世界最大のブガッティショールームがアゼルバイジャンに誕生
ブガッティは2025年1月28日、東ヨーロッパと西アジアの境目に位置し、ロシアやイランなどと国境を接するアゼルバイジャンの首都バクーに世界最大のショールームをオープンしたと発表しました。華やかなオープニングセレモニーの様子を紹介します。
トゥールビヨンがアゼルバイジャンに上陸
ブガッティは2025年1月28日、アゼルバイジャンの首都バクーのラグジュアリーブランドが集う一等地に位置する「ブガッティ・バクー」がオープンしたしたと発表した。これはブガッティ最大のショールームが誕生したことを意味する。
ナザール・ホールディングスが運営するこのショールームは、ブガッティの存在感を示す重要な拠点となる。加えて、ブガッティの新たなビジュアルアイデンティティとクリエイティブな方向性を象徴する場であり、目の肥えたブガッティ愛好家、メディア関係者、アゼルバイジャンの代表者らが集った壮大なグランドオープニングの舞台としても、ふさわしいロケーションであった。
この祝典には、ブガッティ「トゥールビヨン」が登場した。新時代の幕開けとともにバクーへと降り立ったこのクルマは、ヨーロッパとアジアをつなぐ美しい架け橋のような存在である。モダンなデザインと何千年にも及ぶ歴史が交錯するバクーの街において、トゥールビヨンは建築美を背景に一層引き立てられた。
都市の活気と祝賀ムードがあふれる祝典のクライマックスを飾ったのは、壮麗な「ヘイダル・アリエフ・センター」での華やかなガラディナーであった。
ブガッティの歴史と革新の象徴が集結
ザハ・ハディッドが手がけたヘイダル・アリエフ・センターは、バクーにおける建築とラグジュアリー不動産への情熱を象徴する傑作である。優雅なデザインは、ブガッティが自動車の枠を超えて提唱する「アール・ド・ヴィーヴル(Art de Vivre)」の真髄を体現しており、流れるようなフォルム、シームレスな形状、そして卓越した職人技が、ブランドの根幹を支えている。
このモダン建築の宝石のような空間で、ブガッティの歴史を象徴する名車たちがゲストを迎えた。会場に展示された「ベイビー・ブガッティ・センテナリー・エディション」は、2024年に100周年を迎えた「タイプ35」が築いた伝統を称え、現代のブガッティの職人技の卓越性が注ぎ込まれたモデルである。その傍らには、W16エンジン時代の象徴とも言える「シロン」と「ヴェイロン」が並び、ブガッティの革新の歴史がいかに受け継がれてきたかを物語り、来場者の目を楽しませた。
AMWノミカタ
なぜアゼルバイジャンにブガッティのショールーム? というのが第一の疑問であった。1991年にソビエトから独立を果たしたアゼルバイジャンは、その後発見されたカスピ海の豊富な海底油田の石油やガス資源を柱に飛躍的な経済成長を果たしている。
そして首都バクー市内にはヘイダル・アリエフ・センターや、フレームタワーズ、ホワイトシティなどの超近代的な建築物が立ち並ぶようになった。F1のアゼルバイジャンGPの映像でその近代的な街並みをご覧になられた方もいるであろう。そんな様子を見ると、かつてのドバイが見せた発展をこの国も遂げるのではないかとも思わせる。
今回、ブガッティの世界最大のショールームができたと発表されたが、展示されるクルマは1台のみである。ショールームの規模という話よりも、この中央アジアの地にブガッティの世界観を知らしめる最新のCIに基づいた発信基地ができたことのほうが、意味のあることなのだろう。
ディーラーを運営するナザール・ホールディングスはブガッティのほかにもフェラーリ、ランボルギーニ、アストンマーティンを取り扱う会社である。ブガッティの卓越性その精神はきっとすぐにこの地の富裕層に驚きを与えることであろう。
