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新型ステップワゴンは福祉車両にも注目! 介助者のことまで考えたこだわりっぷりがスゴかった

ステップワゴンの新型にも福祉車両が用意される

乗る人すべてが安心して移動できるクルマづくり

 2022年5月末に、ホンダの新型ステップワゴンが発売されました。先代ステップワゴンから大きくデザインを変更し、まるで初代に立ち返ったような、四角くてシンプルなフォルムやその使い勝手の良さから話題を呼んでいます。新型ステップワゴンのコンセプトは、「素敵なくらし」。乗る人たちすべてが快適に過ごせる、そして安心して移動できるクルマづくりをしてきたそうです。

 そこで今回注目したのは、「福祉車両」。福祉車両とは、身体の不自由な方や高齢者が自由に移動できるように設計されたクルマのこと。ステップワゴンでは、福祉車両を必要とする方にも、より安心で自由なクルマを提供しようと開発を進めてきたそうです。今回は、この福祉車両の機能や使い勝手を紹介していきたいと思います。

福祉車両でもホンダ車のデザインは妥協しない

 ステップワゴンには、2種類の福祉車両があります。車いすをそのまま搭載できる「車いす仕様車」と、2列目シートが電動で昇降する「サイドリフトアップシート車」です。これらの車両を外から見てみると、ノーマルの「スパーダ」とほとんどデザインの違いはありません。これはほかのホンダ車の福祉車両でも同様なのですが、開発者の意向で「福祉車両でもホンダ車の素敵なデザインを楽しんでもらえるように」という思いが込められているそうです。

 とくに車いす仕様車は、スロープを出すためにテールゲートやリヤまわりのデザインが変更されているのですが、通常のスパーダと並べて見ても、その違いはほとんど分かりません。こういったところにも、乗る人すべての自由を考えるステップワゴンのコンセプトが反映されているのですね。

介助者が女性ひとりでも簡単に操作できる車いす仕様

 まずは、「車いす仕様車」を詳しく見ていきましょう。大きなポイントとしては、電動ウインチを標準装備していることと、スロープが簡単に展開・収納できること。

 テールゲートは電動になっているので、ワンタッチで開くことができます。その後にスロープを出すのですが、女性の私でもロックを解除して、スロープを展開するまですべて片手でできました! そして、あとはウインチをかけて、電動で引き上げるだけ。車いすが車内に入っていくときも、後ろで軽く車いすを支えるだけで良いので、とても簡単です。最後は、車いすにウインチ用と固定用のベルトをかけて、完了。初めての体験でしたが、ひとりでも問題なくできました。

 また、車いすの搭載方法は、2列目乗車タイプ/3列目乗車タイプ/2列目&3列目乗車タイプの3パターンが用意されています。小児用の車いすは、リクライニングをしながら利用するものもありますが、2列目乗車タイプであれば、問題なく搭載できます。また、2列目だけではなく、3列目に乗車するタイプのものでも、隣の席を使用することができるので、見守りの観点からも安心ですね。

足腰の不自由な人に福音となるサイドリフトアップシート

「サイドリフトアップシート車」は、とくに高齢の方や足を悪くしていてクルマの乗り降りが難しい方にとっては、とても便利に使えるモデルです。2列目のシートが車外に迫り出して来るので、利用者は腰掛けるだけ。あとは自動でシートが車内へと入っていきます。自分で試したとき、ドアの大きさから考えて、最初は「このまま入っていけるの?」と不安でしたが、シートがうまく前後左右に動いたり、回転しながら車内へと入っていくので、膝などがクルマにぶつかることなくしっかりと収まりました。

 車内でも電動でシートをリクライニング、シートスライドできる点も便利ですね。また、標準で荷室に車いす用の固定ネットと保護カバーが付いてくるところも嬉しいポイント。ステップワゴンの荷室フロアは地上から約530mmと、とても低いので、車いすの乗せおろしも簡単にできそうです。

 福祉車両の利用は日々のことになるので、操作の簡単さや安全性は重要ですよね。また、介助できる人がひとりだったり、力のない人だった時に使うのが難しければ、クルマを出すのも億劫になってしまうと思います。そういった点でステップワゴンの福祉車両は、とてもユーザーフレンドリーにできていると感じました。

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