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スズキ「ジムニー」純正ホイールにベストなオフロードタイヤとは? 注目銘柄とリスクをお教えします

ジムニータイヤのイメージカット

ジムニーに似合うオフロードタイヤが人気

キャンプ場でも街でも最高に映える魅惑のオフロードタイヤが流行中

 2018年の発売から4年が経ち、現在は3型となったJB64Wジムニー。今なお人気は衰え知らずで、バックオーダーの長い行列は解消されていない。それだけに、納車されると「#ジムニー納車」をつけてSNSで喜びを爆発させる例もチラホラ。それを見ながら悶々としている人も多いだろう。

 さて、そんな「#ジムニー納車待ち」にも、すでにジムニーに乗っているというユーザーにもオススメなのが、オフロードタイヤの導入だ。もちろん純正タイヤも性能的には優秀なのだが、ことジムニーに関しては、ボコボコしたオフロードタイヤに履き替えるカスタムが流行している。

 本来、こうしたタイヤは不整地を走るために作られたもの。砂利や土、ぬかるみといった道でもスタックしにくく、しっかりとトラクションが掛かるようにボコボコしているわけだが、その見た目が迫力満点でカッコイイのだ。ガチのオフロードだけでなく、キャンプ場でも街でも映えるから、一般ユーザーにも大人気というわけ。

 だがこの手のタイヤはけっこう種類が多い。AT(オールテレーン)もあればMT(マッドテレーン)もあり、さらにはRT(ラギッドテレーン)なんてのもある。またサイズを見誤るとインナーフェンダーに干渉したり、フェンダーからはみ出してアウトというケースも少なくない。初心者はどれを選べばいいか迷ってしまうところだが、今回は編集部オススメの最新オフロードタイヤをご紹介。ぜひ参考にしてもらいたい。

まずは履けるタイヤサイズを確認! 大きいほど見栄えがいいがリスクも

 だが、その前にタイヤサイズについておさらいしておこう。64ジムニーの純正タイヤはブリヂストン・デューラーH/T684 IIで、サイズは175/80R16。計算上のタイヤ外径は686ミリ。デューラーはSUV向けのブランドながら、H/Tシリーズはオフよりオンロードでの低燃費性能や操縦安定性が重視されており、トレッドパターンもおとなしい。見た目は一般的な乗用タイヤとさほど違いはない。

 これをボコボコタイヤに変更したいわけだが、基本的にこうしたタイヤは外径が大きく、幅も広いほど見栄えが良くなる。とはいえやりすぎるとメーターの狂い、はみ出し、インナーへの干渉といったリスクが出てくる上、燃費や静粛性、オンロードでの乗り心地が悪化するというデメリットもある。大きくするにも限度があるのだ。そのあたりを踏まえた、めぼしいサイズは以下の4種類。

1:175/80R16(外径:686ミリ)
純正同サイズ。リスクを最小限にしつつ見た目をボコボコさせたい人向け

2:185/85R16(外径:721ミリ)
純正のワンサイズUP。外径が大きくなることで車高が15ミリ強上がる

3:195R16(外径:726ミリ)
さらに外径が大きくなる(車高20ミリUP)。タイヤ銘柄は限られる

4:215/70R16(外径:707ミリ)
外径はそこそこだが幅がワイドに。フェンダーには収まるがやや際どい

※いずれも純正ホイールサイズ(16inch×5.5J+22)に組むことを想定

 1は純正同サイズだから安心であり、2も車検で引っかかる可能性は低い。3、4についても干渉などのリスクは低く、ぎりぎりフェンダー内にも収まるのだが、確実にOKとはいえない。車検にプライオリティを置くユーザーは、選ばない方が無難だろう。

 ともあれこれらのサイズのオフロードタイヤは、ジムニー人気を受けて各社ラインアップを強化中。次々と新しい商品が登場している。その中でも2022年の今、有力と思われる銘柄をピックアップしてみた。

支持率は間違いなくトップクラス! 大本命「オープンカントリー」

 ジムニー用ボコボコタイヤの最右翼といえば、トーヨータイヤのオープンカントリーシリーズ。なかでも売れ筋は同社独自の「R/T(ラギッドテレーン)」パターンを採用したオープンカントリーR/Tだ。オフロードタイヤでもオンロード寄りな性能を持つAT(オールテレーン)と、オフロードに特化したM/T(マッドテレーン)が存在するが、いわばそれらのハイブリッドバージョンがRT。実際にトレッド中央部はATパターン、左右部はMTパターンという組み合わせになっている。

 ATタイヤでは物足りないが、MTタイヤは街乗りの使い勝手が不安……というユーザーにウケて大ヒット。ゴツゴツ系のタイヤなのに、舗装路でも静かで乗り味も比較的ソフトだ。値段もお手頃で、本命サイズの185/85R16は片側ホワイトレター仕様となっており、今どきのニーズを高レベルで満たしている。人気なのも納得だ。

 本格派のオープンカントリーM/T-Rも支持率高し。これはオープンカントリーM/Tの派生モデルで、とくにオフロードレースで使うために開発された走破性能重視の1本。ジムニー向けは195R16のみとなる。オンロードでの静かさや快適さではR/Tに一歩譲るが、ガチ感が欲しい、実際に林道をガンガン走りたいという人にオススメだ。

