上質な物件はどんどん減少していく
依然として続く中古車の価格高騰。とくにスポーツカーは元々のタマ数が少ないうえ、絶版で後継モデルが存在しないケースもあり、新車を大きく超えるプライスも珍しくない。昔ならチューニングされたクルマはできる限り避け、ノーマルの無事故車を買うのがセオリーだった。
しかし歳月を重ねるほど市場に流通する個体は減り、生産終了から時間が経てば純正パーツの入手すら困難になる。細かなアラが気になり躊躇していたら先を越され、次に見つかったのはそれ以下のコンディション。そんな悔しい思いをせず、素晴らしいカーライフをともにする相棒との出会いを逃さないためにも、中古チューニングカーを買う際の「ココだけは気を付けろ！」的な要点を考えてみたい。
大幅に錆びている個体は避けるべし
まずはカスタムしているかしていないかに関係なく、ボディの大きな錆びはリペアに結構な手間が必要だ。いったん丸裸にして作り直すくらいの覚悟があれば別だが、フロアやフレームの腐食が酷いクルマは手を出さないほうが無難。素人の目で判断するのはなかなか難しいかもしれないが、いい加減に修理した事故車も同じ理由で避けるべきだ。
どのように手が加えられてきたのか分からないのもNG
次はチューニングの履歴がハッキリしないクルマ。といっても吸排気系やサスペンション程度、つまりライトチューンならとくに問題はない。注意すべきはエンジンの内部まで手が入ったようなクルマで、どこのプロショップでいつ作業したのか不明だったり、使っているパーツのブランドやスペックが分からなければ、リセッティングやメンテナンスを他店で敬遠される。さらに、ふたたび手放すとき査定がガクンと下がる可能性が高いのだ。
長く乗るために部品が安定して確保できるかも重要
次は補修パーツがあるかどうか。ブレーキキットや車高調が付いてお得と思いきや、パーツ自体が旧モデルでオーバーホールすらできず、すぐに新品を買い直すハメになっては無意味だ。
ただしブレーキパッドだけならメーカーに送る手間はかかるが貼り替えで対応でき、カートリッジ式の車高調であればサイズの合うダンパーを探して交換も不可能ではない。
いずれにしろ契約前に行きつけのプロショップで調べてもらったり、メーカーに問い合わせるなどある程度リサーチしておきたい。
元に戻しにくいハードなクルマは避けるべし
最後はノーマルに戻すことができない、あるいは相当な手間を必要とするクルマ。とくにエアコンやパワステを外すような快適性を損なうチューニングは、純正パーツがひとつ残らず揃っており復帰が比較的カンタンな場合か、サーキット専用車にでもしない限り後悔すると思われる。