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クルマより先に人間がオーバーヒート! 優雅に見えるクラシックカー乗りの真夏の地獄とは

「ダンディズムの真髄はやせ我慢にあり」と徳大寺先生も仰っていた!

 一体いつ頃から真夏に猛暑日が連発するようなことになったのか記憶が定かではないが、筆者が愛機の1974年式「アルファロメオGT1600ジュニア」を買った1998年からの数年間は、気温が28℃を超えたら乗るのをやめようと決めていた。気象庁のホームぺージで確認したら、最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上の日を真夏日、25℃以上の日を夏日と呼んでいるそうなので、筆者は涼しい夏日(?)に乗っていたのであった。

暑い日に乗らなきゃいいじゃんと人は言う……

 もはや日本も、最高気温が40℃を超える日もあるほどアツアツなので、ここ数年、旧車に乗ることを自虐的に「罰ゲーム」と言ったりしている。だが、冗談ではなく、体温以上の気温のなかでエアコンのないクルマを運転すると、簡単に熱中症になるので注意したほうがいいのだ。

 だったら暑い日に旧車に乗らないようにして、エアコンがばっちり効く最新モデルや涼しい電車で移動すればいいじゃん……と言われてしまえばそれまでだが、旧車好きという生き物はヘンタイが多いので、どうしても乗りたくなってしまうのだ。

夏のドライブはリアルに熱中症との戦い

 そういえば、2017年に取材で参戦した北海道クラシックカーラリーのときの彼の地がビックリするほどの猛暑日で、寒いだろうな……と思ってトランクに押し込んでいった防寒着の数々を現地で捨ててこようかと思ったほどだった。このときはラリーの取材で、コ・ドラ兼カメラマンの若手編集スタッフが助手席に乗っていたので、コンビニを見つけるたびに冷凍されたペットボトルを大量に買ってきてもらい、首の裏、ワキの下、太ももの間にそれを挟みながら運転していた。そこまでやっても、毎晩ホテルでグッタリしていたので、いま思えばアレは熱中症になっていたのかもしれない。

三角窓に扇風機にうちわまで、使えるものは何でも駆使する

 普段はアルファロメオGT1600ジュニアに独りで乗ることが多いので、三角窓を駆使しながら、着がえるためのTシャツをたくさん積んで真夏に走っている。50歳になって迎えた最初の夏からは後頭部に直接風が当たる角度で小型扇風機を設置し、信号待ち時にうちわで身体をクーリングするようにしている(何をやっても、焼け石に水なのだが……)。

 当ページの編集担当者である竹内氏は愛車のカルマンギアにVW公式うちわを搭載しているそうなので、クーリング装置というほどのモノではないが、うちわのような真夏対策品に自身のこだわりを反映させてもオモシロイだろう。さすがに「スワンプクーラー」を使っている人は少ないと思うが、これにステッカーをベタベタ貼ってもイイかもしれない。

エンジンも人体も無理をさせずに余裕をもった運行で

 真夏に旧車で快適に走るためには、クルマのほうも対策が必要だ。具体的には、オーバーヒートやパーコレーションが起きないようにしたい。ラジエターは内部が錆びると水の通路が詰まってしまい、冷却効率が落ちるので、そろそろダメかな? と思ったら新品と交換してしまうのが吉だ。燃料がキャブレターに到達するまでに気化してしまうパーコレーションは、エンジンルーム内に遮熱板を設置することで防げるケースがあるので、真夏に乗れず、困っているオーナーは試してみるといいだろう。

 小まめな休憩、身体のクーリング、水分補給、そして、渋滞にハマらないようにするドライブ計画をしっかり実践すれば旧車で猛暑日に走ることも可能なので、熱中症にならない程度に楽しんでいただきたい。

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