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ホンダ初代シビックタイプRは国産ホットハッチの至宝! ハチロクより速かった走り屋御用達マシン

1997年8月に登場したEK9型シビックタイプR

新車時より高いものの今ならまだ買えるEK9!

 ホンダ・シビックタイプRとしては初代となるのが、1997年に登場した「EK9型」だ。NAエンジンを極めた性能と、軽量コンパクトなボディによる切れ味あるハンドリングは、いまなお一級品といえる。すでに新車時の価格を超えてはいるが、中古車を買えるのも今がラストチャンスかもしれない!?

軽量ボディにパワフルエンジンを積んだFFスポーツの教科書

 ホンダの「タイプR」シリーズはNSXが元祖にあたる。それからインテグラタイプR(DC2)が誕生。ハイパワーなNAエンジンに、軽量なボディで鋭い走りを魅せるFFスポーツとして人気を獲得した。そして、そのFFスポーツの人気をさらに押し上げたのが、EK9型シビックタイプRだ。

 もともと軽量でハイパワーなシビック(EK4)をベースに、よりハイパワーなB16B型エンジンを搭載。ひとつずつ職人がポート研磨をしたというスペシャルなエンジンには、画期的な可変バルブタイミング機構であるVTECを採用し、回転を上げていくと高回転用カムに切り替わることで、全域でのパワフルさを獲得できる。市販エンジンとしては驚異的な1.6Lにして185psを発揮した。

中回転域からドラマチックに盛り上がるNAエンジン

 そしてボディは軽量で車重も1t少々という軽さっぷり。そのボディの軽さもあって、圧倒的な加速のパンチ力が魅力だった。ハイパワーなエンジンであってもボディが重ければそれほど速くは感じないものだが、EK9の場合、ボディは軽量。エンジンはピークパワーに注目が集まるが、じつは中間トルクがすごい。アクセルを踏みこむと中回転域から爆発するような圧倒的なトルクを発生し、ボディが軽さと相まってグングンと車速が乗っていく。さらにVTECが高回転用カムに切り替わると、音もフィールも一段と高まる。

 ホンダが狙っていたのか、結果的にそういった特性になっただけなのかはわからないが、クライマックスに向けての盛り上がりがすごい。加速するたびにひとつのストーリーが始まって、展開し、クライマックスを迎えるのだ。そんなエンジンとボディは乗って楽しくないわけがない。速さはもちろんのこと、楽しさに溢れていたからこそ多くの支持を獲得したのだ。

ぶっちゃけAE86より圧倒的に速かった!

 新車当時は199万円という価格も話題となり、200万円以下で本格スポーツが手に入る! と一気に人気を集めたのだった。「グランツーリスモ」シリーズにもSPOON EK9が収録され、黄色いボディに黒いカーボンボンネットのカラーリングが印象に残っている人もいるだろう。さらに「頭文字D」でもレース経験者の強豪のマシンとしてEK9は登場。AE86が負けるのではないかとハラハラさせられた。

 ちなみにAE86と乗り比べると、圧倒的にEK9の方が速い。当時トヨタも、ホンダパワーに負けじと5バルブの4A-G型エンジンなどを製造していたが、正直、圧倒的にB16Bの方がパンチがあって速い。とくに中間トルクはレェェェヴェルの差を痛感させられるほどだった。

 そんなEK9は現在の中古車相場だと、もはや軽く新車価格を超えている。とりあえずそこそこのタマを買うならまずは250万円が目安だろう。しかし、そこから400万円くらいまでがほとんどで、天文学的な価格にはなっていない。これだけの名車だけに、これからさらに高騰する可能性もあり、今日の相場が一番安い可能性は高い。

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