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第2世代「スカイラインGT-R」に永く乗り続けるための「エンジン」と「ボディ」の最新情報をお教えします!

GT-Rの最新リフレッシュ手法をレポート

 2022年10月30日に富士スピードウェイでR’s Meeting2022が開催されました。会場ではさまざまなパーツメーカーやショップがGT-Rに関する出展を行っていました。そこでAUTO MESSE WEB編集部が気になったGT-Rのチューニングやメンテナンスを紹介していきます。今回は第2世代GT-Rを中心に、大切なGT-Rと長くカーライフを共にしていくのに役立つ情報をピックアップ。GT-Rの最新リフレッシュ手法をレポートします。

TOMEIパワード

 日産系エンジンを得意とし、レーシングエンジンやエンジン本体のチューニングパーツを展開しているTOMEIパワード。今回のR‘s Meetingでは自社パーツを組み込んだR32とRB26本体を展示。さらにブースの奥では使用済みのエンジンブロックやピストンなどのエンジンパーツが展示されていました。

 今回、使用済みのエンジンパーツを展示した狙いとして、エンジンの現状を知ってもらいたいからとのこと。TOMEIパワードにはリフレッシュやチューニング、あらゆる希望のオーバーホールの依頼があるとのことですが、多くのユーザーはブロックなどの基本的なエンジンパーツはそのまま使えると考えている人が多いそうです。

 しかし、展示されているブロックのようにクラックが入り、再使用できず交換が必要になることもあります。現状オーバーホールでTOMEIパワードに入ってくるエンジンの約半分はブロックの再利用ができないとのこと。そんなRB26の現状を知ってもらうために、ダメージを受けたエンジンパーツの展示を実施したそうです。

 ピストンも純正N1とTOMEIパワードの鍛造品を展示。TOMEIパワードの鍛造ピストンの気密性の高さが分かるため、オーバーホールを考える人にとって、とても参考になる資料となっていました。

 TOMEIパワードの考えとしては、今後10年は第2世代GT-Rに乗っていくのであれば、オーバーホールをオススメしているとのこと。イチオシはスタンダードな仕様である、スタンダードブロック(精度の向上により、N1ブロックでなくてもOK)を用意し、86.5mmのピストンでボーリング加工をし、カムを変更するというプラン。

 展示していたR32には、これに近い仕様のエンジンを搭載。約15年前にオーバーホールした15万km走行の550ps仕様とのことですが、現状トラブルもなくパワーダウンもしていないとのこと。きっちりと組み、日ごろからオイルや冷却水の管理を徹底していれば、壊れず快適なRB26を楽しめるそうです。

SHIBA TIRE

 R31スカイラインを得意とするショップ「R31ハウス」を運営している柴田自動車。近年はオリジナルブランドのタイヤであるシバタイヤを販売し、SNSを中心に話題となっています。今回のR‘s Meetingでは自社のタイヤとレストアから仕上がったばかりというmeronさん所有のR33を展示。

 しかし、現状のGT-Rユーザーにとっての注目は、3Dプリンターで作られたパーツたち。柴田自動車では新たな取り組みとして3Dプリンターでのレストアパーツを展開していくとのこと。現在の3Dプリンターは精度が高く強度的にも(ピストンも対応可能)問題がないそうで、パーツ製作に金型も必要ないためレストアにうってつけで、特に複雑な形状のパーツ製作に向いているそうだ。

 自身が納得できるタイヤが欲しくてタイヤを作ってしまった柴田社長。それだけで行動力溢れる方であることは誰もが想像できるところですが、今回の3Dプリンターでのレストアパーツ開発も同じ。宇宙ステーションの中で必要なパーツを3Dプリンターで現地製作しているのを知り、「コレしかない!」と思った熱き思いをブログに投稿している。

 その投稿を見たNTTデータサムテクノロジーズからお声がけがあり、今回のタッグが実現したそうです。
今後はR31やR33に限らず、歴代スカイラインを中心にあらゆるパーツを3Dプリンターで展開していきたいとのこと。錆びや事故で交換が必要になった金属パーツで困ったことがあっても、今後は3Dプリンターが救う時代がすぐそこまで来ているかもしれません。

これからもGT-Rとのカーライフを楽しむために

 GT-Rと聞くとひと昔前ならばハイチューニングが定番というイメージがありましたが、近年は中古車相場が高値になっていることもあり、大切にキレイにして維持していきたいというニーズも多くなっています。そんなニーズをくみ取ってか、レストアに関するプランやパーツの展示も目立った印象となっていたのが今回のR‘s Meetingでした。

 純正部品の製造廃止などがあるかもしれませんが、展示内容を振り返るとレストア技術の進化によりこれからもGT-Rとのカーライフを継続していくのは、決して高いハードルではないと思わせるものだったと言えます。

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