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【最新オークション動向】6000万円で落札「カウンタック・アニバーサリー」はパガーニ創業者が手掛けていた! 今後も値上がり確実

賛否分かれるテールライトのデザインだが、「アニバ」であることがひと目で分かる(C)2022 Courtesy of RM Sotheby's

「ポロ・ストリコ」設立の影響でクラシックにも注目のランボルギーニ

 世界のオークション・シーンでは、ランボルギーニの人気はまだまだ収まる気配を見せていない。ランボルギーニ初のミッドシップスポーツであるミウラや、その後継車であり今回紹介するカウンタックはもちろんのこと、現在ではそれ以前に誕生した350GT、400GT 2+2、あるいは2022年に生誕50周年を迎えたフル4シーターのエスパーダといったモデルにも、クラシック・ランボルギーニを狙うマニアからの熱い視線が注がれているのは、これまでにはなかった傾向だ。どうやらランボルギーニも、フェラーリの「クラシケ」に相当するクラシック部門「ポロ・ストリコ」を設立したことで、メーカーによる正確な認定が行われるようになったことなど、さまざまな理由で人気が高騰しているようだ。

スーパーカーといえば「カウンタック」だ

 今回紹介するのは、2022年5月に開催されたRMサザビーズの「モナコ・オークション」に出品された、1990年式のカウンタック・アニバーサリーだ。イタリア流に正確に発音するならば、「クンタッチ・アニベルサリオ」とでも呼ぶのが正しいのかもしれないが、1970年代のスーパーカーブーム以前から慣れ親しんだ「カウンタック」の名は今も特別な響きだ。したがってここではカウンタックという呼び名をそのまま使わせていただく。

 ミウラの後継車となるべく、ランボルギーニがそのプロトタイプたるカウンタックLP500を発表したのは1971年のこと。しかしその生産化には熱対策などさまざまな理由から計画以上の時間が必要となり、実際にデリバリーが開始されたのは1974年になってからのことだった。

 ファーストモデルは4L仕様のV型12気筒エンジンを搭載するLP400である。そしてこのLP400を起点に、ランボルギーニはLP400S、5Lに排気量を拡大したLP500S、5000QVとカウンタックを進化。

 1988年にランボルギーニ社の創立25周年を記念してイタリアGPで初公開されたのが、当時ランボルギーニの契約デザイナーだった、現パガーニ・アウトモビリ社長のオラチオ・パガーニがボディワークの再設計を行った、カウンタックの最終進化型たるこのアニバーサリーだったのだ。

通称「アニバ」のボディワークはパガーニが手掛けていた

 パガーニに与えられた課題はじつに多岐にわたり、そして困難なものだった。エアインテークの再設計から、エンジンルームはもちろんのことフロントブレーキの対策にまで及び、ホイールも新たに15インチ径の2ピース鍛造アルミニウム製とされ、5000QVよりワイドなサイズ設定となった。

 内装もパワーウインドウを標準装備し、またシートも運転席、助手席ともにパワーアジャスタブルバックを採用。ステアリングホイールのデザイン、そしてエアコンもさらに高性能なものへと改められている。

 カウンタック・アニバーサリーの販売は1990年7月まで継続されるが、この間に生産された台数は657台と言われている。これは全カウンタックのシリーズ中、最多の数字を誇るものだ。

「アニバーサリー」もコレクションアイテムに

 今回の出品車は1990年3月にデリバリーされた個体で、ミラノのアチリ・モータース社を通じて最初のオーナーに(著名な弁護士であったという)渡っており、売却される以前にボディカラーはレッドから現在のイエローに塗り替えられている。

 その後1993年には新しいオーナーの手にこのアニバーサリーは渡るが、ここからのメンテナンス体制はまさに最新の注意を払った、そして保管状態も最善のものであったという。

 現在までの走行距離はわずかに2万7495km。ランボルギーニのポロ・ストリコは、シャシーナンバーとエンジンナンバーのマッチングを確認しており、さらに新車時からのサービスブックとユーザーマニュアル、さまざまな請求書等々のドキュメントもそのまま残されていた。

 注目の落札価格は43万2500ユーロ。円安の今ではやや割高に感じるかもしれないが、邦貨に換算すれば約6000万円に相当する。カウンタック・アニバーサリーにも、確実にコレクターズアイテムとしてのバリューが生まれてきたことを予感させる落札価格だった。

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