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旧車のヘッドライトが暗い問題は「LED」じゃなくて「HID」がベストな解決策だった

向かって右がハロゲン、左がLED

ハロゲンからHID、そして今はLED全盛期

 ヘッドライトが暗いという悩みを抱かなくなったのは、HIDの登場が境。つまり、最近のことだろう。ハロゲンバルブの時代はいかに暗いライトを明るくするかに、みんな腐心していた。今のように後付けのHIDキットやLEDバルブもなく、試行錯誤の連続であった。今回はそんな苦労を振り返りつつ、古めのクルマのライトを明るくする方法を整理してみよう。

昔はリレー追加やハイワッテージバルブが定番

 本題に入る前に、1970年代から1980年代あたりにはどういった方法で明るくしていたかから。定番的な手法だったにも関わらず、今や絶滅しつつあるのがリレーの追加。ライトの電源は回路を経由して流れていたのでロスが大きかったし、スイッチへの負担もあった。そこでバッテリーから直で電源を取ってロスを軽減させた。リレー制御なので本来のライトスイッチはオンオフを行うだけにするというもので、かなり効果があった。さらに走り屋などは100Wぐらいのバルブを入れて、強烈な光を放っていたものだ。

 そもそも暗かった原因のひとつにはライトの形式もあって、今では採用するクルマもなくなってしまったが、シールドビームというものがあった。比較的最近では初代ロードスターも採用していて、簡単に言ってしまうとレンズとバルブが一体化しているのが特徴で、切れたら全交換だったし、光量もあまりなかった。それでも採用されていたのは、シールドビームは規格品だったということと、取り付けスペースの問題などがあった。しかし、暗いのは大問題かつ根本的な悩みといういことで、社外品で用意されていたシールドビームをバルブ交換可能なレンズにしてしまうことが多かった。

社外のHIDキットが暗さ解消の定番に

 バルブさえ交換できるようになれば、リレーを追加できたし、1990年代になると広く普及した高効率バルブに交換することもできた。とくに高効率バルブは今でも多く販売されていて、明るさをアップさせつつ、消費電力はノーマルというもので、てっとり早い方法だった。またハロゲンの赤みを帯びた色から白っぽい色にもできたので、ドレスアップ効果もあった。ただ、内部のガスを多くするなどで明るくしていたのだが、ものによってはそれほど明るくならず、ハズレ的なものも多かったのも事実だ。とくに白っぽいのはガラス部分に色を塗って出していたので、暗くなるのも当然だった。

 その後のHIDの登場は画期的だったし、当初は純正採用のみだったのが、ハロゲンバルブと交換できる社外キットも登場。価格も次第に安くなって、暗さ解消の定番になったし、色味も白くてクリアな感じのものもあったので、それまであったさまざまな不満を解消できたのは事実だ。ただ、バラストなどのユニットを接続しなければならず、装着場所の選定に苦労することはあった。

社外LEDは明るさに現状まだ問題あり

 そして、今やLEDバルブの時代だ。2007年のレクサスが世界初で装着しつつも、基盤部分の冷却問題などで実用化に時間がかかっていたが、最近になって純正装着が当たり前に。さらに社外のLEDバルブも安価に登場して、気になっている方も多いのではないだろうか。

 HIDのように別体のユニットは必要ないので、ハロゲンバルブからの交換はとても簡単なのもうれしいところだが、肝心の明るさにまだ問題があるというのが実際だ。LEDの場合、純白な光なので明るいように見えるだけのこともあるし、さらに指向性が高いのもムラという点で課題だ。さらに小さなチップが光るので、ハロゲンなどとは光源の形が異なることから光軸がちゃんと出ないこともある。

旧車を明るくするならLEDよりHIDの方がオススメ

 特徴だけ見ると古めのクルマにもピッタリの気がするが、反射板が劣化していたり、汚れているとなおさら暗くなってしまうのは注意。同様のことはテールランプやブレーキランプにも当てはまることで、とくにブレーキランプが暗くなるのは安全性にも関わってくることでもある。現状で言うと、安いとはいえあれこれ試すのも無駄使いになるし、実際のところ本当に明るいLEDバルブを探し当てるのは結構大変。ヘッドライトは交換するにしてもHIDのほうが光軸も含めて満足度は高いし、明るい。またテールはナンバー灯程度にしておくのがいいだろう。

 

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