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いまやクルマも音楽は「ストリーミング再生」時代! いい音で聞くならまず「音源」が重要だった

スマホなどと連携して車内で音楽を楽しむスタイルが普及してきた

オンラインサービスで音楽を手軽に聞ける時代

 ここ5~6年の間に大きく変わった音楽の視聴環境。以前はCDなり、なんらかのメディアが必要だったが、今は「Radiko」や「TuneIn」といったインターネットラジオや、「Spotify」、「Apple Music」、「Amazon Music」などのストリーミングが主流で、メディアがなくても車内で音楽を楽しめる時代だ。が、より良い音で快適に音楽を楽しむなら、音源のクオリティは重要。そのためにはどんな音源がよいかを考えてみたい。

ストリーミング・サービスの音質設定を見直そう

 インターネットラジオやストリーミングの音楽のほとんどは「圧縮音源」で配信されている。圧縮音源とは、元の音楽データから人間の耳では感じにくい部分を間引いてデータ量を減らしたもの。人間の耳には感じにくいといっても、元の音楽データから間引いている部分があるわけだから、音の良い高級オーディオシステムになればなるほど違いがわかり、「なんか音がスカスカした軽い感じだなぁ」と思うのは当然である。

 インターネットラジオの場合、配信側でフォーマットが決まっているので視聴者側が変えられることはないが、ストリーミングの場合は聴く側でクオリティを選べる場合もある。例えばAmazon Musicの場合、無料でも楽しめるが、月額980円(プライム会員なら780円)の「Amazon Music Unlimited」に加入すれば、より高音質な「Amazon Music HD」の楽曲も楽しめる。Amazon Music HDでは16bit/44.1kHzというCD相当の音質の曲が7500万曲、ハイレゾ相当の24bit/192kHzの曲700万曲を利用できる。

 またApple Musicもハイレゾを含む楽曲を提供している。その数、7500万曲以上。Appleの場合は「ALAC」という独自の可逆圧縮を使用しており、その音質の良さは聴いてみればわかる。同じ曲をその他のストリーミング・サービスと聴き比べてみると、Apple Musicが一歩抜きん出ている感じだ。

 ほかにもマニアには欠かせない「TIDAL」というサービスもある。これは日本ではまだスタートしていないが、申し込み方を工夫すれば日本でも楽しめないことはない。TIDALはハイレゾで楽曲を提供しているうえに、プロデューサーや作詞・作曲者などの情報や検索機能も充実している。

お気に入り曲をダウンロードする時は圧縮率をチェック

 ストリーミング・サービスは配信している音楽を使用する権利に使用料を払うということ。つまり音楽を購入するのとは違って、ストリーミング・サービスを解約すると音楽は聴けなくなるし、なんらかの事情で配信側が配信を停止した場合も楽曲が聴けなくなるのだ。例えばピエール瀧が逮捕されたあと、一時期電気グルーヴの楽曲がストリーミングでは聴けなくなったように。

 となると、お気に入りの大切な曲は購入して音源そのものを持っていたいもの。その場合、MP3やAAC、WMAなどの圧縮音源ならできるだけ圧縮率の低い音源で持っていたいし、できることなら録音時のクオリティと同等のハイレゾ音源をダウンロードしたい。圧縮率を見分けるのが「ビットレート(kbps)」。この数字が大きいほど、圧縮率が低いということだ。音楽を聴くなら最低でも128bps、できれば320kbpsでダウンロードしておきたい。

長期的に手元に置いておくなら「ハイレゾ音源」

 一方のハイレゾ。今、レコーディング現場ではほとんどがコンピュータを使ったハイレゾ録音で、ハイレゾ音源はレコーディング現場そのもののクオリティの音源が入手できるということ。CDの場合は、CDというメディアに収めるために、人間の可聴帯域と言われる20Hz~20kHzをクリアする16bit/44.1kHzというフォーマットに変えて収録しているため、ある意味では圧縮音源のひとつでもあるといえる。

 それに対してハイレゾは人間の可聴帯域を超える音で収録されている。聴こえないのに意味あるの? ということなかれ。高域は聴こえなくても気配として感じることができるし、なにより中域や低域の音の滑らかさや密度感が段違いに異なるのだ。

 今後、長い間、大切に所有しておきたいと思う音源であれば、その時点でもっとも優れたクオリティのものを入手しておきたいもの。そう考えたときに、現時点ではハイレゾ音源を入手するのがベストだ。

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