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ヘタにやると単なるドシャコタンの酷いクルマに! 手を出す前に一読必須のローダウンの基礎知識

コラゾンのWRX S4のフロントマスク

走りはもちろんスタイルアップもできる
ローダウンにはどんな方法があるのか?

 走りにもドレスアップにも欠かせないメニューがローダウンだ。重心が下がって車体のロールが減ればコーナリングは有利になるし、低く構えたスタイリングはどんな車種であってもカッコいい。しかしローダウンといっても予算や目的によって方法はさまざまで、当然ながらメリットだけじゃなくデメリットも存在するのだ。大切なお金を注ぎ込んで「想像していたのと違う」とならないよう、ローダウンの基礎知識や同時にやるべきセットアップなどを解説したい。

手軽にローダウンできるファーストステップ
「ローダウンスプリング」

 もっとも安く車高を下げられるのは純正サスからローダウンスプリングへの交換だ。つまりダンパーは純正のままでバネだけを代える方法だ。交換後の車高調整はできないが工賃を含めても3~5万円で済み、大手メーカーの製品であれば前後車高のバランスや耐久性も心配が少ない。昔と違い近年は、純正ダンパーとの相性も考慮されたローダウンスプリングは多く、乗り心地が極端に悪化する心配は減ったと考えていいだろう。とはいえ中古車なら純正ダンパーがヘタっている可能性があるし、減衰力調整機構付きの社外製ダンパーに代えるメリットは大きい。予算が許すならスプリングとダンパーを同時交換するのがベターだ。

理想の車高と減衰特性による走りが追求できる!
「車高調式サスペンション」

 以前はレース車両や本格的なチューニングカー専用の印象だった車高調整式サスペンション(以下、車高調)だったが、今やドレスアップカーでも当たり前に使われるアイテムになっている。メリットは何といっても車高を自由に変更できることで、製品によっては減衰力やキャンバー角も調整することができる。

 また、走り重視のユーザーならタイヤや走るステージに合わせて理想の製品を選んだり、ドレスアップ派であれば装着するホイールに合わせてセットアップしたい。セッティングの自由度はローダウンスプリングを大きく凌駕するし、最近は価格もだいぶリーズナブルになってきた。大半の車高調に組み合わされる直巻きスプリングは、ノーマル形状の荒巻きと比べて価格が安いので、仕様変更を気軽にしやすい点も見逃せない。ただし調整できる箇所が多いほどセッティングを煮詰めていくのは難しく、メーカー推奨値から変更するときは失敗することがあるのを想定しながら行いたい。

車高調整が自在に行える理想のサスペンション
「エアサスペンション」

 ドレスアップではエアサスもだいぶメジャーになってきた。読んで字のごとく空気のエア圧を利用して車高を変えるシステムで、利点はジャッキアップやタイヤを外して車高調整する手間がなく、車内から自在に車高調整できるのが大きなメリット。また、ローダウン量が車高調より大きいことも挙げられる。通勤や普段の街乗りでは保安基準の範囲に収まる車高で走り、イベント会場に着いてクルマを駐めたら走行できない着地レベルまで下げる、なんてセッティング変更がスイッチひとつで可能だ。

 その代わり工賃や公認車検(※車検の有効期限が残っている場合は暫定的に記載変更でも可)を含めるとコストは高くなり、真っ当なメーカーの製品であれば50万円~が妥当な費用の目安となる。ビギナーにはちょっと手を出しにくい金額ではあるが、車高調やローダウンスプリングにはないメリットも多数あり「いつかはエアサスを組みたい!」と、目標に掲げているユーザーも少なくない。

ギッタンバッコンがローライダーの専売特許! 「ハイドロリックサスペンション」

 車高調整に空気の圧力を利用するエアサスに対し、ハイドロサスは油圧とエア圧を利用して車高を上下させるシステムとなっている。少し前までのシトロエンでは純正採用されていたほどで、カスタム好きに馴染みがあるのはローライダーのスタイルだろう。

 油圧で車高を変化させるのは純正のハイドロサスと共通だが、高い電圧をかけて上下させるスピードを高めたり、4輪それぞれに独立して油圧ポンプを装着することで、車体が飛び跳ねるように見えたり、1輪だけ車高を上げるような、他の足まわりでは不可能なパフォーマンスを披露できるのだ。ただし製品および取り付けのコストは跳ね上がり、オイル漏れなどのトラブルも決して珍しくはない。

 以上が代表的なローダウンのメニューと、それぞれのメリットとデメリットになる。予算はモチロン目指しているスタイルをよく見極め、自分に合った手法で楽しいカーライフを送りたい。

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