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2023年「生誕50周年」の国産車は? 「セリカLB」「ケンメリGT-R」など2リッター以下のスポーツカーの当たり年でした

1973年トヨタ・セリカLB 2000GT

誕生50周年を迎える国産車とは

 19世紀末にクルマが“発明”されて約130年。ここ数年は「100年に一度の変革期」とのフレーズが氾濫していた気もしますが、新年を迎えたのを機に50年前のクルマ……まずは国産車を振り返ることにしました。

2リッター以下のスポーティなクルマがたくさん生み出された

 太平洋戦争の終戦を敗戦国として迎えたわが国のモータリゼーションは、1950年代の初めに純国産を目指したトヨタと、オースチンやヒルマン(ともにイギリス)と技術提携した日産といすゞの各社がけん引する格好で大きな進歩を始めることになりました。

 その後1950年代後半(昭和30年代)からは高度経済成長もあり乗用車生産も倍々ゲームで増えていき、それが高度経済成長を下支えする好循環を繰り返していきます。車体もエンジン排気量もより大きなものへとユーザーのニーズがシフトしていき、結果的にスポーティなモデルが続々登場してくることになりました。

 今から半世紀前、1973年に登場したモデルはそんな一面を持っていたのです。ただし自動車税が高価で、1989年に改定されるまで、3ナンバー車は排気量が3L以下でも8万1500円と現行料金体系2.5L以下で4万5000円、3L以下で5万1000円に比べてはるかに高価であり、大排気量/ハイパワーと言ってもマーケットにおいては、エンジン排気量が2L以下の、いわゆる5ナンバー車が圧倒的多数を占めていました。

 こうした時代背景であった1973年にデビューしたモデルとしては、1月に登場した日産バイオレットと2月に登場した三菱ランサー、そしてともに4月に登場したトヨタのセリカ・リフトバック(LB)とパブリカ・スターレットなどが挙げられます。

日産バイオレット

 バイオレットは、これがまったくのブランニューモデルでしたが、現実的には4代目ブルーバード(510系)の後継モデルという位置づけです。5代目となるブルーバードU(610系)がアッパーミディアム・クラスへとサイズアップしたことで空白となったミドル・クラスのセダンとしてデビュー。

 710系というタイプネームがそれを証明しています。もう少し具体的にメカニズムを紹介していくと、510系のそれを流用したプラットフォームに2/4ドアセダンと2ドアハードトップ、3種のボディを架装し前後サスペンションも510/610系から流用したマクファーソン・ストラット式とコイルで吊ったセミトレーリングアーム式。ただしトップグレードのSSS系以外ではリアサスペンションはリーフリジッドにしてコストカットが図られていました。

 搭載されたエンジンは直列4気筒SOHCのL14とL16で、SSS系では1595cc(ボア×ストローク=83.0mmφ×73.7mm。最高出力は115ps)で、電子制御式燃料噴射装置を組み込んだL16Eが搭載されていました。ブルーバード510系の後継モデルらしくラリーでも活躍し、1977年のサザンクロスラリーでラウノ・アルトーネンが優勝を飾っています。

三菱ランサー

 1カ月後にデビューした三菱ランサーも、バイオレットと似たような誕生の経緯がありました。つまりミドル・クラスの初代コルト・ギャラン(A53/54系)がモデルチェンジによってアッパーミディアム・クラスの2代目ギャラン(A112/114/115系)へとサイズアップ。これを受けて登場したミドル・クラスのセダンでした。

 さらにランサーの場合は2年前に登場していたギャラン・クーペFTOのセダン版、との意味合いもあったようです。メカニズム的にはやはり2代目ギャランやFTOから転用されたコンポーネントが多く、サスペンションはコンベンショナルなマクファーソン・ストラット式とリーフリジッドの組み合わせで、搭載されたエンジンは1.2LのOHV(ネプチューン)と1.4L/1.6LのOHC(サターン)で、半年後に追加設定された1600GSRでは1597cc(ボア×ストローク=76.9mmφ×86.0mm。ツインキャブを装着して最高出力は110ps)の4G32、通称サターンエンジンを搭載していました。

 これもまたバイオレットと同様ですが、ランサーもラリーで活躍したイメージが強いモデルでした。1973年に挑んだサザンクロスラリーではデビューイヤーながら1-2-3-4フィニッシュを飾るなどライバルを一蹴。1976年まで4連覇を果たしました。

 またデビューした1973年から始まった世界ラリー選手権のサファリでは、ジョギンダ・シンが見事初優勝。1976年には1-2-3フィニッシュでマイスターぶりをアピールしています。

