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カッレ・ロバンペラに迫る実力を持つ蕎麦切選手が覚醒!「フォーミュラドリフトジャパン4戦目」で見せた走りとは

SHIBATA Racing YOKOHAMAの柴田代表とのツーショット

蕎麦切広大選手は若手ドライバーのなかでも注目株

7月22日(土)~23日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで行われた、フォーミュラドリフトジャパン第4戦は、末永直登が予選8位から劇的なバースディウインを決めるなど、最後まで見応えのあるラウンドだった。そのなかでも注目したいのは、2位を獲得した蕎麦切広大。2017年から本格的にドリフト競技に参戦するようになった、現在27歳の若手ドライバーだ。

ラジコンドリフトでクルマの動きを学んだ

小さい頃からラジコンドリフトで実力を魅せていた蕎麦切広大。R31HOUSEが主催した「最強ラジコンドリフターは誰だ?」で2連覇を達成したこともある実力者である。ラジコンドリフトでR31HOUSEの柴田代表に出逢い、幼い頃からの夢だった実車のドリフトドライバーとして、現在はSHIBATA Racing YOKOHAMAからフォーミュラドリフトジャパンやD1GPといった、国内最高峰のドリフト競技に参戦中だ。

ロバンペラと対戦しワンモアタイムへ持ち込んだ

フォーミュラドリフトジャパンにはこれまでも出場していたが、本格的にフル参戦するのは2023年が初めて。第1戦は参戦しなかったものの、第2戦から第6戦まで出場した昨年はシリーズランキング13位を獲得した。

今年は2022年以上に好調だ。第1戦ではグレート8まで勝ち進み、第2戦ではトップ16で2022年WRC王者カッレ・ロバンペラと対戦。ワンモアタイムまで持ち込むも敗退した。第3戦では3位入賞を果たし、今回の第4戦では、ファイナルまで勝ち進んで2位を獲得した。

2022年からGR86で参戦しているが、今年はボディを換え、エンジンは2JZからVR38DETTとなり、排気量は3600ccからHKSのキットで4100ccにアップし、タイヤもサイルンからヨコハマに変更している。昨年と同じGR86だが、まったく別のクルマに生まれ変わった。

攻めの姿勢のドライブが好成績に繋がっている

これまでの蕎麦切広大の走りは、まとめ方が上手くミスを最小限に抑えるという印象だったが、今年は違う。予選から攻めている感を出している。

2022年シリーズの松山北斗は、角度があり、速くてラインがキレイという走りでシリーズチャンピオンを獲得したこともあり、彼の走りを目指すようになったという。これまでは単走で行われる予選でも「予選落ちをしない走り」的な感はあったが、今年からは「必ず1位を狙える走り」を心がけるようになった。それが今回の予選3位という成績にも繋がっているのだ。

蕎麦切広大にとってターニングポイントとなったのは、第2戦のカッレ・ロバンペラ戦だ。結果的にはワンモアタイムまでもつれ込むもトップ16敗退となったが、優勝したカッレ・ロバンペラ相手に一歩も引かない走りを見せた。蕎麦切広大自身も、WRC王者が参戦するということで注目はしていたという。

練習の走りを見ながら速度のあるミスなきドリフトを目に焼き付けていた。タイヤが同じヨコハマであるということもあり、思い切り飛び込んでいけば勝てると思って走った。その強い気持ちが、あの好バトルを演出したのだ。それが今の蕎麦切広大の自信を生んだのは間違いないだろう。

D1GPでも好調をキープ! ランキングトップを走る

第3戦の富士スピードウェイでは、ラウンドを重ねたことで自分に合ったセッティングを見つけ、3位を獲得。ひとつずつ順位を確実に上げている。シリーズランキングも4位から3位に浮上。そしてなにより大きいのがトップとのポイント差である。その差は第4戦を終了した時点で僅か9ポイントで、シリーズチャンピオンを意識するところまで押し上げている。また今年はフォーミュラドリフトジャパンだけでなく、D1GPでも調子が良い。第4戦の筑波サーキットで優勝し、ランキングトップを走る。

GR86とインフィニティを乗り分けて参戦している

フォーミュラドリフトジャパンはGR86、D1GPはインフィニティと乗り分けて参戦中だが、エンジンも足まわりも同様なので、とくに気になる点はないとのこと。ひとつだけ気を付けている点は車格の違いだが、それ以外は同じ感覚でドライブできる。また審査方法も違いはあるが、根本的には「カッコイイ走り」をすれば得点は付いてくると信じ、思い切り走っている。それが今年の成績を生んでいるのだ。

普段は、週4日くらいシミュレーターで練習している。シミュレーターの良い点は実際のコースと同じ感覚で練習できる点。現在はラジドリからは離れているものの、セッティングを換えてクルマがどうなるという部分は、ラジコンで覚えたセッティング術を今は実車で実践している。これまで経験してきたすべてを生かし、ドリフト競技の頂点を目指す。

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箕輪大也、KANTAなど、若手ドライバーが活躍するなか、蕎麦切広大も着実に実力を付けている。まずはラウンド優勝、そしてシリーズチャンピオン獲得。その先にあるUSAフォーミュラドリフトなどの海外進出を目指して、残り2戦全力で挑む。

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