フォード製シグマエンジン最後のモデルが登場
英国ケータハムが、限定モデル「セブン310アンコール」を発表しました。フォード製シグマエンジンを搭載する最後のモデルは、楽曲名にインスパイアした6色のボディカラーで個性を演出。公道でもサーキットでも映える、ユニークな1台とは?
約779万円から、限定25台
ケータハムは1973年の創設以来、フォード製1.6L 直列4気筒エンジンをセブンシリーズの中核として搭載してきた。2007年に導入されたシグマエンジンは、フォードとの長きにわたる協力関係において人気が高くかつ耐久性のあるパワーユニットのひとつであった。
今回登場した「セブン 310アンコール」は、イギリス、アメリカ合衆国、アラブ首長国連邦においてわずか25台のみが販売され、その価格は3万9995ポンド(約779万円)からとなる。
シグマエンジンでもっとも高出力な1.6L仕様エンジンを搭載し、最高出力152psを7000rpmで発揮する。これにより、パワーウェイトレシオは281hp/tを実現。5速ギアボックスと組み合わせることで、0-96km/h加速は4.9秒、最高速度は約204km/hに達する。
楽曲名にちなんだ6色のボディカラーで個性を演出
エクステリアは6種類の大胆なカラーを用意。これらのカラーは有名なポップスおよびロックの楽曲にインスパイアされており、「ブルー・マンデー」、「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」、「グリーンライト」、「オレンジクラッシュ」、「バック・イン・ブラック」、「ホワイトノイズ」と命名されている。
そのほかの外装アップグレードとしては、620エアロノーズコーン、CUPグリル、カーボンファイバー製フロントフェンダー、そしてブラックパック仕上げのウィンドスクリーン枠・ヘッドライトベゼル・排気熱シールドカバーが標準装備されている。また、ガンメタル仕上げの特別仕様シャシーと、13インチブラック仕上げのアポロ合金ホイール(トーヨータイヤ R888Rサーキット対応タイヤ装着)が装備される。
内装においては、ダークグレーステッチ入りのブラックレザーシートと、専用のアンコールロゴが特徴的。さらに、カーボンファイバー製ダッシュボードと、専用デザインのアンコール仕様メーターも装備されている。モータースポーツに着想を得た装備としては、シフトライト、4点式ハーネス、着脱式MOMOステアリングホイールが挙げられる。
各車両にはシート後方の内装パネルにコーションナンバー入りプレートが取り付けられ、25台の中の1台としての個別番号が記される。
AMWノミカタ
セブン 310アンコールはフォード製のシグマエンジンを搭載する最後のモデルとなる。これはウェールズのブリッジエンド工場での生産がすでに終了していること、EU排ガス規制や効率性基準に対応できなくっていることが主な理由である。今後は、ルノー・ジーリー・アラムコが共同出資して設立したホース・テクノロジー社が製造する1.3L ターボエンジンが搭載される予定である。
今回のカラー名の付け方はポストパンク(ニュー・オーダー)、クラシックロック(エルトン・ジョン)、現代ポップ(ロード)、オルタナティブ(R.E.M.)、ハードロック(AC/DC)、エレクトロニカ(ディスクロージャー)と多彩な分野からインスパイアされていてじつに面白い。シグマエンジンを搭載した最後のモデルとなるセブン 310アンコールはこの音楽と同様にさまざまな人々の心を揺さぶるクルマとなるのであろう。
