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近藤真彦氏参加「自由民主党モータースポーツ振興議員連盟総会」が開催。「フォーミュラE」は東京ビッグサイト周辺で行われる!?

近藤会長

報告する日本レースプロモーション次期会長の近藤真彦氏

近藤真彦次期JRP会長も訪れて現状を報告

2023年3月15日、東京都千代田区の自民党本部において、「自由民主党モータースポーツ振興議員連盟総会」が開催された。モータースポーツ関連の各団体などが、現状の取り組みなどについて報告した。

レースの世界でも環境対策が急務

当日は自由民主党モータースポーツ振興議員連盟の会長である古屋圭司議員、三原じゅん子議員、大岡敏孝議員、山本左近議員が参加した。

四輪モータースポーツとしては、スーパーGTを運営するGTアソシエイションの坂東正明代表、スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーションから次期会長就任予定の近藤真彦氏、ラリージャパン実行委員会として太田稔彦 豊田市長と小坂喬峰 恵那市長、全日本ラリー選手権を運営するJRCAの新井敏弘会長などが参加。現在の近況報告などが行われた。

今回の総会の議題にもなっていたが、四輪、二輪ともに重要課題となっているのが環境問題である。スーパーGTでは化石燃料を使用していない、木材の廃材から作られるカーボンニュートラル燃料を使用するため、2022年よりテストを開始。2023年シーズン開幕前の公式テストでは、今シーズンに参戦する予定の全42台のチームにカーボンニュートラル燃料を提供し、実走行を重ねている。トヨタ/ホンダ/日産とGT500クラスに参戦するメーカーへも提供し、エンジンベンチテストも行っているとのこと。これらの取り組みにより、音の出る内燃機関を使ったレースが継続できるようにしたいという。

スーパーフォーミュラにおいても、マシンカウルの一部に麻を用いたり、ヨコハマが開発したカーボンニュートラルタイヤの採用など、マシンの環境対策も進めている。近藤氏は、「モータースポーツは研究室になれる。燃費を良くするため、安心安全性を高めて、市販車へフィードバックするため。これらを追求していくことも、モータースポーツの役割だと思っている」とコメントした。

また、カーボンニュートラル燃料についてラリージャパン実行委員会の小坂恵那市長も、今後カーボンニュートラル燃料を使い続けていくべきであり、単にモータースポーツにおける脱炭素へ向けた取り組みというだけでなく、日本が取り組んでいくべき大きな課題とコメント。日本各地でカーボンニュートラル燃料が製造できるようになれば国益にも繋がり、地域の活性化にも貢献できる。なにより、内燃機関をこれからも使い続けることが可能になり、自動車がなくてはならない地方ではとても大事なことと語った。

モータースポーツは興味のない方にも理解を得ていかなければならない

三原議員と山本議員からは、自動車モータースポーツの振興に関する法律案についての現状も報告された。与党での議論は終了しており、あとは国会に提出し、今国会での成立を目指しているとのこと。諸外国に対して日本は、青少年をはじめ多くの国民が身近に自動車モータースポーツに親しむ機会を十分に享受できる環境が整っていないのが現状。この法律案では、国民がモータースポーツに親しむ機会(公道レース含む)の確保、地域活性化&観光振興、産業の発展および技術力の強化、青少年の健全育成、安全運転技術などの習得、交通安全思想の普及といったことが盛り込まれている。

自由民主党モータースポーツ振興議員連盟会長の古屋議員は「モータースポーツ=暴走族という印象を払拭したい。関心がない人にとっては、騒音以外のなにものでもないので、そういった方々からも理解を得ていかなければならないのです」とコメント。もっとモータースポーツを身近な存在にするため、関係各所とも連携を密にしながら、法案成立を目指していく。

また、2024年3月末にはEVによる世界選手権「フォーミュラE」が東京で開催される予定。公道を使うこの選手権では、東京ビッグサイト周辺がコースとして設定される予定とのこと。これこそ近隣住民などの理解を得ることが大事であり、東京都や警察、日本自動車連盟(JAF)が連携して開催に向けて取り組んでいくことが発表された。

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当日は、スーパーGT GT500クラス2022年王者の平峰一貴選手、スーパーフォーミュラ2022年王者の野尻智紀選手も参加。平峰選手は、「モータースポーツはたくさんの方と感動を分かち合える素晴らしいスポーツです。これからもプロドライバーとして、子どもたちはもちろんたくさんの方に感動を与えられるよう一生懸命に走ります」と語った。

近藤氏は「サッカーや野球と同様に、モータースポーツも日本でもっとメジャーにならなければいけないスポーツです。ぜひ一度、サーキットに来て迫力を実際に体感してほしいですね」と語る。モータースポーツはエコとは真逆の存在のように見えるかもしれないが、最先端の環境対策を行い、自動車業界に貢献しながら存続の可能性を模索している。時代に適応し、モータースポーツがもっと身近な存在となってくれることを願ってやまない。

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