JLR、1年間の出産休暇を養子縁組・代理出産にも適用へ
ジャガーランドローバー(以下JLR)は、1年間の出産休暇を養子縁組や代理出産にも適用すると発表しました。また新生児医療が必要な乳児にはさらに12週間の有給家族休暇を提供します。JLRの業界をリードする新たな取り組みについて紹介します。
第一次育児権だけでなく、二次的養育権者もサポート対象に
JLRは、1年分の給与を全額支給するという手厚い出産手当制度を養子縁組や代理出産にも拡大する。同社は20年以上にわたり、業界をリードする1年間の出産休暇を全額支給してきた。この方針は現在、養子縁組や代理出産にも拡大されている。
先進的な取り組みを実施するJLRは、英国の最近の法律改定に先駆けて、2025年4月1日から新生児ケア休暇の新しい方針を打ち出した。その方針は、出産後に赤ちゃんの新生児ケアが必要な場合、従業員に12週間の有給休暇を追加付与するもので、出産、養子縁組、代理出産の合計で64週間となる。
新しい法律では新生児休暇は12週間まで法定有給休暇として認められているが、JLRは最初の6週間は会社新生児休暇手当を支給し、勤務中の通常給与と同額を支給する。このステップを踏むことで、同社は家族に優しい方針が最低限の要件を満たすだけでなく、人生の貴重な瞬間に同僚の進化するニーズに対応し続けることを保証している。
これらの画期的な方針は、子育てへの移行を容易にし、第一次育児権を引き受けるすべての従業員をサポートするように調整されている。JLRはまた、二次的養育権を持つ両親にも4週間の有給出産休暇を提供しており、新生児政策の恩恵も受けている。これは、性別や性的指向に関する障壁を取り除き、安全で包括的な職場環境を促進するための意識的な取り組みである。
「月給の減少を心配することなく、生まれてくる赤ちゃんと一緒に過ごせるこの時間があることは特権であり、とても感謝している。妻が長女を妊娠してから初めての産休となるが、復職後もサポートが受けられると思うと、来年もこの休暇を満喫できるのが待ち遠しい」
と、JLRのDE&Iチームのシニアコンサルタントであるローラ・クームズ・フェローズ氏はコメントしている。
AMWノミカタ
イギリスの一般的な育児休暇は基本26週間で、追加で26週間の最大52週間取得することができる。しかしながら産休手当は最初の6週間が週給の90%、それ以降の33週は定額で毎週184ポンドか週給の90%のどちらか少ない方が支給金額となる。40週以降の手当はない。
JLRはこれまでも52週間の出産休暇を全額支給してきたが、この制度が養子縁組や代理出産にも適用され、今回は新生児医療が必要な乳児にはさらに12週間の有給家族休暇が付与されるなど業界をリードする取り組みを発表した。ここまで手厚い制度の導入の背景には国を挙げて行っている女性の労働参加支援、ワークライフバランスの重視、人口政策、ダイバーシティ・ジェンダー平等の推進などが挙げられるが、それだけ多くの有能な女性従業員をJLRは抱えているという証であろう。JLRのこの制度が今後の自動車産業のモデルケースになればさらに業界の発展につながることだろう。
