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コンセプトがぶれずに4代目が販売中でも「初代人気」は衰えず! 新車価格超えの400万円物件もあるロードスターの愛されっぷり

1989年にデビューして33年、もはやクラシックカーの仲間入りした初代ロードスター

キープコンセプトで3分の1世紀・4世代を数える「ロードスター」

 ここのところものすごい勢いで価格が上昇している往年の国産スポーツカーたち。価格上昇の一因としては、現在では同じようなスポーツカーが販売されていないため、需要と供給のバランスが大きく崩れた結果、価格が上昇しているということも言えるだろう。

 その一方で、現在も同じコンセプトで作られた現行型が存在するにもかかわらず、価格が上昇している車種もある。その代表格がマツダ・ロードスターではないだろうか。

初代が現行の新車より高くなるという逆転現象

 決してハイパワーではないものの、「人馬一体」の軽快な走りとFRレイアウトを持ったオープン2シーターという根幹はブレておらず、現行ND型の260万円台~という価格も、決して手の届かない価格というわけではない。

 しかし今、初代ロードスター(所謂ユーノス・ロードスター/NA型)の中古車をチェックしてみると、それなりの状態の物件でも100万円超、低走行であったりセミレストア済のものであったりすれば200万円台というものも珍しくなく、なかには400万円オーバーというプライスタグをつけているものも存在するほど。

 つまり、極上のユーノス・ロードスターを買おうとすると、新車の現行型よりも多くの予算を用意しなければならないという状況になっているのである。

年月とともに熟成されたクラシックカーとしての魅力

 筆者も初代ロードスターを所有しており、年単位をかけて気になる部分をコツコツ補修、修理しながら乗っているのだが、これも購入時はほぼ底値の状態で、格安でベース車を購入できたからこそなせた技。ではなぜ今、当時の新車価格よりも高い金額を払ってもユーノス・ロードスターに乗りたいという人がいるのだろうか?

 まずもっとも大きな要因と言えるのが、その絶妙にクラシカルなルックスだろう。個性的なリトラクタブル・ヘッドライトや、ロールバーが備わらないためオープン時にはスッキリとしたサイドラインとなることなど、現在では法規制によって実現することが難しいスタイルを実現しているという点が挙げられる。

 そして乗り味も電子制御などがほとんど備わらないシンプルなもので、現行型に比べると明らかに牧歌的で旧車らしいものを味わうことができるのだ。

 それでいてアフターパーツも豊富であり、ノーマルの旧車的な乗り味から、レーシングカー的な乗り味まで、ユーザー好みに味付けをすることが可能という点も魅力のひとつ。

 さらにメーカーがレストアプロジェクトを立ち上げたことで、製造廃止となっていた部品も続々復刻されており、旧車らしさを味わいながらも部品で苦労することが少ないのも美点と言えるだろう。

ボディの状態をしっかりチェックするのが旧車選びの肝

 初代ロードスターは1989年デビューということで、今年ですでに33年、もっとも新しいものでも24年が経過しているということを考えると、中古車の店頭に並べるまでにはある程度の整備が必要となることは確実。価格が上昇してしまうのもやむなしというところだろう。

 ただ、現在の高騰した価格の初代ロードスターをオススメできるかといえば、なかなか難しいというのが正直なところ。

 いくらぱっと見がキレイであっても前述のように時間が経過した車両であり、当時の新車並みの金額を支払っても新車並みの状態の車両というわけではないことを理解した上で、それでも欲しいというのであれば止める理由はない。

 スタートの価格は以前よりも大きくアップしてしまったが、ほかの旧車などに比べれば部品は潤沢だし、価格もそこまで高騰していない(それでも当時よりはだいぶ上がってしまっている)ため、購入後の維持は比較的しやすい車種と言えるからだ。

 最後に、今から初代ロードスターを購入しようと考えているのであれば、何はともあれボディの状態に最大限の気を配りたいところ。部品は交換できるが、ボディに大きなダメージがあると修復にとんでもない価格がかかってしまうので、走行距離や価格、修復歴だけでなく現在の状態を重視して選びたいところだ。

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