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200台のみのプジョー「205」が3000万円!? WRC参戦のためのホモロゲモデル「205 Turbo 16」とは

フロントマスクは確かに「205」であるが、ドアパネル以降にただならぬオーラが漂っている

日本でもエンスーに人気の高かった「205」

 プジョー「205」は、15年間という生産期間中に530万台が製造された、大ヒットモデルだ。とくに「GTI」は、ホットハッチという車種の代表ともいえるもので、日本でもプジョーというブランドの知名度を高めるのに貢献した。

プジョー「205」のホモロゲモデル

 プジョーはそんな205をベースとしたマシンでWRCへ参戦し、そこで16勝を挙げている。当時のWRCはグループBマシンで競われていたが、そのホモロゲーションを得るためには、同仕様のクルマを市販する必要があった。そこでつくられたのが、このプジョー「205ターボ16」である。

 もちろん、WRCで勝つためのマシンであるために、市販モデルの205とはさまざまな部分が違っている。というよりも、まったくの別物に205のボディを被せただけといったほうがいいだろう。

 ホモロゲーションの要件から200台がつくられたこの市販バージョンの205ターボ16は、Bピラー間にファイヤーウォールを設け、その後ろは鋼管スペースフレームとしている。

 そしてその部分に200psを発生するDOHC 16バルブの1.8L 4気筒ターボエンジンを横置きで搭載。つまり、リヤミッドシップレイアウトとしているのだ。

 トランスミッションは同じグループであるシトロエン「SM」用をベースとしたものとし、駆動はビスカスカップリング式4WDシステムとしていた。ボディはキャビンのみスチールで、その他の部分はケブラー製。大きく膨らんだリヤフェンダーには、オイルクーラーが装備されていた。

200台限定の貴重な個体

 今回RMサザビーズオークションに出品された個体は、1984年11月にフランスで納車されたものでシリアルナンバーは188/200である。その後この個体は、2004年7月になって、イギリス在住で25年以上プジョーに勤務していた現在のオーナーが購入。

 そのときの走行距離は3万8660kmだったそうだが、現在の走行距離は4万41km。この18年間で走った距離はわずか1400km程度だが、オーナーの整備はしっかりしていて、クラシックカーイベントなどにも参加しており、雑誌にも掲載されたことがあるという。さらに2021年8月にはプジョーの純正部品を使った整備が行われている。

 そんなプジョー205ターボ16のエスティメート(予想落札価格)は、18万〜22万ポンド(邦貨換算約2990万円〜3660万円)。かなりの高額ではあるが、もともとの台数の少なさやグループBカーのホモロゲーションモデルであること、そしてプジョーのプロが手を入れ続けてきたクルマであることを考えれば、こういうプライスもありなのか、とも思う。

 ちなみに、同オークションでは、日産「R34スカイラインGT-R V-Spec ニュル」が22万4250ポンドで落札されているので、いかに高額な値付けだったかがわかるだろう。

 気になるオークションの結果だが、オークション後にソールドとなり、価格は非公表となっている。

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