サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

「ハコスカ」から「ホンダZ」に乗り換えた理由とは? 旧車好きオーナーに360ccの魅力を聞きました

1974年式ホンダZ GTとオーナーの太田好人さん

「富士サンロクミーティング2022」会場から気になる360cc軽を紹介

 数ある360cc軽自動車の中でも、水中メガネの愛称で知られる「ホンダZ」は、ひときわスタイリッシュなミニマムトランスポーターだ。軽自動車初のスペシャルティカーとして語られることもあり、いまでも数多くのファンを獲得している。

想像以上にスムーズな走りで長距離もOK

 1970年に登場したホンダZの初期モデルは、空冷直列2気筒SOHC 4ストロークエンジンをはじめとするメカニズムをホンダ「N III 360」と共用していた。やがて1971年にN III 360が「ライフ」へとバトンタッチし、ホンダZもライフをベースとするようになってからは、水冷直列2気筒SOHC 4ストロークエンジンを採用し、それと同時にホイールベースが80mm延長。1974年まで生産されていた。

 コンパクトを極めつつスポーティな雰囲気を醸し出す、ユニークなスタイリングの360ccカーを愛用している太田好人さん(56歳)は、1974年式のホンダZ GTを2010年に購入した。やはり小さなボディが愛車の魅力であり、一番好きなところなのだという。

「人生初の旧車はハコスカで、公認を取った2000GTのR仕様に乗っていました。20年ぐらい前の話です。このハコスカは、仕事が忙しくなって40歳ぐらいのときに手放してしまいました。そこから3~4年経って、また旧車に乗りたくなり、名古屋にホンダZ GTの売り物があると聞いて、自宅が北陸地方なのでそれなりに遠かったのですが、試乗しに行ってみました。ドライブしてみたらイメージとは異なり、思いのほかスムーズに走ったので、その場で購入。北陸地方まで乗って帰りました」

できるだけオリジナル状態をキープ

 オーナーの太田さんによると、ホンダZ GTはできるだけオリジナル状態をキープできるようなスタイルで維持管理しており、さほど手を加えていないのだという。

「改善した部分を挙げると、燃料ポンプを交換したぐらいです。キャブレターは自分でオーバーホールしましたが、あまり上手くできませんでした。ちゃんと走れないと面白くないので、知り合いを通じてスペシャリストに調整してもらったらバッチリになりました」

朝霧高原のイベントまで北陸から仲間と4台で自走参加

 今回の取材は360cc時代の軽自動車ばかりが集結した2022年11月6日の「富士サンロク(FUJI36)ミーティング」にて行ったが、太田さんはイベント会場となった静岡県富士宮市にある朝霧高原ドライブインもちやの駐車場に向け、1泊プランで前日から走り出したと話してくれた。

「北陸地方に住んでいる360cc仲間と合流し、4台編隊で富士宮市を目指しました。もちやには初めて来ましたが、大阪や神戸で開催された360ccカーオンリーのミーティングには参加したことがあります。この季節はノーマルタイヤで夜の山坂道を走ると凍結した路面に遭遇する可能性があり、かなり怖いので、帰りも1泊します。ということで、ホンダZ GTをパートナーとした2泊3日の旅になりますね」

 1981年に設立されたステップバン・オーナーズクラブの「LOVESTEP!」が主催している富士サンロクミーティングは関東のみならず各地の360cc乗りによく知られているイベントで、太田さんのような熱心なオーナーが全国から駆けつけるのであった。次回のイベントでもきっと、北陸地方のナンバープレートを付けたホンダZ GTの雄姿を確認できることだろう。

モバイルバージョンを終了