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昭和名車の合体「ハコトラ」復活! 「ハコスカ」顔の「サニトラ」のエンジンは伝説のチューナーが手掛けていました

通称「サニトラ」に「ハコスカ」の顔面を移植した「ハコトラ」

いま、再び愛される昭和車の魅力

 現在、懐かしの昭和車をベースにノスタルジックな雰囲気を再現しつつ、スポーティなモディファイを施すネオクラシックな旧車カスタムが流行っている。その中でもとくに熱いのが1970年代から80年代にブームとなった改造車。当時は、個性的なマシンが数多くストリートを駆け抜けていた。

「サニトラ」+「ハコスカ」=「ハコトラ」

 人気モデルをあげていけばキリがないが、その筆頭といえば間違いなく「ハコスカ」になる。そして大衆車として昭和世代にとって身近な存在として愛されていたのが「サニー」だ。

 サニーの中でも通称「サニトラ」(サニートラック)は、コンパクトなボディに丈夫なA型エンジンを搭載するトラックということで個人商店の配送車、ガソリンスタンドの小型ローリー車として大活躍。また、ガソリンスタンドには必ずといってよいほど改造好きな従業員がいて、ちょっとヤンチャな改造リメイクを楽しんでいたものだ。

 今回紹介するのは、そんなサニトラをベースに、当時の憧れだったハコスカのフロントマスクを再現したモデル。車両製作は千葉県柏市にファクトリーを構える「大一自動車ボディ」で、巷では通称「ハコトラ」と呼ばれている。

 ハコトラについて詳しい方なら知っていると思うが、かつて栃木県の「09 Racing」が作っていた。だが、今から5年ほど前に販売が終了され、もう二度と手に入らない物になってしまった。そんな状況の中で、たまたま大一自動車ボディが当時のマスター型を手に入れ、09 Racingの了承を得てハコトラキットとして再販売を開始したというわけである。したがって、このボディキットは憧れの09 Racing製とまったく同じ物といっていいだろう。

 キット構成はボンネット、バンパー、グリル、ライトフレーム、チンスポ、フェンダー、オーバーフェンダーからなる7点セット。その価格は54万円ということだった。ただし、GT-Rエンブレムやコンビネーションランプ、ヘッドライトやメッキ製のヘッドライトリングはオプションに設定になっている。

 また、この大一自動車ボディが手掛けたハコトラの凄いところは内装もハコスカ仕様になっている点だ。外装と同じく、内装もハコスカと同形状でダッシュボードをFRPで作り込み、そこに各種メーターが収まるようにしている。素材がFRP製なので純正サイズのメーター以外にも社外メーターも寸法を合わせてセット可能。この点については、改造好きにとっては都合の良いポイントになるはずだ。ちなみに、この内装キットの価格は近日公開予定ということだった。

白鳥雅人氏が組んだ珠玉のエンジン搭載!

 さらに、大一自動車ボディが手掛けたハコトラの凄さは外装キットだけではない。じつはエンジンは、A12型エンジンからA14改1568ccにスープアップさせたパワーユニットを搭載している。しかも、そのエンジンはかつて関東のストリートゼロヨン会場で敵なしと言われた伝説のプライベートチューナー、白鳥雅人氏が手を加えたエンジンというから驚きだ。

 具体的な仕様はA15改ゼロヨンポートで、ソレックスは44φ、2.5mm面研、ワイセコ鍛造ピストン、イスキートリプルバルブ、軽量ロッカーアームをセット。その特性は、太いトルクとパワーを稼ぎ出しながらも、耐久性の高いタフに使えるパワーユニットして作り込まれている。

 足まわりについては現在のところフロントがAE92用ショート加工ショックにリーフスプリング逆組み+ブロックの組み合わせ。今後はエアサス化やCノッチ加工も検討中という。

 ハイパワーなクルマを効率よく走らせためには駆動系の強化も重要。この大一自動車ボディのハコトラでは、トランスミッションを5速に載せ替え、AE86用LSDを装着、ファイナルギアはニスモ製を選択し、マーチRクラッチディスクにバネット用360kgクラッチカバーを組み合わせてセット。パワーに対応させるだけでなく乗りやすさや扱いやすさも同時に追求している。

 普通のサニトラでは面白味がない。サニトラは改造してイジってこそ面白くなるクルマだ。この大一自動車ボディのハコトラは、そのイジリ方もマニアックで魅力にあふれている。カスタムカーというよりは、昔ながらのチューニングカーとしてのカッコ良さを追求しているように思える。

【問合せ】
大一自動車ボディ
所在地:千葉県柏市逆井字浅間前8-1
TEL:04-7175-9800
https://www.daiichi-hakotora.com/

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