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バブル時代はクルマだけじゃなく装備もぶっ飛んでた! 車載FAXまで存在した「キラキラハイテク」カーライフ

1990年前後のハイテク車載装備を振り返る

バブル景気×ハイテクブームでクルマ業界も浮かれていた

 バブル景気が終焉を迎える直前、1990年前後の日本では、クルマの世界もバブルに沸き、キラキラと輝きまくった時代だった。ここで1990年を振り返れば、あのスーパーファミコンが登場した年であり、ティラミスが流行。翌91年には伝説のお立ち台ディスコ「ジュリアナ」が六本木にオープンした。筆者もアルマーニに身を固めて訪れたものだった。

BMW 3シリーズが「六本木のカローラ」と呼ばれた時代

 そしてクルマの世界でも、かのホンダのスーパーカー、NSXがデビュー。「天才タマゴ」、生活臭のないミニバンの市場を一気に加速させたトヨタ・エスティマ、ガルウイングドア(バタフライドア)を備えたトヨタ・セラも同年に発売されている。第11回、2000-2001日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車は三菱ディアマンテ/シグマであった。

 そのちょっと前の東京・六本木ではディスコ帰りの女子に食事を奢り、家までクルマで送って行くしメッシー君やアッシー君が増殖。女子に人気のクルマは六本木では「六本木のカローラ」と呼ばれた赤いBMW 3シリーズ、やはりディスコも多かった赤坂あたりでは黒いサーブが幅を利かせていたのである(筆者もうっかり赤いE30 BMW325i)を買ってしまった……)。

世界初GPSナビ搭載! ザ・バブリーな4代目ユーノス・コスモ

 しかし、日本車も負けてはいない。1990年にデビューした4代目ユーノス(マツダ)・コスモは、2ドアクーペのみの「クーペ・ダイナミック」と称するバブル期ならではの贅沢さが詰め込まれた1台。パワーユニットは量産車初の3ローターロータリーエンジンであり、世界初のCCSと呼ばれるGPSカーナビを搭載。エアコンの操作をそのカーナビディスプレイ内で行うというのも斬新だった。

 さらにウッドパネルは当時のアルマーニ人気を反映してか(?)イタリア物であった。ただし、燃費は極悪。3km/Lという記憶がある。これもバブル期だからこそ成立し、許せた(許せない?)ということか。

 なお、コスモのナビはGPSによって精度は高まったものの、ルート案内はせず。ルート案内を国産車で初めて実現したのは、翌1991年に登場したトヨタ・クラウンのナビからである。

三菱ディアマンテもハイテク満載だったけど……

 同じく1990年にデビューした3ナンバーFFサルーンの先駆車でもある三菱ディアマンテも、相当キラキラしていた。BMWに似た顔つきを備えた3ナンバーボディを持ち、インテリアは三菱インテリジェントコクピットと呼ばれ、液晶で地図を表示できたマルチビジョンを採用。さらに電子制御サスペンションや4WSなど、先進装備満載のバブル仕様車(!?)であった。ただし、当時の六本木で女子にウケていた記憶は、ない……。

デキる男は車載FAXでバリバリ仕事をこなした?

 ところで、当時のバブリーな遊び人は、しかし昼間は仕事をバリバリしていたのがフツーだ。そんな遊びも仕事も全開! というデキるビジネスマンが飛びついたのが、1989年にデビューし、世界を震撼させたトヨタ・セルシオ(レクサスLS)にオプションで用意された車載FAXだ。当時はまだFAX全盛期であり、移動中の通信手段のひとつとして重宝されていたようだ(自慢の意味もある)。また、液晶TVの車載もこのころから普及し始めたと記憶している。まさにハイテク・カーライフの始まりである。

 当時のバブルの波に乗った男子の四種の神器はクルマ、携帯電話(アナログ)、アルマーニ、そしてこれ見よがしに連れて歩くイケイケなディスコクイーンの女子だった。なにもかもが、キラキラした時代だったなぁ……。

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