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「エコって何?」とばかりのカリッカリチューンでお馴染み! 弾丸ハッチを作り続けるアバルトの「595」と「695」って何が違う?

それぞれの排気量が名称の由来

 環境や資源などの問題もあって、スポーツカーといえどもマイルドになっているが、そのなかでひとり気を吐いているのがアバルトだ。ご存知のように、もともとはイタリアのチューナー&スポーツカーコンストラクターで、レースの世界でも活躍した。

 特徴は安価に仕上げるためもあって、フィアット車をベースにしていること。レースで勝つたびに報奨金をもらうなどの契約をしたりして、フィアットとはただベース車を仕入れるだけの関係ではなく、相当親密だった。ただし、エンジンも含めてオリジナルのモデルもあるし、カレラアバルトのように他社のものもある。

一度消滅したが2007年に復活

 エンブレムには創業者のカルロ・アバルトの星座であるサソリをあしらうなど、どこを取ってもワクワクさせられるのがアバルトだ。ただアバルト社自体は1971年にフィアットによって買収され、その後、WRC向けのランチアの開発を担当するなどしていたが、徐々に活動を縮小して1997年頃には消滅したと言っていい状態だった。

 それが2007年にブランドの復活がアナウンスされ、現在に至るというのが流れ。冒頭でも触れたように、現在では世界でも稀なハイパワーコンパクトカーを得意とするドランドになっている。

エッセエッセというより高性能なグレードもあった

 先ごろもアバルト695エッセエッセが限定車で発売されて話題になった。基本的にランイアップとしては595のみで、標準車、ツーリズモ、コンペティツィオーネとなっている。となると気になるのが595と695の違いとなる。

 これはもともと排気量に由来するもので、ヌオヴァと呼ばれたクラシックFIAT500ベースのアバルトに設定されたモデルに付けられていたいわばグレード名。ちなみに595は1963年、695は1964年にそれぞれ発売されている。

 ただし、厳密に言うと、排気量にリアルに基づいているわけではない。正確にはそれぞれ593.707ccと689.548ccで四捨五入してもならないが、ゴロや字面によって595と695にしたようだ。実際、この数字を見ただけでワクワクするので、意図としては成功だろう。

 このように排気量が異なるということは、性能も違うことになる。さらにエッセエッセというより高性能なグレードもあって、595と695にそれぞれに用意されていた。ちなみにエッセエッセはSSのことで、スーパースポーツなどを連想させるものとなっている。

 現在のアバルトも基本的には595に対して、695のほうが高性能版なのだが、パワー自体は変わらなかったりするので単純に往年のパターンが当てはまるわけではない。2022年5月に登場したモデルで見てみると、馬力は180psで同じ。違うのはスポイラーやマフラー、シートを含めた内装など。

 つまり排気量の違いという単純なパターンはすでになく、695は595に対してよりスポーティな装備を装着した上級グレードといったところ。これは従来から変わらないことだったりする。馬力ぐらい変えてほしいと思うかもしれないが、そもそもマックスにまで高められているだけに、時代的な制約を考えるとさらに向上させるのは無理。結局みんな180psというのは致し方ないだろう。

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