 また従来、ATタイヤのオープンカントリーA/Tプラスという商品があったが、それが先日「オープンカントリーA/T III」にモデルチェンジ。トレッドパターンも一新され、ATタイヤながら程よくデコボコ感も味わえるスタイルに生まれ変わった。むろん見た目だけでなく、オフロード性能やスノー制動性能もアップしている。要注目のタイヤだ。

【トーヨータイヤ・オープンカントリーシリーズ おもなジムニー向け商品一覧】

●オープンカントリーR/T
185/85R16(片側ホワイトレター)、215/70R16

●オープンカントリーM/T-R
195R16

●オープンカントリーA/T III
175/80R16、215/70 R16

●オープンカントリーA/T EX
215/70R16(アウトサイドホワイトレター)

X-ATも好調! 伝統の国産オフローダーブランド「ジオランダー」

 四駆ファンなら知らぬ者はいないヨコハマのジオランダー。オンロード寄り~オフロード寄りまで幅広くシリーズを展開しているが、今も昔も安定して売れているのがMTタイヤのジオランダーM/T G003。国内外のクロカン系レースでも輝かしい実績を残してきたジオランダーのフラッグシップで、64ジムニーの装着率もかなり高い。

 マッド性能に特化したワイルドなトレッドパターンに加え、耐サイドカット性も高めたサイドウォールも迫力満点。オフロードユースメインではあるが、今どきの商品らしく舗装路での静粛性も考慮されている。一般的な乗用タイヤに比べるとノイズは大きいものの、昔のMTタイヤのような耐え難いレベルではない。サイズは先に挙げた4種類をフルカバーしているので、選べるというのもポイントだ。

 そんなジオランダーM/T G003に並び、注目度急上昇中なのがジオランダーX-AT。ジオランダーにはA/T G015というATタイヤもあるが、それよりもオフロード性能を強化したモデルだ。ショルダー部にはカタチの異なるふたつのブロックを、センター部には4タイプのブロックを配置。サイドブロックも大型のものを採用しており、ATタイヤとしてはなかなかアグレッシブである。

 2019年にデビューした比較的新しめのブランドながら、急速にラインアップを拡大しており、ジムニーユーザーのファンを増やしている。ちなみに195R16サイズは片側アウトラインホワイトレター仕様。ベタ塗りではなく、文字のフチのみ白というのがさり気なくていい感じだ。

【ヨコハマ・ジオランダーシリーズ おもなジムニー向け商品一覧】

●ジオランダーM/T G003
175/80R16、185/85R16、195R16、215/70R16

●ジオランダーX-AT
195R16(片側アウトラインホワイトレター)、215/70R16

●ジオランダーA/T G015
175/80R16、185/85R16(片側アウトラインホワイトレター)、215/70R16

サイズは少ないがグッドリッチも人気! さらにワイルドピークも今後来る!?

 ミシュランの名門SUVブランド・BFグッドリッチも、少ないながらジムニー向けサイズあり。オールテレーンT/A KO2がそれで、サイズは215/70R16を設定。名前の通りATタイヤなのだが、トレッドはデコボコと立体的でタフな雰囲気だ。実際にオフロード性能も高い。そして何より、ホワイトレターのバランスがGOOD。お洒落に見えるのが最大の長所だろう。ただしLT(ライトトラック)規格ということで、やや重く、乗り味も硬めで振動が出やすい。

 オールテレーンT/A KO2には、225/70R16という215のワンサイズアップもあるのだが、外径はともかく幅が際どい。また同じくBFグッドリッチのMTタイヤ、マッドテレーンT/A KO3にも205/80R16というサイズが存在するが、こちらの幅は許容範囲ながら外径は740ミリと厳しい。どちらもビギナーには勧められない。

 またファルケンのワイルドピークから、ATタイヤのワイルドピークA/T3Wが純正サイズの175/80R16を展開。同社MTタイヤのワイルドピークM/T01も、昨年ジムニー向けに185/85R16が追加された。今後さらにサイズが出揃ってくれば、より注目度も高まってくると思われる。

 そのほか、国産ブランドではブリヂストンからデューラーA/T001とデューラーM/T674が、ダンロップからグラントレックAT5とグラントレックMT2から、ジムニー向けサイズがラインアップされている。

サイズ表記は同じでも微妙な差異もアリ! 静粛性や乗り心地なども含めて検討を

 今回紹介した4サイズは、基本的に干渉リスクが少なくノーマル車にも履きやすいが、前述の通り、195と215は確実に車検OKとはいえない。検査場や現場の検査官の判断によっても変わってくるし、純正ホイールならセーフになっても、インセット値の小さな社外ホイールに組むとはみ出してしまうこともある。

 また同サイズでも銘柄によってタイヤ幅や外径は微妙に変化する。例えば今回は割愛したが、オープンカントリーR/Tの225/70R16は、表記上のタイヤ幅は225ミリと明らかなオーバーサイズ。しかし実際のタイヤ総幅は216ミリであり、ジムニーに履かせてみると、ツライチ~数ミリはみ出しくらいに収まったりするのだ。

 これと逆パターンもなきにしもあらずなので、心配な人はジムニーに詳しいタイヤショップに問い合わせたり、ネットで口コミを調査するのも有効。また乗り心地や静粛性といった部分は、人によって感じ方も変わる。サイズ的に履ける、履けないだけでなく、自分の用途に合っているのか? 履かせたときのバランスはどうか? など、総合的に考えて選びたい。

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