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「踏み間違い」や「急発進」の事故を防ぐには? 経産省が「サポカー」の試乗会を開催する理由を聞いてみました

ブレーキやペダルの踏み間違い急発進抑制装置が作動中のスズキ・ソリオ

経済産業省が主催する「サポカー実感試乗会」が2月26日に開催

経済産業省が主催する「サポカー実感試乗会」が2023年2月26日(日)に、テレビ埼玉の運営で埼玉県・アリオ上尾の駐車場で開催された。「サポカー」とは、先進安全技術でドライバーの安全運転を支援してくれる「セーフティ・サポートカー」の略称。そして衝突被害軽減ブレーキ、ブレーキやペダルの踏み間違い急発進抑制装置などを搭載したクルマは「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」と呼ばれている。このサポカー/サポカーSの普及啓発のために行われたのが今回のイベントである。

メーカー3社とアフターマーケット2社が体験試乗に協力

今回のサポカー実感試乗会にも参加した経済産業省・福永氏は今回の試乗会について次のように語ってくれた。

「サポカーを多くの方々に体験いただいて、そうしたクルマの安全性を確認してもらい、交通事故の防止や自動車メーカーの開発を支援するといった意義があります。高齢者はもちろんですが、若い方々にも乗って体験していただくとともに、親世代の方々にも勧めていただければと考えております」

昨今報道されることの多い、高齢者のペダル踏み間違い事故などを受けてのサポカーの普及啓発という趣旨を含んだこのイベント、その趣旨に賛同したホンダ、ダイハツ、スズキの自動車メーカー3社と、アフターマーケットでの急発進抑制装置等の販売を行うサン自動車、データシステムの2社が体験試乗に参加した。

またNPO高齢者安全運転支援研究会による勉強会や、埼玉県警による「GT-R」や「クラウン」などのパトカーと白バイの展示も行われた。ちなみにパトカーは運転席に座って写真を撮ることもできたため、来場したお子さん連れも喜んでいたようだ。

自動車メーカーは衝突被害軽減ブレーキ、急発進抑制装置の体験試乗

さて実際の試乗だが、自動車3メーカーは衝突被害軽減ブレーキや急発進抑制装置の体験試乗を実施。それぞれが体験試乗のためのパネルなどを持ち込み、インストラクターが運転して参加者は助手席に座る同乗試乗という形となっていた。ただ同乗するだけでなく、ドライバーがアクセルやブレーキが今どういう状態かなど、ふたつの機能を丁寧に説明しながらの試乗となっていたので、今まで漠然としか理解していなかった両機能をしっかり知ることができた、という方も多かったようだ。

試乗車を運転したインストラクターの方に伺って面白かったのが、参加者には前車追従など運転支援の機能は使ったことがあるが今回の試乗のふたつ、とくに衝突被害軽減ブレーキに関しては、自分のクルマで試す(使う)機会がなかったため初体験の人が意外に多く、体験できて良かったとの感想もあったそうだ。

たしかに自身のクルマで意図的に、壁などに向かって機能のテストをすることは危険であり、リスクを背負ってまで試すものではないため、こういった体験試乗でその機能を確認できるのはオーナーにとっても有意義なことだろう。

今乗っているクルマにも後付けできる急発進抑制装置

アフターマーケットメーカーの試乗コーナーは、基本的にアクセルの信号をバイパスして制御する方式(その他にも総合的な制御がなされる)の急発進抑制装置の同乗試乗。ドライバーが急発進をシミュレートしたアクセル操作を行っても、エンジンの回転があがらず急発進しない状態(アイドリング回転はしているので多少のクリープはある)を実際に体験することができた。

同じ急発進抑制装置でも、学習モードであったり5段階のモード設定であったりとメーカーの思想によって少しずつ違う点もあるので、同時にふたつのメーカーの動作を体験できたのは有意義だったことだろう。ちなみにこちらの試乗では、機能が付加された新車を購入する予定はないが、急発進抑制装置に興味があるという一般ユーザーの試乗も多かったようだ。

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連日のようにニュースで流れる運転操作ミスによる自動車事故は、高齢ドライバーはもちろん、若年層でも起こりうる身近なリスクだ。まずは最先端のサポカーの機能を実際に体感することで、今後のクルマ選びにも大いに参考になるだろう。近くでサポカーの試乗会が開催されたら、ぜひ一度は参加してみることをお勧めしたい。

■経済産業省の「サポカー」ホームページ
https://www.safety-support-car.go.jp

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