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アウディがF1に参戦! 2026年よりエンジンサプライヤーとなる理由とは? 中国と米国での人気も後押し

アウディによるF1のコンセプトモデル

2026年から専用開発のパワーユニットでF1に挑戦

 アウディは2022年8月、モータースポーツの最高峰であるフォーミュラ1(F1)への参戦を発表した。新たなレギュレーションが適用される2026年から、専用に開発したパワーユニットでF1に挑むという。

新レギュレーションがF1参戦の好機

 F1ベルギーグランプリ(スパ フランコルシャン)の開催時に行われた記者会見には、取締役会会長 マルクス・ドゥスマン氏、技術開発担当取締役 オリバー・ホフマン氏に加え、F1プレジデント兼CEO ステファノ・ドメニカリ氏とFIA(国際自動車連盟) モハメド・ビン・スライエム氏が参加した。

 2026年以降、電動パワーユニットの出力は現在より大幅に向上。モーターは約400kWの出力をもつ内燃エンジンと同等のパワーに、1.6Lターボエンジンは先進的で持続可能な燃料を用いる、という。

 ドゥスマン氏はF1の新レギュレーションの発表により、アウディにF1参戦の絶好の機会が到来したと判断したと発言。2026年から適用されるテクニカルレギュレーションが、より高度な電動化と先進的かつ持続可能な燃料に焦点を当てていることを参戦理由としてあげた。また、チームに適用されている既存のコスト上限に加え、パワーユニットメーカーにもコスト上限が設定されること、2030年までにF1はカーボンニュートラルなレーシングシリーズになるという目標もポイントとなっているという。

 さらに、アウディ参戦の要件として「世界に認められている」「エモーショナルである」「先進的テクノロジーを搭載している」ことを挙げているが、こちらもクリアしているという。それは、F1は世界でもっとも知られたスポーツイベントのひとつで、中国やアメリカでも人気があり、ソーシャルメディアでは世界的人気のスポーツのなかでもっとも高い成長率を誇ること。マシンは世界でもっとも要求の厳しい電動レーシングカーのプラットフォームとして各社が注目していること、などが理由となるという。

「ドイツ製F1パワートレイン」は10年以上ぶり

 ハイパフォーマンスモデルやレースなどを手掛けるアウディスポーツが主導するこのプロジェクトは、本社からほど近いノイブルクにある最先端のコンペンス センター モータースポーツでパワーユニットを製造。

 ノイブルクにはF1エンジン用テストベンチだけでなく、モーターとバッテリー用のテストベンチもすでに設置された。現在、さまざまな準備作業が進行中で、年末までにすべての準備が整う予定となっているそう。さらに、パワーユニットプロジェクトの別会社まで立ち上げたという力の入れようだ。なお、F1プロジェクトにリソースを集中させるため、耐久レース用スポーツカーの開発を中断している。

 10年以上ぶりとなる「ドイツ製F1パワートレイン」の参戦、アウディは年末までにどのチームと提携してF1に参戦するかを発表することとなる。

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