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交換式バッテリーで充電待ち時間なし! ホンダが一般向け電動バイク「EM1 e:」を発表

ミラノショーで発表されたものとは異なり、きっちり日本仕様としてお披露目されており、欧州仕様ではあったタンデムステップは取り払われている

モバイルパワーパックを使用した一台

モーターサイクルショーの東京展「第50回東京モーターサイクルショー」が3月24日~26日、東京ビッグサイトで開催された。

ホンダの交換式バッテリーを駆動動力として使用する電動スクーターを発表

2023年のモーターサイクルショーでは、ホンダが国内初公開となる2モデルを発表。東京ショーでもホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博代表取締役社長がブースに登壇し、プレスブリーフィングも行われた。その国内初登場の2台のうちの1台が、2023年11月にイタリア・ミラノで開催されたEICMA 2022(ミラノショー)で初公開された「EM1 e:(イーエムワン イー)」である。

市販予定車として登場したEM1 e:は、ホンダの交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック)」を駆動動力として使用する電動スクーターである。モバイルパワーパックが空になっても、充電済みのモバイルパワーパックに交換することで、充電のための待ち時間を要することなく走行が可能となるのが特徴だ。

ボディカラーは3色を用意

現在ホンダが国内に投入しているモバイルパワーパック採用の電動バイクといえば「BENLY e:」、「GYRO e:」、「GYRO CANOPY e:」の3種。これらe:ビジネスバイクシリーズを法人向けに販売している。こちらはバッテリーモバイルパワーパック2個を直列で接続して走行をするものだが、今回の「EM1 e:」はモバイルパワーパックを一個のみ使用するというものとなり、車両内にはバッテリーを一個搭載するだけのスペースしかない。原付一種(第一種原動機付自転車)相当の定格出力で、最高速度は45km/h、1回のチャージで40km以上の航続距離となる(WMTCモード/欧州仕様車)。

ちなみに欧州モデル発表時に、ボディカラーは3色が用意されるというアナウンスがあったが、今回の東京ショーでも会場に並んだ「パール サンビーム ホワイト」、「デジタルシルバーメタリック」という白と銀の2色が確認できている。「マットガンパウダーブラックメタリック(仮)」というラインナップも多分加わるのだろう。

個人車両としての電動スクーターが現実になる

ホンダの電動バイクといえば、1994年登場のCUB ESは官公庁や地方自治体など向け、2009年登場のEV-neoは法人向けに販売。2018年以降登場したPCX ELECTRICは法人、官公庁にリース限定となっていた。2020年から販売されているe:ビジネスバイクシリーズも法人向けの販売のみであったが、今回は個人向けの販売となるという。

まだ価格や発売日などの詳細は未発表ながら、ようやく個人向け車両としての電動スクーターが現実のものになりそうだ。交換式バッテリーのEVだけに、しばらくは1~2本の“自分用バッテリー”を持ち歩くのか? バッテリーを購入する必要はないのか? そのあたりのことがアナウンスされるのを待ちたい。

さらに使い勝手という点で気になるのは、モバイルパワーパックの交換ステーション網の整備となる。ホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハの4メーカーとENEOSホールディングスの5社が設立したGachaco(ガチャコ)が東京に7カ所、大阪に1カ所のバッテリー交換ステーションの運用を開始している。これが本当にユーザーの利便性に貢献してくれるのか、という点は気になるところ。FCVと水素ステーションの際に論じられた「タマゴが先か、ニワトリが先か」なのか「花とミツバチ」なのかわからないが、もっと多くのステーションが整備されていくのか、その進捗についても注目していきたい。

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