サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

子弟対決を制したKANTAが今期初優勝!「フォーミュラドリフトジャパン」第5戦はチームオレンジがワンツーでした

ファイナルでの走り。KANTA(先行)と小橋正典(後追い)。この戦いでKANTAは、大先輩である小橋正典に対して初勝利した

「MOTOR GAMES」として奥伊吹で開催!「FMX SHOW CASE」も併催

アメリカ発のドリフト競技「フォーミュラドリフトジャパン」の第5戦が、2023年8月19日(土)~20日(日)に、滋賀県のグランスノー奥伊吹で行われた。前回に引き続き「MOTOR GAMES」として、バイクが空を舞う「FMX SHOW CASE」も同時開催された。

ストリート感覚で走行できるグランスノー奥伊吹で開催

フォーミュラドリフトジャパンのシリーズは基本的にサーキット(国際サーキット&ミニコース)で行われているが、今回のラウンドの会場となったグランスノー奥伊吹は、スキー場敷地内の道路と駐車場を使用して行われている。それだけにエスケープゾーンはほぼ無いというリスキーなコースでの戦いとなった。

このグランスノー奥伊吹を使用して行われるようになったのはフォーミュラドリフトジャパンのシリーズ戦2年目の2016年で、今回で8回目の開催となる。そびえ立つ崖手前が1コーナーとなっており、そこから駐車場に入る橋を通過して駐車場内に設定されたコースを抜け、また橋を通って下っていく。さらに駐車場内のコースもコンクリートウォールで囲まれており、コンクリートウォールギリギリでドリフトしながら抜けていく様は圧巻だ。スタート地点も上り坂に設定されているので、サーキットとは違ったテクニックも要求される。1コーナーの崖上駐車場に設置されたスタンド席もコースの真上にあり、まさに走る側だけでなく観る側もストリート感覚で楽しめる唯一のコースである。

そんなコースだからクラッシュも尽きない。今回も予選前日に行われた公式練習で、FD3Sに乗るマッド・マイクが全損級のクラッシュをしてしまう。しかし翌日の予選開始前にはほとんど何事もなかったような姿で登場したことで、その不屈の精神にドライバーはもちろんのことメカニックにも賛辞が送られた。

予選は高得点が続出! 単走優勝に輝いたのは小橋選手

ドライ路面で行われた予選は、1本目から高得点が続出。24番手でスタートした真野修一(PS13)が87ポイントを獲得しトップに立つも、その後KANTA(JZX100)が91点、さらにシリーズランキング1位の箕輪大也(GRヤリス)が94点を出してトップが目まぐるしく入れ替わる。このまま箕輪大也がトップで終了かと思われた2本目、小橋正典(A90)がトップタイとなる94ポイントをマーク。箕輪大也が2本目にミスを出し0ポイントとなった時点で、1本目に81ポイントを獲得した小橋正典が初の単走優勝に輝いた。この単走優勝で小橋正典は「やっと単走優勝が出来ました。KANTAに単走でも勝てたことが嬉しい」とコメントを残すが、これが決勝戦をさらに盛り上げる結果となる。

決勝トーナメントはグッドライド勢が優勢となった

快晴のドライ路面で行われた20日(日)の決勝トーナメントは、予選トップの小橋正典が強さを見せつける。トップ32の予選32位の麻植隆太郎(FD3S)との対戦時のみワンモアタイムまでもつれ込むも、予選16位の日比野哲也(RZ34)、予選25位の山中真生(A90)といったグッドライド勢、ファイナル4では予選13位の松山北斗を破りファイナル進出を果たす。

一方予選2位の箕輪大也は、順調にグレート8まで勝ち進むも、グレート8で対戦した予選23位のベテラン山下広一(E92)と対戦し敗退。シリーズポイントの差が切迫しているだけに、この負けはかなり厳しいものとなった。予選から一定のラインで乱れ知らずのドリフトを続けて、予選6位からファイナル4進出を果たしたKANTAは、箕輪大也を破った山下広一と対戦。この戦いを制したKANTAはファイナル進出を果たした。

