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ガサツで鈍感な人は運転できない! 愛車への労りと五感の研ぎ澄ましがカギになる旧車との付き合い方

コスモスポーツの走り

自動運転とは対極にある旧車独特の運転テクニックとは

 ここ最近、かつてないほどのスピードでクルマの電動化と自動運転化が進んでいる。その弊害とまでは言わないが、クルマが安楽な乗り物として普及していく過程で本来の危険性が語られなくなり、ドライバー側も漫然と運転を繰り返し、事故回避の意識が薄れているように感じられる。 そのうちクルマを人間がドライブするという行為が無くなり、運転免許が不要になるのかもしれないが、過渡期である現在はクルマを運転する際のイロハをしっかり学んだ上で公道を走らせることが理想だといえる。

 クルマを運転する際のイロハとは、総論から述べるとドライブすることだけに意識を集中し、余裕をもった安全運転を心がけるということだ。各論としては、五感を研ぎ澄ましながら慎重に運転する必要があるということである。 五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚のことだが、クルマを運転する際に味覚を使うケースはないので、第六感として区別されている「勘やインスピレーションなど、理屈で説明はつかないが鋭く物事の本質をつかむ心の働き」を五感に加えて説明することにしよう。

旧車を運転するには五感を研ぎ澄ますことが求められる

 第六感を含めた五感をフル活用した運転テクニックは、何を隠そう旧車に乗る際に必要不可欠なことなので、筆者はほぼ毎日実践している。現代のクルマをドライブするときにも、周囲の様子を認知するための視覚と、車外の音からさまざまな交通状況を判断するための聴覚を駆使する必要がある。 旧車では、視覚で周囲の様子のみならず計器類が正常な数値であるかも確認し、聴覚で車外の音だけでなく車体から発生する異音のあるなしも、つねに見極めなくてはならない。さらに嗅覚でガソリン臭などのヘンなニオイがしていないかを感じ、触覚でステアリングギヤボックスやシフトリンケージなどのガタつき具合を判断する必要がある。

旧車と対話しながら運転することでクルマや周りの交通にも優しくなれる

 イヤな予感がする、胸騒ぎがする、といった言葉に置きかえることができる第六感は、「そろそろあのあたりが壊れるかもしれないな……」とトラブルに備える際に活用することになる。だが、マイナスのことをイメージすると旧車は本当に壊れてしまうので、インスピレーションの運用はほどほどにしたほうがいい。これも旧車あるあるのひとつだ。

 スピリチュアルなことを書いてしまうと、ある意味、旧車は有機体のようなモノなので人間の心の動きが伝わってしまうのである。電動化と自動運転化が進んだクルマは無機的だが、“旧車は生命体だ!”と考えると、第六感を含めた五感のフル活用が必要である理由がよく分かるだろう。 旧車で運転のイロハ(生命体とのキャッチボールみたいなもの)を学ぶと、昨今のクルマをドライブする際にも機械に対して優しくなれるので、チャンスがある人は一度旧車を所有してみるといいかもしれない。旧車を愛用した後に乗りかえた最新鋭のクルマでも、第六感を含めた五感を駆使し、日夜安全運転を心がけていただきたい。

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