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大枚叩いてイジったのにパワーも上がらずタイムも出ず! 失敗しがちなクルマのチューニングとは

馬力測定のイメージ

ネットオークションや中古品を購入するときは要注意

 愛車を速くするためチューニングしたはずが、効果を感じないどころか遅くなってしまった……。交換したパーツの性能や車両との相性など原因はさまざまだが、このような経験を持つ人は決して少なくないだろう。

 プロショップであればパーツ選びの段階から助言してもらえるが、通信販売や中古パーツを自分で取り付けるケースではそうもいかず、安くない授業料を支払うハメになる可能性も十分にあり得るのだ。そんな『要注意ポイント』を挙げてみたい。

※写真はすべてイメージです。

吸排気系は車種専用と安心せず用途に合わせて選ぼう

 まずはチューニングの第一歩といえる吸排気系。エンジンに空気を多く送り込むエアクリーナーや、排気の流れをスムースにするエキマニやマフラーと、マイナスになる要素はどこにもないように感じる。

 排気系で問題となるのはおもにパイプの径で、太すぎれば低速トルクが細くなって乗りにくく、細すぎれば抜けが悪くパワーが上がらない。排気量やターボ車ならブーストアップしているかどうか、細かいことをいえば走るコースの特性でも最適解は違う。

 エアクリーナーは純正交換タイプならマイナスに働くことは少ないと思われるが、剥き出しタイプはエアフロセンサーの誤作動でアイドリングが不安定になったり、エンジンルームの熱まで吸い込んで調子を落としたなんてケースも昔からよく聞く。

 また最近のスポーツモデルはECUの制御を含め非常にバランスがよく、下手に何かを交換すると逆にパワーダウンするケースがある。吸排気系をひととおりイジってパワーを計測したら、カタログ値より10psも低かったなんて実例も実際にあった。自分のクルマがそれらに該当するか調べたうえで交換したり、確信が持てなければプロショップに相談するのがベターだ。

車高調の仕様変更は間違うと扱いにくくなるので注意

 次は足まわりで、主に車高調だ。もっともコチラは大半が『ストリート向き』とか『サーキット用』など、分かりやすくカテゴライズされており、市販された状態で使うのであれば失敗することはあまり考えにくい。

 注意したいのはスプリングのレート変更など、購入後に何らかの手を加えるときだ。例えば同じ車種でコースレコードを持っているドライバーがいて、仮にそのスプリングが自分より4kgもハードだったと仮定しよう。確かにスプリングが硬ければロール量は減るし、サーキットを走るうえでプラスに働くことが多い。ただしスプリングが硬ければブレーキなどで荷重をかけることも難しく、ビギナーにとっては扱いにくくタイムが落ちることも十分に考えられるのだ。

上級者と同じにすれば速くなるとは限らない

 アライメントやホイールのオフセットも同様。テールスライドのコントロールに自信のない人が、リヤを積極的に動かすセットにしても危険なだけで、闇雲に速い人のマネをするのはオススメできない。

 ブレーキも大きくすればいいってワケじゃなく、パワーや車重とのバランスを考えて選ぶべき。エンジンがノーマルで軽量化したクルマにビッグキャリパーと大径ローターなんて組み合わせでは、利きすぎて踏力のコントロールがしにくかったりバネ下が重くなるといった弊害を招く恐れがある。利きの弱いパッドを使うなど手直しする方法もあるにはあるものの、本末転倒もいいところで有効なお金の使い方とはいえないだろう。

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