チームオレンジの同門対決となったファイナル

ファイナルは今期初となるチームオレンジ対決となった。勢いのある小橋正典vs乱れなきドリフトのKANTA。KANTA先行の2本目、気迫あふれる走りを見せる小橋正典だったが、進入でゾーン1でのオーバーランもあり、この戦いはKANTAが制した。これまでフォーミュラドリフトジャパンで小橋正典と3度の対決はあったが、KANTAはいずれも敗退してきた。しかも小橋正典は、青森時代からのドリフトの大先輩。そんな小橋正典に勝利して手に入れた今回の優勝は格別のものだった。

この第5戦終了時点で大きく動いたのが、シリーズランキング。第1戦からランキングトップをキープし続けた箕輪大也が2位へ後退し、まだ今シーズンは優勝こそないもののランキングトップに立ったのが、小橋正典だ。その差はわずか9ポイント。3位の髙橋和己もトップとの差は18ポイントで、まだまだ逆転の可能性を残している。さらに今回の優勝で大きく順位を上げてきたKANTAや5位までランクダウンしたが蕎麦切広大にもチャンスはある。

フォーミュラドリフトジャパンの最終戦は、10月7日(土)~8日(日)に岡山県の岡山国際サーキットで行われる。最後に誰が勝って、そしてチャンピオンの座を仕留めることができるのか、シリーズ終盤戦も見逃せない戦いが続く。

2023 FORMULA DRIFT JAPAN Rd.5 GRANSNOW OKUIBUKI(2023.8.19~20)

優勝 KANTA  JZX100  福島県  LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
2位 小橋正典  A90  青森県  LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE
3位 松山北斗  A90  静岡県  CUSCO RACING
4位 山下広一  BMW-E92  神奈川県  TMS RACING TEAM SAILUN TIRE
5位 箕輪大也  GRヤリス  東京都  CUSCO Racing
6位 髙橋和己  BMW-E92  千葉県  TMS RACING TEAM SAILUN TIRE

2023 FORMULA DRIFT JAPAN シリーズランキング(第5戦終了時点)

1位 小橋正典  A90  青森県  LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE  311 Point
2位 箕輪大也  GRヤリス  東京都  CUSCO Racing  302 Point
3位 髙橋和己  BMW-E92  千葉県  TMS RACING TEAM SAILUN TIRE  293 Point
4位 KANTA  JZX100  福島県  LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE  270 Point
5位 蕎麦切広大  GR86  岐阜県  SHIBATA Racing YOKOHAMA  259 Point
6位 松山北斗  A90  静岡県  CUSCO RACING  225 Point
7位 ユキオ・ファスト  S15  ブラジル  SIDEX JAPAN WITH SAILUN TIRE AND LBWK  223 Point
8位 ケン・グシ  IS500  LA  Team kazama with powervehicles  208 Point
9位 日比野哲也  A90  愛知県  GOODRIDE MOTORSPORTS  196 Point
10位 末永直登  RFZ34  福島県  ATLAS TIRE DRIFT Team ORANGE  195 Point

※正式リザルトにつきましては、主催者公式発表のものをご確認ください。

2023 FORMULA DRIFT JAPAN シリーズランキング(第4戦終了時点)

1位 箕輪大也  GRヤリス  東京都  CUSCO Racing  248 Point
2位 髙橋和己  BMW-E92  千葉県  TMS RACING TEAM SAILUN TIRE  240 Point
3位 蕎麦切広大  GR86  岐阜県  SHIBATA Racing YOKOHAMA  239 Point
4位 小橋正典  A90  青森県  LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE  224 Point
5位 日比野哲也  A90  愛知県  GOODRIDE MOTORSPORTS  177 Point
6位 末永直登  RFZ34  福島県  ATLAS TIRE DRIFT Team ORANGE  177 Point
7位 ユキオ・ファスト  S15  ブラジル  SIDEX JAPAN WITH SAILUN TIRE AND LBWK  172 Point
8位 ケン・グシ  IS500  LA  Team kazama with powervehicles  172 Point
9位 KANTA  JZX100  福島県  LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE  166 Point
10位 松山北斗  A90  静岡県  CUSCO RACING  158 Point

モバイルバージョンを終了