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「素敵な人のクルマは“香り”も素敵でした」デキル大人は知っているメーカー純正「香りカスタム」の世界を紹介します

メルセデス・ベンツA35AMGのドライビング

まるも亜希子さん(筆者)のメルセデスAMG A35のドライビングシーン

悪臭ドライブと決別できる! メーカー純正クルマ用アロマの魅力

 ドアを開けてクルマに乗り込んだ瞬間「ウッ」と思わず息を止めたくなるような悪臭が……。という経験はありませんか? 「うちのクルマは大丈夫!!」と思っているかもしれませんが、いつも乗っている自分の愛車だと慣れてしまい、なかなか気が付きにくいものです。エアコンを効かせるために窓を閉め切った状態だったり、汗をかく季節や湿気が多い時期はとくに、匂いがこもりやすいので注意が必要。もしかするとゲストを乗せたときに「くさい」と思われた可能性はゼロとはいえないのではないでしょうか。

グローブボックス内に収納することができるエアバランスパッケージのパフュームアトマイザー

 でもここ数年、そんな「くさい車内」とは無縁になる、いい香りに包まれるようなクルマが増えてきました。自動車メーカーが純正アクセサリーとして、アロマディフューザーやパフュームアトマイザーなどを採用しているのです。そのメーカーのイメージやクルマづくりの哲学を表現するような香りをオリジナルで開発していたり、なかには豊富な種類のなかから好みの香りを選ぶことができるメーカーもあり、もはや「香り」はドライブを爽快にする装備のひとつになりつつあります。今回はその代表的なメーカーをピックアップしていきたいと思います。

レクサスの最新コレクションでは浮遊ウイルス除去効果も!

 まずひとつ目は、日本の自動車メーカーではいち早くオリジナルの「香り」に力を入れてきたレクサスです。2005年に日本でレクサスブランドを展開するにあたり、「アロマで空間をデザインする」という考えを取り入れ、アロマデザイナーとタッグを組んでレクサスオリジナルのアロマオイルを開発。当初は一部のディーラーで試験的に導入したところ、とくに女性の顧客から大好評となり全店舗で導入することになった経緯があります。

 アロマオイルはすべて天然のエッセンシャルオイルでブレンドされており、2022年の最新コレクションでは、「ハーブ」「ウッド」「フラワー」「ミント」をテーマとした定番の香りのほか、「トヨタ三重宮川山林」のヒノキから抽出したオイルをベースにした、やさしい天然の香りが自慢の「ヒノキ」、抗ウイルス試験で99.0%の浮遊ウイルス除去効果を認められた「クリアーテイートゥリー」をラインアップ。車内や自宅などで使えるスプレータイプもあり、置いておくとほのかに香るサシェ、名刺入れやお財布に入れておけるカードタイプなど、レクサスの香りが日常的にいつでも感じられるようになっています。

メルセデス・ベンツは空調機能を活用して香りの強弱が調整できる

 ふたつ目は、グローブボックスのなかにパフュームアトマイザーが設置できるようになっており、車内にいつもいい香りが漂うメルセデス・ベンツ。丸い形状の容器をグローブボックスにあるホルダーにはめ込むだけと誰でも簡単に装着することができ、エアコンの風に乗って香りが車内に放出されるようになっています。香りのオン/オフや強弱も調整でき、なくなったら交換用リフィルを購入すれば継続して使えます。これはエアバランスパッケージというオプション装備で、香りはさまざまな好みや季節、シーンによって楽しめる15種類をラインアップしています。

 このパッケージにデフォルトで装備されていることが多いのが、爽やかなシトラスブーケの香りが人気の「FREESIDE MOOD」です。そのほかに森をイメージした、優雅さと新鮮さが印象的な「FOREST MOOD」や、スポーティな気分を盛り上げる菩提樹の香り「SPORTS MOOD」、ウッディでオリエンタルな香りがエレガントな夜を演出する「NIGHTLIFE MOOD」などを用意。メルセデス・ベンツの場合はメーカーとして香りのイメージを統一するのではなく、お客さまそれぞれの使い方で楽しんで欲しいという意図が感じられます。なかにはAMGならではのエキサイティングなドライビングを演出する「AMG#63」という香りもあって、どんな香りなのか体験してみたくなります。AMGオーナーへの贈り物にも喜ばれそうですね。

ホンダは電源ソケットを活用するLED照明付きアロマディフューザーを展開

 3つ目はオーストラリアにあるエアアロマ社のエッセンシャルオイルを使用し、調香師が車内空間に適した香りをひとつずつ絶妙なバランスでブレンドしているホンダ純正オリジナルエッセンシャルオイル。もちろんディーラーや公式Webショップで購入できます。元々は「カーライフにアロマの癒しを」という女性開発者の提案からスタートし、ホンダ車のアクセサリーソケット(12V)、シガーライター(12V)で使用できるアロマディフューザーも用意。LEDライトの灯りも気持ちをリラックスさせてくれます。

 エッセンシャルオイルの香りは6種類あり、「オレンジパラダイス」「フレッシュシトロン」など、ドライブで疲れた時に元気をくれるような香りや、「ラベンダードロップ」「ピュアハーブ」など気持ちを落ち着けたりリラックスさせてくれる香り。さらには女性に似合いそうな華やかな香りの「ピンキーロゼ」、集中力を高めてくれそうな「コーラルミント」があります。すべて植物/果実由来の天然100%オイルとなっており、透明感のある豊かな香りで気持ちをやさしくサポートしてくれます。

日産のフォレストエアコンは「プラズマクラスター」や「アロマ」効果が期待できる!

 4つ目は、車内の空気/香り/風を徹底的に研究し、乗員の心地よさを高める「フォレストエアコン」。日産が開発し、2009年にフーガで初搭載しました。アロマディフューザーやゆらぎ風、湿度制御機能で心地よい空気を作り出しながら、プラズマクラスター技術搭載のフルオートエアコンや臭い・排出ガス検知式内外気自動切換え機構、高性能フィルター(花粉・臭い・アレルゲン対応タイプ)で、きれいな空気を生成して車内に取り込みます。

 さらにアロマ効果として、エアアロマ社が日産のために調香したオリジナルの香りを採用。独創的かつ革新的な自動車のデザイン精神と、日本独自の文化を融合させ、爽やかな柑橘とグリーンティーをメインにカルダモン、タイム、ドライウッドをアクセントで加えた香りとなっています。ストレスのもとを取り除き、空気の質を整えることで、人が気持ちいいと感じる空気の環境を車内に提供してくれます。

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 このように、香りは自動車メーカーによって、ブランドをより多角的に印象付けるために不可欠だったり、もっとドライブを快適にしてほしいというメッセージだったり、ユーザーの気分を高めるためのエッセンスとして用意していたりと、目的はさまざまありますが、重要視していることがよくわかります。これで車内の悪臭とは無縁になれそうですね。

 ただ難しいのは、自分はいい香りだと感じるものでも、ほかの人が同じように感じるとは限らないことです。まずは自分が心地いいな、リラックスできるな、という香りを選ぶのはもちろんですが、もし同乗者がいる場合や、家族など1台のクルマを共有するような場合には、香りの好みを確認したり、オン/オフができるようにしておくと安心です。1日の始まりに気分を高めたり、帰り道の渋滞のイライラを解消したり、香りを上手に使えばドライブはもっと素敵な時間になると思います。

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