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トヨタ「シエンタ」は愛犬にとっても優しい? ほんとにドッグフレンドリーかプロが検証しました

2022年8月にフルモデルチェンジを行ったトヨタ・シエンタ

愛犬家には嬉しいドッグフレンドリーな1台

3代目となるトヨタ・シエンタのTVCMでは、ミックス犬、ちょうじゅろう君が登場。2022年8月23日、東京・ららぽーと豊洲の中庭シーサイドデッキにて開催されたプレス向けの発表会でも、愛犬家ゲスト、タレントのトークショーが行われ、TVCMに出演しているミックス犬、ちょうじゅろう君が“ワンバサダー”として登壇。カタログを見ても“家族の相棒”としての愛犬家に向けたアピールがハンパない。つまり、ドッグフレンドリーカーとしても売りたいということになる。ここではあらためて、シエンタがドッグフレンドリーなのか検証してみた。

5ナンバーサイズのまま正常進化を遂げたシエンタ

ギア感あるデザインにまとめられたボディは5ナンバーサイズのままで、全長、全幅ともに「誰もが運転しやすかった」先代と変わらず。全高のみ、スライドドアからの乗降性や室内頭上空間のさらなるゆとりのために20mm高くなっている(室内高も先代+20mm)。

インテリアは一気に大人っぽく、上質になった。インパネ、ドア内張りの一部を質感ある布張りとするなど、上質なシート地と合わせ、かなりシックで上級感あるリビング感覚が演出されているのだ。ちなみにミニバンの特等席となるフルフラットフロアの2列目席の居住性も向上している。何しろ全長、ホイールベースをそのままに、1-2列目席間距離=カップルディスタンスは先代比で80mmも増しているのだ。そのぶん、3列目席のニースペースは減少しているのだが……。

もちろん、ミニバンならではの3列シート仕様に加え、先代シリーズ途中に加わった2列シート仕様も用意。ただし、先代のようにFUNBASEとは呼ばず、シエンタの2列シート仕様……という位置づけとなっている。

スライドドア部分のステップ地上高は330mmと愛犬に優しい

さて、愛犬をテーマにしたとも言える新型シエンタだが、実際のドッグフレンドリー度はどうだろう。まずは愛犬の特等席にもなる2列目席の犬の乗降性は、先代同様にスライドドア部分のステップ地上高は330mm(E-FOURは+20mm)と素晴らしく低く、フロアと段差なし。小型犬でも楽々乗り降りできる高さとなっている(小型犬なら抱っこで乗せると思われるが)。

キャプテンシートの設定のない2列目席のシートサイズはシートクッション長500mm、シート幅1300mmとたっぷり。大型犬が横になる、キャリーケースを固定する……という場面でも、これならOKだろう。フロアからシートクッション先端までの高さも325mmと低めで(人のかけ心地としてはちょっと低い)、フロアからシートに飛び乗るのも容易なはずだ。また、1列目席はセパレートシートのため、前席の飼い主が後席の愛犬にアクセスするのも楽。車外に出る必要がないのも嬉しいポイントだ。

ドッグカフェが楽しめるシエンタ

唯一のライバルはホンダ フリードだが、フリードにないドッグフレンドリーポイントとして挙げられるのが、まずはハイブリッド車に用意されるAC100V/1500Wコンセントの装備。4万4000円のオプションとなるのだが、車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジなどの家電品が使え、眺めのいい場所に止めれば、そこが愛犬とまったりできる“どこでもドッグカフェ”になる大きなメリット、楽しさがある。これはフリードのハイブリッド車には望めないこと(AC100V/1500Wコンセントの設定なし)。

そして天井サーキュレーターの装備だ。このクラスのミニバンにはMクラスボックス型ミニバンなどと違い、2/3列目席用のエアコンは装備されない。しかし犬は1年中、毛皮を着ていて暑がり。室内温度が高いと、命を落とすことになりかねない熱中症の心配があるのだが、天井サーキュレーターによって室内の空気が循環する。後席用エアコンがなくても、後席は比較的空調の整った空間になりうるのだ。これもまた、フリードにはない装備なのである。

もちろん、ハイブリッドモデルなら走行中の車内は極めて静かで、モーター加速のスムーズさもあって、聴覚に優れ、車内でどこかにつかまれない犬も快適に乗っていられるというわけだ。筆者も愛犬を乗せて東京・お台場までドライブしたが、飼い主も犬も快適・安全安心に目的地へ到着できた。

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ちなみにライバルのフリードとのドッグフレンドリーポイントの決定的な違いは、純正ドッグアクセサリーの有無、充実度だろうか。愛犬用アクセサリーがフリードには多数用意されているものの、トヨタ車用にはほとんどないのが現状だ。また、サブスクのKINTOでシエンタに乗ってしまうと「ペットの乗車禁止」という規約があるので、ご注意を。

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