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トヨタ「スターレット」でパイクスピークにチャレンジ! 予選の結果、60番目の出走が決定しました

Satoshi Yagi (#831 1990年式 Toyota Starlet EP82/Pikes Peak Open/5分12秒800)

観戦チケットはソールドアウト

今回で101回目を数えるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、2023年6月25日の決勝を前に、19日(月)に車検からレースウィークがスタート。その後20日(火)から3日間の予選がスケジュールされていた。しかし、予選3日目の22日(木)は霧のため視界不良でタイムアタックが不可との判断から、この日の走行をキャンセル。翌23日(金)に予選最終日を順延し、無事に予選は終了した。

独特の方法で練習走行が行われるパイクスピーク

パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、アメリカ・コロラド州にある標高4301mのパイクスピークという山への観光道路であるパイクスピーク・ハイウェイを使って行われるヒルクライムレースだ。スタートからゴール地点の山頂までの距離は20km。その初開催は1916年と、インディ500マイルレースに次ぐ世界で2番目に古いレースと言われている。

2022年に100回目の記念大会を行い、今回が101回目となるパイクスピーク・ヒルクライムには、世界から最終的に17名のルーキーを含む66台がエントリー。クラスはエキシビジョン、オープンホイール、パイクスピーク・オープン、ポルシェ・パイクスピーク・トロフィ、タイムアタック1、アンリミテッドの6クラスとなる。以前は2輪部門もあったが、死亡事故が多発したため現在は2輪のクラスは存在しない。

レースウィークに入り、車検を通過した車両は6月20日(火)からパイクスピーク・ハイウェイを使用した練習走行を行うこととなる。午前全長20kmのコースをアッパー/ミドル/ロアと3分割し、エントラントも3グループに分け、3日かけてそれぞれのグループが全セクションを走行する機会を設けている。ちなみにスタートからゴールまでを通して走れるのは決勝日のみとなる。

練習走行は、パイクスピーク・ハイウェイの営業時間前、つまり観光客が入山する前に行われるため、まだ陽も昇らない夜中にチーム関係者は山を上がっていきピットを設営。毎朝午前5時過ぎから午前8時半までの時間を使って走行を行う。

エントラントはスタート地点に並び、出走する全車が1台ずつアタックし、出走車がなくなった時点でコースはクローズされ、アタックを終えた各車がそろって山を下りスタート地点まで戻ることになる。そして全車がコースを下り切ると再びコースはオープンされ、また1台ずつアタックをする。

これを繰り返すわけだが、終了時間は決まっているため、途中でトラブルなどが発生してしまうと走行本数は削られてしまう。ちなみにロア・セクションでのベストタイムが予選タイムとなり、その結果により決勝レースの出走順が決まる。

2022年の覇者が予選トップタイム

今回は初日に、タイムアタック1およびポルシェ・パイクスピーク・トロフィクラスが予選アタック。デビッド・ドナヒュー選手(#59ポルシェ GT2 RS クラブスポーツ/2019年式/タイムアタック1クラス)がトップタイム3分53秒618を記録。

2日目には、アンリミテッドとパイクスピーク・オープンクラスがアタック。ここでは現コースレコード(7分57秒148/2018年/#94 フォルクスワーゲン I.D. R パイクスピーク)保持者のロマン・デュマ選手(#4 フォード パフォーマンス スーパーバン4/2023年式/パイクスピーク・オープン)が3分39秒939のクラストップタイムを出した。

しかし、これまで3度の「キング・オブ・ザ・マウンテン」の称号を受けたロビン・シュート選手(#49 ウルフ TSC-FS/2018年式/アンリミテッド)が3回目のアタックで3分24秒711を記録。総合順位でトップに立った。

霧のため順延となった予選最終日の23日(金)にアタックしたエキシビションクラスとオープンホイールクラスでは、オープンホイールのコーディー・ヴァショルツ選手(#18 Ford Open Vahsholtz Custom/2013年式)が3分52秒816と、この日唯一の3分台のタイムを記録して予選セッションはすべて終了した。

今回参戦している日本人2名はともにパイクスピーク・オープンクラスに参戦するため、練習走行2日目に予選アタックを行った。八木敏史選手(#831トヨタ スターレット/1990年式)は、走行2本目に出した5分12秒800。

吉原大二郎選手(#52 ホンダS2000/2005年式)は、走行初日にトラブルが発生し、その日の午後に問題は解決したということだったが、予選アタックでもブレーキペダルが引っかかる症状が見られ、1本を走行したのみとなった。この際に出した4分18秒595が予選タイムとなった。

ランオーダーが発表され、吉原選手は26番目、八木選手は60番目の出走という結果に。全予選が終了した23日(金)は夕方からコロラドスプリングスのダウンタウンで全エントラントが一堂に会し、地元のファンと交流する「ファンフェスタ」が開催された。

24日(土)は完全オフとなり、各チームはスタート地点に車両を持ち込みピットを設営するのみ。101回目のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの決勝は6月25日(日)午前7時半のスタート。その模様は追ってレポートする。

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