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バッテリーあがりで録画失敗! 大手カー用品店に聞いたドライブレコーダー装着時の対策と注意点

ドライブレコーダーの駐車監視機能

日進月歩で高機能化するドラレコの注意すべき問題点とは

 今やクルマを買ったら取り付け必須の装備になっているドライブレコーダー。連日、あおり運転による被害が報道されたことで普及率は急ピッチで高まっている。高画質化に加えて前後録画、夜間撮影などの高機能が搭載されるなど、その進化は止むことを知らない。

ドラレコ装着車のバッテリー上がりの現状を量販店に聞いた

 そんななか、注目を集めているのが駐車中録画や駐車監視機能、パーキングモードなどと呼ばれる機能だ。その名の通り、クルマを駐車しているときにドライブレコーダーのカメラを使って周囲を録画する機能で、車上荒らしやクルマへのいたずらなどを録画することができるため人気となっている。

 しかし、駐車中の監視機能を備えているドライブレコーダーを導入する際に、気にかける必要があるのがバッテリー上がりだ。理由は、エンジン停止中にずっとドライブレコーダーが起動(またはイベント発生時に起動)しているため電力を消費してしまう。電源には車両のバッテリーを使っているので、バッテリーが上がると(または極端に電圧が低下してしまう)エンジンが始動できなくなってしまうのだ。

 そのため「駐車中の監視機能は欲しいけど、バッテリー上がりが心配」と考えているユーザーも増えているというので、数多くのドライブレコーダーを販売・取り付けしているA PITオートバックス東雲で、ドライブレコーダーの駐車中の監視機能とバッテリーの関係について話を伺った。

9割以上のユーザーが駐車監視機能付きのドラレコを購入

 まずは、ドライブレコーダーのなかで駐車中の監視機能を備えているモデルを選ぶケースはどの程度なのだろうか? 結論から言うと同店では9割以上のユーザーがドライブレコーダーの基本機能に加えて、駐車監視機能を備えたモデルを選んでいくという。それだけ認知度も高くユーザーのニーズも高まっているようだ。では実際にユーザーは駐車中の監視機能をどのようなシーンで活用しているのかと言うと、売り場担当者がユーザーとのやりとりのなかで調査した使用例のトップは、出先での駐車時だという。例えばショッピングセンターに出かけて買い物や食事をして、数時間後にクルマに戻るというようなシーンを想定しているそうだ。

 その間に愛車がいたずらされないかを見守ってほしいと思い、同機能を導入するケースが大半を占めているとのこと。万が一の場合には、ドライブレコーダーの録画映像と駐車場の防犯カメラを組み合わせて犯人や犯行を特定するケースもあるという。

取付ユーザーへの事前レクチャーでバッテリー上がりを回避

 そして、ここからはいよいよ本題であるバッテリーの上がり問題についてだが、同店でドライブレコーダーを購入したユーザーがバッテリー上がりのトラブルに遭ったケースはあるのかと聞くと、そのようなトラブルはほとんど例がないという。その理由はいくつかあるのだが、まずはバッテリー上がりを未然に防ぐ使い方を、店舗側が事前にレクチャーしている点がひとつのポイントになるようだ。

「例えばタワーパーキングのようにつねにクルマが振動しているような環境で、駐車監視機能をオンのまま駐めてしまうとドライブレコーダーが起動し続けてしまい、車両のバッテリーが極端に低電圧になることがあります。このように日常の使い方として注意すべきポイントがありますから、販売時にはお客さまに説明して、バッテリー上がりが起きないように使ってもらうようにしています」とのこと。

無駄に電力消費しないものや電圧を監視するモデルも登場している

 一方でドライブレコーダーの機能としてバッテリー上がりを未然に防ぐシステムを備えているモデルも多い。クルマを停止させてから一定時間は常時録画し、それを超えるとイベント録画(衝撃を検知したりクルマのまわりに動きを検知すると録画を開始する機能)に自動的に切り替えて、電力消費を抑える仕組みを持つモデルも多い。さらにクルマのバッテリー電圧をモニターして、一定以下の電圧に下がると自動的にドライブレコーダーへの電源供給をストップする機構を備えるモデルもある。これらを使うことでバッテリーの上がりを防ぐことができるのだ。

 ただし車両のバッテリーが弱っていて電圧が低い場合には、すぐに規定の電圧を下まわってしまい、ほとんど駐車中の監視録画ができないという不具合が起きるケースも考えられる。ドライブレコーダーの機能をフルに使うのであれば、車両側のバッテリーもリフレッシュするなどして、良好な状態を保っておくと良いだろう。

輸入車ユーザーはとくに注意! 万全の策はサブバッテリーの追加装着

 予算に余裕があるユーザーの場合は、車両のバッテリー上がりを回避するためにドライブレコーダー用の外部バッテリー(サブバッテリー)を設置する方法もある。専用のバッテリーが用意されたことで、駐車時に起動するドライブレコーダーの電源はすべてサブバッテリーから供給されるため、車載のバッテリー上がりは回避できる。

 ちなみにこのサブバッテリーを使ったシステムにはもうひとつの用途があるという。それが一部の輸入車(BMWやテスラなど)にドライブレコーダーを取り付ける際に必須になるとのこと。輸入車のなかには駐車するとスリープ状態に入り、バッテリー電圧を車両側が監視するという制御が組み込まれているケースがある。

 そのため駐車中にドライブレコーダーがバッテリー電源を消費すると、エラーが起きることがあるというのだ。これを回避するためにメインバッテリーからは電源を供給せず、ドライブレコーダー用にサブバッテリーを用意するのだ。ドライブレコーダーメーカーからも専用バッテリーが発売されているので、予算とシステムを鑑みてセレクトすると良いだろう。

 このように、ドライブレコーダーの駐車中監視機能を使うケースでは、車両のバッテリーを使った場合でも、よほど使用環境が特殊な場合やドライブレコーダー側に電源監視の機能を持っていないモデルを取り付けた場合を除けば、バッテリーの上がりは心配するほどではなさそう。それでも万が一エンジンが掛からないのが心配という場合には、ドライブレーダー用の外部バッテリーを取り入れるのが得策だろう。

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