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昭和の少年たちの心を鷲づかみした「クルマ漫画」を振り返る! スーパーカーやチューニングのブームを起こしたマンガとは

サーキットの狼ミュージアムで撮影したロータス ヨーロッパ、ポルシェ911RS、ディーノ246GT

クルマ好きの世界に引きずり込んだ漫画を紹介

 今も昔も幼少期に目にしたものは鮮明に残っているもの。とくに漫画などは今でもその影響を受けているという人も少なくないのではないだろうか?

 そんな漫画だが、クルマにまつわる作品も多く存在している。近年でも『頭文字D』が爆発的な人気作品となった。それまでは安価で練習用車両として扱われることが当たり前だったAE86型スプリンタートレノ/カローラレビンが一気に人気車種となり、高値で取引されるようになるなど、影響力は少なくないのだ。

 そこで今回は昭和に連載され、アラフィフ世代の多くをクルマ好きの世界に引きずり込んだと言われる漫画作品を何点かご紹介しよう。

サーキットの狼

 1975年に連載をスタートさせた、クルマ漫画の元祖とも言える存在が『サーキットの狼』だろう。当時は実車が登場する作品も珍しかった時代だが、登場するのは馴染みのある国産車ではなく、海外のスーパーカーと言われるモデルが中心というのもまた衝撃的だった。

 結局、サーキットの狼がのちのスーパーカーブームの火付け役とも言われている。作中ではいくつか突飛なものはあったものの、基本的にはリアリティを追求した走りがメインとなっていた点も当時は特徴的なものとなっていたのだった。

 サーキットの狼に登場する代表的な車種と言えば、やはり主人公の風吹裕矢が乗るロータス ヨーロッパスペシャルだろう。パワーはそこまでではないものの、高いコーナリング性能で大排気量車を相手に互角以上の戦いをするシーンなどは、現在のクルマ漫画においても主人公格のキャラクターに与えられる定番のキャラクターとも言えるのだ。

よろしくメカドック

 スーパーカーブームを作ったサーキットの狼に対し、身近な国産車を中心とし、よりリアルなクルマのメカニズム面などにもフォーカスを当てた作品と言えるのが、1982年に連載を開始した『よろしくメカドック』だ。

 主人公の風見潤はチューニングショップのメカニック兼ドライバーであり、登場する車種も当時人気を博していた新型車や、中古車(今の感覚で見ると旧車だが、当時は10年落ち以内)が中心。チューニングの解説ページなども設けられるリアルなものとなっていた。

 物語後半になると架空のレーシングカーが中心の話となってしまうが、連載当初はセリカXXをベースにツインターボ化やNOSを搭載した車両のほか、初代CR-Xをベースにターボエンジンをミッドシップに搭載したマシンが登場。さらに、後輪駆動化した「CR-Xミッド」、Z31フェアレディZをベースにツインターボ&4WD化した「グレーサーZ」など、印象的な車両が多いだけでなく、ライバルの車両もまた個性的なチューニングカーが多かった。

シャコタン☆ブギ

 厳密に言えばクルマ漫画ではないかもしれないが、主人公のハジメが乗るソアラに憧れた(衝撃を受けた)人も多いであろう『シャコタン☆ブギ』は、1986年に連載がスタートした作品。作者はのちに「湾岸MIDNIGHT」シリーズを手掛けている。

 当初は高知県を舞台とし、クルマと女の子が大好きな若者の青春群像劇といった作品だったが、後半になるにつれ、クルマ漫画的な要素が強くなった作品となっている。

 そんなシャコタン☆ブギでもっとも知られているのが、ハジメの愛車である初代ソアラだろう。作品名の通り、シャコタンに改造されてド派手な2トーンカラーと「67」のゼッケンが印象的な1台だが、作中でエンジンをスカイラインGT-Rに搭載されたRB26DETTに換装するなど、走り仕様への路線変更がなされていた。

 それ以外の登場車両もハコスカやS30Zなど、今では超が付くプレミア価格の車両たちだが、どれも当時の「グラチャン仕様」と言われるヤンチャなカスタマイズが施されており、モータースポーツ色の強い最近のクルマ漫画とはひと味違うものとなっている点も面白い。

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