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日本車が「エッセンモーターショー」を席巻!? ドイツのカスタムカーの祭典がコロナ禍以降初となる制限なしで開催されました

日本の痛車とも異なるテイストのカラーリングが施されたGRスープラ

2022年は制限なく開催されたドイツ伝統のカスタムショー

 粉雪が舞い、街がクリスマスの美しいイルミネーションに包まれる12月。ドイツ北西部にあるエッセン市で行われた「エッセンモーターショー」に行ってきました。

 1週間にわたり開催されるショーには、ドイツ国内からはもちろんのこと、近隣のオランダ、ベルギー、ルクセンブルグなどからも多くの来場者が訪れて賑わいます。

第二次世界大戦からの復興とともに自動車人気が爆発

 2020年は新型コロナウイルスで中止を余儀なくされ、2021年には出展社やファンの強い要望に応えて開催にこぎつけたものの、入場にはワクチン接種証明や陰性証明が必要とされるなど、厳しい制限下での開催に。今年はやっとさまざまな制限が全面解除となったこともあり、早朝から入り口前で開場の時をいまかと待つちびっ子からシニア世代まで数多くの来場者に熱気にあふれていました。

「エッセンモーターショー」の第1回目が開催されたのは1968年。元々は「インターナショナル スポーツ&レーシングカー展示会 エッセン」という名前だったようですが、時代とともに名称や形態が変わりつつも、クルマ好きを魅了し続け、2022年のいまもその人気は衰えを知りません。日本で開催されている東京オートサロンに近い感じでしょうか。

 ドイツも日本と同様に第二次世界大戦後の復興期を経て、経済高度成長期から少しずつ人々の生活が豊かになるに連れて一般庶民にマイカーブームが起きました。新車は非常に高価でしたので、若者たちは中古車を買って仲間とともにクルマをいじり、草レースへの参加者増加と同時にチューニングブームも起きます。いまや世界一流のホイールメーカーとなったBBSだけでなく、メルセデスAMG、BMW Mなどハイパフォーマンスカーも続々とこの時期に誕生しました。「エッセンモーターショー」はクルマ好き、モータースポーツ好きにはたまらないモーターショーとなり、いまに至るまでドイツのクルマカルチャーのひとつとして毎年の伝統行事のひとつとなっています。

ドイツでも旧車が大人気で関連の出展が増えている

 そのため、いまも多くのホイールやパーツメーカー、ドレスアップ用のブランドが出展をしています。その一方で日本と同様に昨今の旧車ブームもあり、クラシックカーが並ぶ展示ホールも人気で、その展示数は年々増えているのではないかと感じます。

 旧車オーナーの困りごとのひとつであるパーツや工具、取扱説明書類、また鍵の複製ショップなど、かゆい所に手が届くショップも出展しているので、観ているだけでも楽しいですね。なかにはビックリな価格の旧車も多々ありますが、レプリカながら意外と手に入れやすい価格帯の車両も並んでおり、旧車をちょっとかじってみようかな? と思っている方には魅力的でしょう。

 また、旧車とは全く逆のパターンですが、現代を象徴するように電気自動車の展示も随分と増えており、とくにテスラの展示が目立っていました。しかし、電気自動車をドレスアップやチューニングするのは容易ではなく、内燃系よりもずっと大人しめな印象。ですが、ホイール変更やラッピング、内装などは十分カスタムして個性を出せそうです。今後、電気自動車が増えるにあたり、オシャレパーツの発売に期待したいですね。

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 2022年はアパレル系とクルマのドレスアップがコラボしたショップが増えていた気がしました。キャップやTシャツ、パーカー、キーホルダーなどのアクセサリ類はとくに若い来場者に人気で、どのブースでも長蛇の列を作っていたほど。ドイツも日本と同様に、若者の自動車離れが話題に上がるだけに、お気に入りのアパレルからクルマにも少しずつ興味を持つようになってくれると、クルマ業界の未来も少しは明るくなるのではないでしょうか。

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