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ミツオカ「バディ」はこうして作られる! 光岡自動車横野工場に潜入したらハンドメイドで丁寧に架装されてました

光岡ビュートの全塗装をしている様子

人気のミツオカ・バディは絶賛生産中

 2022年10月21日(金)、富山県富山市にある光岡自動車のミツオカ・ブランド生産拠点である横野工場がメディアに公開された。

 横野工場は、創業時からミツオカの生産拠点として、ミツオカの歴代車両の生産、そして霊柩車・搬送車などの生産もこなしている。現在はその生産工場以外に部品庫、ストックヤードも含め約2万1000m2の敷地面積を持つが、現在はその隣接地約1万6000m2をモータープールとして使用するために取得し、近いうちに3万7000m2の敷地面積を誇る工場となる予定だ。

一台一台が手作りで行われている

 工場を見て回ると、巨大な修理工場のようなイメージであることがわかる。というのも、このミツオカの工場は車両製造を行っているにもかかわらず、ロボットもなければ、車両が流れていくラインもないのだ。作業ブースがあって、そこにクルマが運ばれてくるという具合に一台一台が手作りといったイメージなのだ。

 車両は、ベース車両がそのまま入ってくるのだが、それを分解していくことから作業はスタートする。車両にもよるが前後バンパー、ボンネット、フェンダーといった外装パーツはもちろん、シートやインパネ、内張など内装パーツも外してフレームの状態にしていくことから始まる。この分解作業は車種にもよるが4~5時間はかかるのだという。

 ビュートの場合、ここから溶接作業が始まっていき、FRP製の外装パーツを組むこととなる。ただ、それぞれ車両の製品誤差もあるため、塗装の前段階でパテを盛ったりペーパーで削りながら微調整を加えていく。さらにそこから下地処理をし、塗装。この塗装工程の前の下処理で20数時間を要するとしている。ミツオカではカラフルなボディカラー設定をしているが、その調色についてもこだわりがあるようだ。

2022年の生産台数は830台を達成できる見込み

 塗装が終わると車両の組み立てとなるが、その、ぎ装(装備の取り付け)についても各個体に合わせてこまかな調整を行っていく。そして完成した車両の最終検査のPDI工程では、すぐにでも納車できるだけように、きっちりとした最終仕上げを行い、車両を送り出している。

 横野工場では数年前まで年間400~500台の生産がマックスだったというが、近年は「効率を上げながら愛情をこめて作っている」という。昨年の生産台数は770台の実績を持ち、2022年も830台は達成できるとのこと。この工場では現在90名ものスタッフが在籍するが、関係者は「好きでやっている職人が多い」と語る。

 今回の工場見学でも何台も製造中のバディも見られたが、この好調な受注を集めるバディについては、納期短縮のために横野工場以外に「三菱ふそうバス製造」と、神奈川県平塚市にある「トノックス」に製造委託すると、今年2月に発表があった。

 しかし、半導体不足の状況もあり、そのベース車となるトヨタRAV4の入荷が不安定ということで、現在は同じ富山市婦中町にある「三菱ふそうバス製造」に生産協力をしているとここで明かされた。

 バディでABSを使用した外装パネルを使うこととなり、製造の選択肢が増えたことになるのだが、今後もさまざまな状況を考えながらFRPとABSを使い分けていくことになるという。いまもっとも気になるのが、3世代にわたって生産がされてきたミツオカ・ビュートのベース車両となる日産マーチの国内販売が終了となったことだ。ミツオカの主力車種となるビュートが、次はどうなるのか? そのビュートのモデルチェンジについては近いうちに発表がありそうだ。

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