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フェラーリですら逃れられない「内装ベタベタ病」の恐怖! イタフラ旧車乗りのお悩み解決法とは

フェラーリF355ベルリネッタのエアコン吹き出し口

フェラーリF355ベルリネッタのエアコン吹き出し口

とくにイタフラ旧車に多い不快な内装のベタつき

 新車で買ったクルマのダッシュボードやスイッチ類が数年後にベタベタしてきた……。ネットなどで見つけ、欲しいと思った中古車(1980年代~2000年代あたり)を店頭にチェックしに行ってみたら内装全体がベタベタだった……。

 樹脂製パーツが多用されているクルマ、とりわけイタリア&フランス車のダッシュボード、スイッチ類、内装にありがちで、大変不快な現象である「内装ベタベタ病」に悩まされたことがあるクルマ好きは多いはずだ。

原因は樹脂製パーツの表面塗装の経年劣化

「内装ベタベタ病」は高温多湿な日本ならではの気候条件、直射日光による車内温度の上昇や紫外線の影響、そして、経年劣化によって発生する現象だ。イタフラ車のみならず、一部の国産車やドイツ車の内装もベタベタになるが、その正体は樹脂製パーツの表面に施されたプロテイン塗装やラバー塗装の経年劣化である。皮脂が付着することでも劣化が進むと言われており、スイッチ類のベタベタはオイリーな指先によって進行が早まっていたのである。

 知り合いの内装クリーニング業者に伺ってみたところ、ガレージ内やカーポートの下で愛車を保管できればベストだが、それが無理な場合はフロントウインドウにサンシェードを置いておくだけでも劣化の進行具合が違うはず、とのこと。「内装ベタベタ病」が発生する前に樹脂製パーツ専用の保護剤などでコーティングしておくのもベターだと語ってくれた。

 ベタベタが発生してしまった場合、内装クリーニング業者に除去をオーダーするのがベストだが、なかなかの出費となったり、パーツの交換を提案されたりする。そのため、薬局などで消毒液として販売されている無水エタノールを使い、DIYで対処しているオーナーも多い。

フェラーリF355ベルリネッタの内装ベタベタ病をDIYで対策

 ガレージ内にリフトを入れ、5年ちょっと前に購入したフェラーリF355ベルリネッタの整備生活を満喫しているSさんも、DIYでの「内装ベタベタ病」対策を愉しんでいるオーナーのひとりだ。

「オイル、足まわり、ホイールの交換やオーディオの変更などを自身で行い、ベタベタになった内装のリペアも実施しました。内装はダッシュパネルとシート以外はほとんどバラしましたね。そのほか、ETCの位置を変えたり、ドラレコを付けたり、灰皿のリペアもしました。アンダーパネルはリフトでクルマを持ち上げて4カ月かけて作業し、こちらも自分で直しています」

 そのように語ってくれたSさんによると、ステアリングコラム、スイッチ類、ドアノブは前オーナーがキレイにしてくれていたので、自分で対策したのはエアコン吹き出し口、センターメーターパネル、ドアミラーパネルなのだという。

「私の場合、エアコン吹き出し口はエタノールにジャボ漬けでブラッシングしてベタベタを除去し、アーマオールを塗って仕上げました。塗装はしていません。センターメーターパネルはエタノールで拭いてベタベタを除去し、カー用品店で売っているホルツの艶消しブラック缶スプレーで塗装しました。ドアミラーパネルはスチール製のため、剥離剤でベタベタを除去し、同じく缶スプレーで塗装しました」

 購入当初となる5年ぐらい前にDIYで作業したとのことだが、上記の対策によってもうベタベタになることはないそうだ。とはいえ、Sさんはこのようにも話してくれた。

「内装の革の保護も含め、梅雨の6月から暑い時期となる9月まではフェラーリに乗らないというのが最大の対策です。その期間は車内に湿気取りを置き、湿度を下げるようにしてガレージ保管しています」

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「内装ベタベタ病」が発生しやすい趣味車のほかに、「内装ベタベタ病」が発生しにくい足グルマを持っているという人は、Sさんのように思い切って6月から9月まで趣味車をガレージ保管してしまうのもひとつの対策と言えるだろう。

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