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水素燃料のEVが世界を救う!? 体験試乗会で水素自動車の未来が見えた!

いすゞ&トヨタ FCEV Light Duty Truc

バンコクモーターショーに合わせて開催された水素自動車の体験試乗会に参加

2023年3月に開催された第44回バンコクモーターショー。それに合わせてCJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)が、タイ最大の財閥であるCPグループとの協業で取り組むトラックのFCEV化(「Fuel Cell Electric Vehicle」の略。 水素を燃料とするEV)を海外プレスに発信するため、アジアプレス向け体験試乗会を現地のTAS(TOYOTA ALIVE SPACE)にて開催した。EV TimesとAMW(AUTO MESSE WEB)はその試乗会に合同で参加したので、そのレポートをお届けしたい。

アジアの生活向上を目的にトラックやバスなどを日本×タイで開発中

CJPTとは、いすゞ自動車とトヨタ自動車、スズキ、ダイハツ工業が共同出資する商用事業会社だ。商用車における技術の普及を通じてカーボンニュートラルを促進することを目標に掲げ、現在はアジアの生活向上を目的にトラックやバス、タクシーなどを中心に開発を検討している。タイの豊富な資源を利用しながら、商用車のFCEV化を進めている。

すでにトヨタはタイ最大財閥であるCPグループとの協業にも着手しており、タイ国内の養鶏・家畜業から集めた家畜糞尿から生まれるバイオガスを活用し、水素を精製。この水素を活用したトラックのFCEV化にも成功しているのだ。

しかし実際、FCEV=水素自動車の商用におけるメリットにはどのようなものがあるのだろうか。物流トラックとして見た場合、EVでは充電時間が長くなるが、水素自動車ならガソリンスタンド同等の燃料供給時間で充填が可能。加速の良さからドライバーの負担も軽減され、排ガス性にも優れるため環境にも優しい。10kgの水素であればチャージは約5分、1kgにつき約80kmの航続が可能となり、長距離を走る商用車としての資格も十分だ。ただし現在はガソリン同様に価格が高騰しており、水素1kgが1400円前後。価格の安定は今後の課題だろう。

ちなみに当日、試乗可能だったISUZU & TOYOTAのFCEV Light Duty Truckは、すでに日本の福島県でも導入されている。水素タンクの容量は10kgで、250~260kmほどの航続が可能。ただし航続距離は運行ルートによっても差が生じるため、それほど重要な要素ではない。重要なのはどれだけの重量を一度に運べるのかで、そのあたりの力強さに関してはクリアされているようだ。

さまざまな用途のFCEVを実体験! 商用車のFCEV化はかなり現実的な局面が近い!

さて実際に試乗してみた感想だが、まず驚いたのはスムーズかつ強烈な加速。60km/hまではそれこそアッという間に到達する感覚で、ガソリントラックのイメージを根本から覆すほどに軽い。これなら大型トラックでも高速道路などへの合流がスムーズになるので、運行中のストレスもグッと軽減するハズ。何より常に室内が静かなため快適そのもので、ドライバーの負担軽減、そして環境への貢献度も確実に高いといえる。

タクシーも快適で、見た目からは想像できないほどに俊敏で走りがいい。バンは取り回しがバツグンなので、狭い道でもガンガン進める。細い道が多い日本の道路事情にも合いそうだ。

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タイの家畜から出た糞尿から生まれるバイオガスを日本で水素化し、ビッグデータを最適化して物流の効率化を図るとともに、カーボンニュートラルも促進していくというCJPTの試み。まだ課題は残されているとしても、運用はかなり現実的な段階まで進んできていると今回の試乗会では実感させられた。まずは日本経済を下支えする流通の改革と、カーボンニュートラルとの両立。FCEV=水素自動車はそのための選択肢として、候補に挙げておくべきだろう。

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