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ルート66復活の街「セリグマン」で絶対オススメのモーテルとは? レストランやバーでの交流も楽しいんです【ルート66旅_43】

ハーレー・ダビッドソンのスペシャル・ルーム。コンクリート打ち放しの床にはタイヤ痕、行き先を見ると壁にバイクのイラストが

ルート66ファンなら一度は泊まってほしい「ステージコーチ66」

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、見どころの多いアリゾナ州へ。今回は、ルート66復活の街として有名なセリグマンに来たらぜひ一度は泊まってほしいモーテルを紹介します。

セリグマン最大のモーテルは併設レストランのピザも美味!

偶然にも東日本大震災が起きた2011年3月11日に宿泊しており、言葉では表現できないほど支えてもらった「アリゾナのわが家」。ルート66再誕の街として名を知られるセリグマン、その東はずれにある「ステージコーチ66モーテル」だ。

私の恩人であり友人のリサがオーナーになったのは約20年前だが、その当時でも建設されてからは結構な歳月が経過していたらしい。ノルウェーからアメリカへ移住して来た彼女は、トラックのドライバーなどさまざまな職業で資金を作り、セリグマンでステージコーチ66モーテルを買い取った。しかし当時は屋根すらマトモにかかっていない廃墟に近い状態で、営業を再開するにはそれなりの費用と時間を費やしたという。

現在の部屋数は42とセリグマンでは最大の規模を誇り、半数が前回で紹介したリサの故郷であるノルウェーや、西部開拓時代などのテーマに沿ったスペシャル・ルーム。建物こそ昔のままだが室内はスタッフの手で清潔に保たれており、Wi-Fiや冷暖房といった快適装備も大手モーテルと同様にある。セリグマンは標高が1600mなので冬は当たり前に雪が降り、夏は30℃オーバーになり日差しもアリゾナらしく強烈。私はいずれの季節にも滞在しているが、室内で寒さや暑さに難儀した記憶はない。

また敷地内にはレストラン「ピザ・ジョイント」も営業中だ。もちろん看板メニューはピザで街の名を冠した「セリグマン」は、トッピングがたっぷり乗せられ18インチ(約46cm)のラージで23.95ドル。さすがに和食や中華料理こそないがメニューは豊富で、お酒のツマミになるリーズナブルな単品も充実している。

旅人たちと地元住人が一緒に楽しめるバー

さらに2014年からはレストランの隣にバーがオープン。数十種類を取り揃えた国内外のビールを筆頭に、バーボンやテキーラやラムなども豊富に用意され、ピザ・ジョイントのメニューもオーダーできる。

世界中からやって来た宿泊客だけではなくセリグマンの住人も多く訪れ、ルート66や旅の思い出を語ったりそれぞれの国の話で盛り上がったり、初対面どうしが意気投合しビリヤードを楽しんだりすることも。

余談だが日本人というかアジア人がひとりで来るのは相当にレアなケースらしく、地元の人に話しかけられ仲よくなり奢ってもらうなんていうのも日常茶飯事だ。翌年に「また会えるかな?」と思いつつお土産を持参してバーに行くと再会できることも多く、別のお客さんが呼び出してくれることもある。

このバーができてからセリグマンでの滞在がより楽しくなり、どんなに酔っ払っても1分でベッドにたどり着くのが最高にありがたい。街の中心部から少し離れてはいる(といってもクルマで2~3分)が、敷地内で食事とお酒と睡眠のすべてを完結できるのは大きなメリットだろう。

クリーンかつ快適で趣向を凝らしたそれぞれの部屋、親切なオーナーのリサをはじめとするスタッフたちの応対、美味しい食事と酒を楽しめるレストランにバー、そしてルート66の住人や世界中から訪れる人々との出会い。75歳になったタイミングでリサが経営から退いた現在も、彼女の旅人を温かくもてなす心意気は引き継がれている。ルート66を走るなら一度は泊まってほしいモーテルだ。

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