同じように旧車との出逢いも一期一会。軍資金に見合った納得できるプライスの売り物があったら、迷うことなくゲットしておいたほうが幸せになれる。買い逃すと次のチャンスが無いかもしれないので、イケそうなときには思い切ったほうがいいのだ。

 さすがに3000万円オーバーで売られているような、あまりにも高価な国産旧車はオススメできない。だが、各部がしっかりリペアされ、ちゃんと走って、曲がって、止まれるクルマが片手でおさまる範囲の数百万円以内であれば、ダメダメなポンコツを買ってコツコツ直すよりも結果的に少ない出費で済む。

 そのようなコンディションのいい個体をゲットし、定期的にメンテナンスしていけば、すぐさま後悔するようなことにはならないだろう。

R33GT-Rを売却し1982年式のセリカXXを購入

 筆者の古くからのクルマ仲間である32歳のTさんも、先日、念願だった国産旧車を手に入れた。1995年式のR33型スカイラインGT-Rを手放し、それなりの値段で1982年式のトヨタ・セリカXXを購入したのだ。R33型GT-Rを残しておけば、もっと資産価値が上がってよかったのでは? と思う人も多いだろうが、Tさんはハッピーなカーライフを送っている。第三者目線で“いろいろと想う”ことがあるかもしれないが、本人が幸せならば、それでイイのだ。

 今年の1月にダブルエックスを契約。納車されたのが2月末でまだハネムーン期間中だといえるが、クルマのコンディションが素晴らしく、今後もワクワクドキドキが持続することになるはずだ。ちなみに、買ったときの走行距離は4万9000km台で、まだ5万kmに達していないとのこと。

サーキットで見たGT-Rやスープラにインスパイアされた

 セリカXXの詳しい話をする前に、Tさんの車歴に関するパーソナルデータを記しておこう。

「24歳のときに買ったR33型GT-Rは初のマイカーです。今から8年前の話なので、2014年に買ったということですね。1990年生まれなので、GT-R、スープラ、NSXは、国産スポーツカーの代表というイメージでした。両親はクルマに興味がなかったため、遊園地ではなくてサーキットに連れて行ってほしいと懇願して、9歳のときに全日本GT選手権を観に行きました。そのときにスカイラインGT-R、スープラ、NSXがカッコイイと思い、インスパイアされました」

「ちなみに、幼稚園のときにクルマにハマって、その後、一回冷めたのですが、小学校2年生のときに友人とトミカで遊び、いろんなクルマがあるんだな! と思いました。子どものころ、家のクルマがトヨタのカローラだったのですが、それを買いかえて、少し大きなトヨタ製ファミリーカーになったこともクルマ好きになったきっかけでした」

今となっては希少な前期型の2800GT

 今回、購入した2代目のセリカXXは1981年にデビューしたスポーティクーペ。フロントに搭載された直列6気筒エンジンは、排気量2.8リッター(ソアラにも搭載)および排気量2リッターという2種だった。1983年に実施されたマイナーチェンジで後期型となり、1986年に生産終了となった。

 Tさんの愛機は前期型で、排気量2.8リッターのDOHCエンジンを積んでいる上位グレードだ。現在、中古車市場に出まわっているセリカXXの多くが2リッター版なので、2.8リッター版は超稀少車だといっていい。前期型は本来フェンダーミラー仕様だが、Tさんが買った個体は後期型用のドアミラーを装備。エンケイのホイールがいいアクセントになっている。純正品ではないリヤウイングは、ホンダ・プレリュード用ではないか? とTさんは分析しているそうだ。

 そのような“売り物が僅少なレアカー”のインテリアを確認すると、デジタルメーター、スピードアラーム、メーター照度調整機能、クルーズコントロール、マップランプなどを装備。もうこれ以上何も必要ない、と思えるぐらいのラグジュアリーなクルマだった。筆者が愛用しているアルファロメオGT1600ジュニアが1974年式なので、わずか8年でクルマがここまで進化したのか……と心底驚いてしまった。

 ちなみにセリカXXの購入動機を伺ってみたら、6つの回答をしてくれた。その1:子どものころに乗った記憶がある、100km/hを超えるとキンコン鳴るクルマが欲しかった。その2:リトラクタブルヘッドライトのクルマが欲しかった。その3:セリカXXの3ドアファストバッククーペというシルエットが好きだった。その4:この個体がキレイだった。その5:デジタルメーターを装備していた。その6:お店が信頼できそうだった……と言うのだ。

 上記の要素が揃っていたので“一度乗ってみたい”と思い、購入を決意したようだが、シルエットだけでいうと三菱のスタリオンも気になったのだという。しかし、コンディションがいい売り物が無くてコチラは断念。セリカXXは昨年の年末にインターネットで見つけ、R33型GT-Rを下取りに出してゲットすることにした。

「MT仕様で4人乗りのちょっと旧いクーペを探していたら、たまたま上質なセリカXXを発見しました。MT仕様で4人乗りのクーペが欲しいのなら、86やBRZでいいんじゃないの? と思う方がいると思いますが、ちょっと旧いクルマが欲しかったのでセリカXXをチョイスしました。高年式車ではBMWのM3やM4も愛車の候補でしたが、高価ですし、自分ではイジれないのでパスしました」

今後はイベントにも参加したいと意気込む

 セリカXXを購入したあとに、資料として往時のカタログ、カーグラフィック、復刻印刷版のモーターファンなどを買い、チョロQやミニカーもゲットしたTさんは、愛車のことを高級車ならぬ高旧車だと話してくれた。ちなみにミニカーはハイストーリー製の1/43スケールで、Tさんの愛機と同じ前期型を再現。同じ内装色で、ホイールも似ている点がお気に入りだ。

 高旧車というキーワードでインターネット検索すると、まったく違う方向性の二輪/四輪がヒットするが、エンジンルーム内に配線がビヨォ~ンと伸びる作業灯まで装備しているTさんのセリカXXを見ていたら、高価な旧車のことを高旧車と呼んでもいい、と思ってしまった。

 これから、さまざまなイベントにエントリーすると意気込むTさん。もしもイベントで見かけた際は、愛機のコンディションの良さをチェックしてみてほしい。超稀少な高旧車なので、内外装の状態のよさを確認する際には、くれぐれも触らないでいただきたい。

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