トヨタ セリカLB

 1973年の4月6日に登場したトヨタのセリカLBは、ノッチバックの2ドア・ハードトップ・クーペのセリカをベースに、ハッチゲートを設けたファストバックの3ドア・ハードトップ・クーペでした。ベースモデルの登場から2年半後に追加設定されたLBの最大の特徴はやはりテールに設けられたハッチゲートでしょう。

 のちに一世を風靡することになるステーションワゴンとは異なり、ハッチゲートの見切り線はテールパネルの上にあり、バンパーレベルから開けることはできませんでした。そのため、重いトランクなどを積み込むのはある意味“重労働”だったのです。しかし、リアシートのシートバックを前方に倒しこむことで、広々としたカーゴスペースが広がることで、シューティングブレークのような使い方も可能としていました。

 メカニズム的にはベースとなったクーペに準ずるもので、サスペンションもフロントがマクファーソン・ストラット式で、リアはリジッド式ながらラテラルロッド付きの4リンク式で、リーフスプリングではなくコイルスプリングで吊るタイプが組み合わされています。

 ボディサイズは全長4215mm×全幅1620mm×全高1280mmとホイールベースが2425mm、で、ベースとなったクーペとはホイールベースは同じながら3サイズでは50mm長く20mm広く、そして30mm低いのが特徴です。

 搭載されたエンジンは1.6L直列4気筒の2T系に加えて2L直列4気筒の18R系が用意されていましたが、これはクーペに比べて70kgほど重くなっていたことに対処したもの。もっともパフォーマンスの高い18R-Gは直4ツインカムの1968cc(ボア×ストローク=88.5mmφ×80.0mm)で、最高出力は145psを発生しています。

 セリカLBは、クーペほど多くのレースに出場したわけではありませんが、1973年の富士1000kmには2T-Gにターボを装着したスペシャルエンジンを搭載したセリカLBターボが参戦。300psのパワーと優れたサスペンション/シャシー性能と相まって雨の中トップを快走し、見事総合優勝を飾って大きな話題を呼んでいました。

トヨタ パブリカスターレット

 LBの5日後に発表されたトヨタのパブリカ・スターレット(KP40系)は、その名の通りトヨタの大衆車、パブリカに追加されたグレードでスタイリッシュな2ドアクーペです。当時のパブリカは1969年に登場した2代目のKP30系でしたが、パブリカの名を初代モデルから継承していたものの、カローラに搭載されていた1.1L水冷直列4気筒OHVのK型から派生した2Kエンジンを搭載するなど、ミニ・カローラと化していました。

 その2代目パブリカの追加モデルとして誕生したパブリカ・スターレットは、マクファーソン・ストラット式とリーフリジッドを組み合わせたコンベンショナルなサスペンションなどカローラとパブリカに倣ったパッケージ。ボディサイズは全長3790mm×全幅1530mm×全高1335mmとホイールベースが2265mmで、これはいずれもカローラとパブリカの間となる数値です。

 搭載されたエンジンは1166cc(ボア×ストローク=75.0mmφ×66.0mm。最高出力はシングルキャブの3K型で68ps、ツインキャブの3K-B型で77ps)のほかに、1Lのベースグレードとして2Kエンジンも用意されていました。スターレットと言えば思い起こされるのがレースオプションのツインカム16バルブ・ヘッドを組み込んだ137Eエンジン、通称“3K-R”を搭載したレース仕様です。

 富士グラン・チャンピオン(GC)シリーズのサポートレースとして人気を呼んでいた富士マイナー・ツーリング(MT)レースでKB110サニーを圧倒するパワーを見せつけていた印象が強烈で、今でも記憶にも鮮明に残っています。

「オーバーフェンダー」でスピードをアピールした3台

 こうした新機軸のニューモデル以外にも、1973年には日産スカイラインGT-Rの2代目、KPGC110の“ケンメリ”や日産チェリーのホットモデル、クーペX-1R、あるいは三菱ギャラン・クーペFTOのトップモデル、1600GSRなどが登場しています。この3車種の共通ワードは“オーバーフェンダー”でスピードをアピールすること。

 そうした一方で、北米のカリフォルニアでは、クルマの排気ガスによる大気汚染が問題となり、世界中のメーカーが公害対策に取り組むようになった現実もあります。マスキー法案の排気ガス規制を、世界で初めてクリアしたホンダのシビックCVCCや、その原点となったライフの派生モデルとしてステップバンのトラック・モデル、ライフピックアップなども1973年に誕生していますが、そちらの詳細は、また別の機会にお伝えしましょう。

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